不機嫌な時に「人に当たる」人っていますよね。

こちらは何も悪くないのに敵意を向けられるのは、誰だって嫌です。

身近に思い当たる人がいたり、あなたが八つ当たりされやすい人だとするならば、「人に当たる」人のことを理解し、対処法を編み出しておくといいと思います。

今回は「人に当たる」人の心理や、八つ当たりされやすい人の特徴、対処法を心理カウンセラーの視点からご紹介します。

■「人に当たる」ってどういうこと?

「人に当たる」という言葉の意味は「自分のネガティブな感情やストレスを、無関係な第三者にぶつけること」です。八つ当たりともいいます。

人は感情を抑圧しストレスがたまり過ぎると、どうしても発散が必要になります。

そんな時、自分自身ときちんと向き合い、発散する方法を取り入れられればいいのですが、全く非のない人にぶつけることで感情のバランスを取ろうとしてしまうことがあります。

また、自分を守りたいという心理から、無関係の人に攻撃を向けることもあります。

どちらにせよ「当たられる側」は無実というのがポイントです。

相手の感情の処理を押し付けられている状態ですから、当たられた側が理不尽な思いを抱くことは当然といえるでしょう。

■人に当たる人の特徴

次に、人に当たる人の特徴をご紹介します。

◇(1)冷静に物事を処理できない

自分の想定を超えるような状況に置かれると、冷静でいられずキャパオーバーになり、パニック状態から無関係の人に怒りをまき散らしてしまう人は多いようです。

◇(2)自分の意見を曲げられない

人に当たりやすい人は、人とコミュニケーションを取り、折り合いを付けることが苦手な傾向にあり、あの手この手で自分のやりたいことを押し通そうとするところもあります。

◇(3)人のせいにしやすい

失敗をしたり間違いを起こした時、人のせいにしやすい人は、言い訳がましくなったり、全く関係のない人を引き合いに出して「お前のせいだ」と人に当たりやすくなります。

◇(4)理論武装している

正論や「こうあるべき論」を繰り広げ「だから自分は悪くない」と主張しながら周りを攻撃することで、弱い自分を守ろうとする人もいます。

■人に当たる理由と心理

当たられた側に思い当たる節はなくても、人に当たる人には、その人なりの理由があるものです。

人に当たる人にはどんな心理が隠れているのでしょうか。

◇(1)余裕がない

体調が悪かったり、人に言えない悩みを抱えていたり、時間に追われていたりと、心に余裕がない時に人に当たってしまうことがあります。

この場合は「誰か助けてほしい」というメッセージの表れともいえます。

こういう理由で人に当たってしまったことがある方も多いのではないでしょうか。

◇(2)自分に自信がない

自信がない人は、何か思うことがあっても直接その人に意見を言えないことが多いため、ストレスをためやすく、そのストレスを「当たりやすそうな無関係の人」にぶつけてしまいやすくなります。

◇(3)劣等感が強い

劣等感を抱いている時、私たちは「自分はばかにされている」と感じやすくなります。

その際、無関係な人をばかにすることで自分の価値を保とうとしてしまうことも多いです。

◇(4)弱い自分を守りたい

自分の意見を否定されたり、弱みがバレそうになった時に、大きな声を出したり攻撃的な言動をすることで相手を威嚇する人もいます。

これは「本当は弱い自分」を守りたい心理から周囲に攻撃的になっていると考えられます。

◇(5)自責の念から自分を守りたい

自分の非を認められず、無関係な人のせいにして当たってしまう人は、心の奥では「本当は自分が全て悪いのではないか」と感じていることが多いです。

自分を守りたいがために、失敗やミスを全く関係のない人のせいにしてしまったり、攻撃をしてしまったりすることがあるのです。

◇(6)感情をうまくコントロールできない

自分の感情をうまくコントロールできない状態にあることも多いです。

衝動的に人に当たってしまった後、激しく落ち込んでしまう人もいます。

■八つ当たりされやすい人の特徴

では、次に八つ当たりされやすい人の特徴をご紹介します

◇(1)器が大きい

人に当たる人は、拒絶されることを極度に恐れる傾向があるため、自分を否定しない人を無意識に選んで当たっていることが多いです。

言い換えると、相手の器の大きさに甘えているともいえるでしょう。

◇(2)おびえたような態度を取る

私たちは、自分に対して恐れを抱いている人を見ると、つい攻撃したくなるという心理があります。

当たられるのが怖いからといって、おびえたような態度で相手と接し続けていると、相手の攻撃性をますます刺激してしまうでしょう。

◇(3)共感性が高い

「助けてあげたい」「分かってあげたい」という気持ちが強過ぎると、相手の感情の面倒を必要以上にケアするポジションに立ってしまい、八つ当たりされやすくなることもあります。

優しい人が陥りやすい関係性ですので注意してくださいね。

◇(4)責任感が強い

何事も自分の責任だと感じやすい人は、人から理不尽に当たられても「自分が悪いのではないか」と考えて耐え続けてしまい、八つ当たりされやすくなる傾向にあります。

■「人に当たる」人への対処法

では、「人に当たる」人にうまく対処するにはどうしたらいいでしょうか?

皆さんの状況に合わせて、取り入れられそうなものから取り入れてみてくださいね。

◇(1)その場から去る

八つ当たりされたり、されそうになった時には、いったんその場を離れてみましょう。

お互いに冷静になる時間を設けることで、気持ちが切り替わることも多いです。

◇(2)話を聞き流す

軽く相づちを打ちつつ、話を聞き流すことも効果的です。

「人に当たる」人は、何らかの反応を求めていますから「この人は反応が薄い人だ」と認識すると、矛先が向かなくなることも多いです。

◇(3)思い切って理解者になる

人に当たる人は「きっと自分の気持ちは分かってもらえないだろう」と思っているケースもあります。

相手の感情をただ引き受けるのではなく、敬意を持って「私はあなたを理解したいです」「人として尊敬しています」という気持ちを伝えると、相手はあなたを数少ない理解者だと認め、当たられることが減ってくる可能性もあります。

◇(4)普段から意見を伝える

当たられている時だけでなく、普段から自分の気持ちを言葉にして伝える習慣を付けましょう。

自分の考えをしっかりと持っていることが伝わると、相手は「いくら自分の感情をぶつけても動じない人だ」と感じる可能性が高く、攻撃性が抑えられて八つ当たりされにくくなるでしょう。

◇(5)相談できる味方をつくる

人に当たられると、自分が悪いのではないかと感じやすくなり、精神的に追い詰められてしまうことも多いです。

そのため、自分の状況を分かってくれる味方をつくっておくことも大切です。

■うまく対処して付き合おう

「人に当たる」人も、内心では「もっと周りの人と仲良くなれたらいいのに」と思っていることが多かったりします。

ちょっとコツが必要ではありますが、うまく対処できるようになると、「人に当たる」人ともいい関係を築くことは可能です。

この記事が、あなたが周りの人といい関係性を築くための参考になればうれしいです。

(服部希美)

※画像はイメージです

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