卓球の強さで高校生同士の優劣が決まる世界を舞台に、男子高校生たちの青春や友情を描いたドラマ「FAKE MOTION-卓球の王将-」の続編となる「FAKE MOTION-たったひとつの願い-」(毎週水曜、日本テレビほかで放送中)。

【写真を見る】大阪の面々はあくが強いキャラクターぞろい。織田左之助役を演じるのは荒牧慶彦

シーズン2は、板垣瑞生演じる都立八王子南工業高校の土方歳鬼を中心にストーリーが展開。シーズン1で恵比寿長門学園、通称“エビ高”が東京の頂点に輝き、東京の高校を一つにまとめ上げたその後の物語で、大阪の頂点・天下布武学園が東京に攻め込んできたことで土方は「エビ高連合軍」を結成し、東京の仲間を守るために立ち上がる。

シーズン1から出演し、シーズン2では主演を務める板垣に、本作への思いを語ってもらった。

――土方はシーズン2では物語の中心人物になります。心境や役づくりなど、前作と違う点は多かったですか?

前作の土方は、敬語で静かでクールなカッコいいキャラクターだったんですよ。でも、シーズン2のメインキャストになるなら成長していたいと思ったんです。僕の中ではあのままだと主人公にはなれないから、ヒーローであって、少年漫画の主人公のような土方に成長していないといけないと。そこに向けて変わる最終段階のところからドラマが始まっていたらいいなと思って、プロデューサーさんや監督と話し合って、今回の土方になりました。前回の土方を引き継ぎつつも、熱くて少し荒っぽい口調に変えるなど、変化はあると思います。

――前作の経験があるので、現場もやりやすかったのでは?

実はスタッフさんが「FAKE MOTION」の前作だけではなく、「貴族誕生 PRINCE OF LEGEND」(2019年日本テレビほか)でもご一緒させていただいた方々が多かったので、コミュニケーションはすごく取りやすかったですし、自分の意見を言いやすい環境でした。信頼関係が築かれていて、みんなが意見を言い合って作っていく現場だったので、どれだけ自由なお芝居ができるかというのは楽しみでしたし、実際にすごく楽しかったです。

――卓球のシーンでこだわったポイントは?

土方のギフテッドも出てくるのですが、ビシッとしたいなと思い、ヒーローっぽく見えるように意識していました。土方のギフテッドのポーズも結構考えたので、楽しみにしてもらえたらうれしいですね。

――今回、敵側ながら土方に協力する役どころの明智十兵衛が、土方の“相棒”のような役割かと思います。十兵衛を演じる草川直弥さんの印象を教えてください。

直弥は演技レッスンも一緒にしたこともあって、もともと友達なんです。

十兵衛のオーディションの日、たまたま僕は隣のスタジオで卓球の練習をしていたんですけど、直弥がオーディションに来ると聞いて、急遽、僕もオーディションに立ち会わせてもらったんです(笑)。

オーディションではセリフの掛け合いもやったんですが、直弥が持っているピュアさや、縁の下の力持ちのような裏で人を支える優しさなんかが、十兵衛のキャラクターと合っていると思って、帰りに「一緒にやれたらいいね」って話したりしてました。だから、彼に決まってうれしかったです。

現場に入ったら最初からかましてきたのは驚きました(笑)。十兵衛が土方の胸ぐらをつかむシーンで、僕の胸ぐらをつかんで顔をぐっと近づけてきたり。すごく気合が入っていて、手を離す場面でもなかなか離さないんですよ(笑)。でも、それぐらい本気でやってくれたってこと。誠心誠意、お芝居をしてくれる人だったからこそ、明智十兵衛が直弥で良かったし、一緒にやれて良かったなって改めて思います。

――今回、対決する大阪の面々はあくが強いキャラクターが勢ぞろいしていますね。キャストも荒牧慶彦さん、染谷俊之さん、玉城裕規さん、廣瀬智紀さんなど、舞台を中心に活躍されてきた皆さんで、対決する場面も非常に興味深いです。

現場で荒牧くんが、「静」としてどしっと構えていてくださって。

もともと土方はシーズン1で「静」だったのをシーズン2で「動」に変えた部分もあったので、荒牧くんが「静」だと、土方も好きなように動けるんです。しかも荒牧くんはそれを面白がってくれる方だったので、特に話し合ったわけではないんですが、お互いが持っているお芝居の対決に見えたらいいなと思います。

最後の方のシーンでは、荒牧くんが演じる織田左之助に対して土方は憎しみを持っていたはずなのに、気付いたらリスペクトに変わっていたんですよね。それはお芝居の流れもあると思うんですが、現場で“生”のお芝居が生まれたからこその気持ちだったと思います。

あと、個人的には、廣瀬くんの役が楽しそうだなと思っていました。一番遊べるし楽しそうですよね。廣瀬くんとは仲もいいし、「いいなあ…楽しそうで…」って思ってみていました(笑)。

――では、作中に登場する特殊能力「ギフテッド」について、自分だったらどんな能力が欲しいですか?

熟睡できるギフテッドが欲しいです。普段からアラームの1時間前とかに起きちゃうんですよ。もうちょっと寝たいので、きっちり起きる時間に、すっきり目覚めるというギフテッドが欲しいです。

――最後に、ドラマの見どころを教えてください。

卓球で戦うところや、ギフテッドという能力があるなど、大枠では同じですが、前作の「FAKE MOTION」とは違った味になっていると思います。シーズン1を見た方にとっては、前作に出ていたキャラクターたちがシーズン2でどう変わっているのかも楽しめると思います。

あとは、みんながすごく自由にお芝居をしているので、「FAKE MOTION」というカッコいい世界観の中で、僕たちが本気でやった生もののお芝居を見ていただけるとうれしいです。

取材・文=Rum

「FAKE MOTION-たったひとつの願い-」で主人公の土方歳鬼を演じる板垣瑞生/撮影=玉井美世子