数日前から急に話題になっている音声SNS『Clubhouse』。

(参考:【写真】『Clubhouse』を実際に体験。雑談からためになることまで様々なトークが展開されている

 対応機種はiPhone・iPadとiOSのみ。アカウント名は予約はできるのだが、実際にSNSに入って活動するには、登録済みユーザーからの「招待」が必要(各ユーザー、招待できる人は原則2名まで)と少し敷居が高い。

 筆者は、たまたま知り合いからClubhouseの招待を受けたため、早めに体験することができた。このClubhouseがどんな雰囲気のSNSなのか、お伝えしたい。

 一応、簡単にClubhouseの説明しておこう。Clubhouseは2020年3月に米国のAlpha Explorationがローンチした「会話・音声SNS」だ。SNS……というと、TwitterやFacebookを思い浮かべてしまうかもしれないが、あれらとは少し違う。文字ではなく、リアルタイムでおしゃべりする「声」で交流する場だ。

 アプリを起動すると、現在交流が行われている「room」が表示される。ユーザーはroomに入ってSpeakerたちの「話」を聞くことができる。文字ではなく「声」での「会話」だ。

 他のアプリケーションを使いながら、なんなら、画面を消した状態でもroomの音声を聞くことができるため、何か作業をしながらroomのトークをラジオ番組感覚で聞くこともできる。

 声なので、話した記録は残らないし、話したことに「いいね!」をすることできるわけでもない(一応、ミュートボタン連打で拍手の代わりと言ったローカルなマナー・仕草はあるのだが)。

 そう、Clubhouseは、インターネットを使った井戸端会議のようなものなのだ。

 ただ、インターネットなので、roomはopen(公開)、closed(参加者を限定)、あるいはsocial(フォロワー限定)といった制限をかけることができる。

 openならば、話者以外とつながりがない人もオーディエンス(聴衆者)として、参加してもらうことが可能だ。そう、実際には、聴衆も作れる、世界規模で公開もできるという「井戸端会議」だ。

 まず、Clubhouseに入れるようになって、やってみるのは他の人が作ったopen roomにオーディエンスとして参加し、話を聞く、ということだろう。Clubhouseを起動すると現在参加できるroomの一覧(フォローフォロワーの関係にある人達が関係しているroom)が表示される。

 筆者は、まだほとんど日本語のroomしか体験していないが、筆者のフォローフォロワーの関係にある人達も周りがまだ皆はじめて日が浅いおかげか「初心者向けの操作方法を教えるroom」「Clubhouse 質問ルーム」というようなroomを開いてくれている人がいて、Clubhouseの操作方法などを教えてくれ聞いているだけでも勉強になった。

 その他にも「よく眠るための睡眠方法を語るroom」「携帯電話の新料金プランを語るroom」「カレーライスを語るroom」など趣味の合いそうな人にははまりそうなroomも、その時々で、出現していた(睡眠方法のroomは不眠気味の筆者は興味津々でスピーカーたちの話を聞き入ってしまった)。

roomの予定が組まれると通知が。「ホントにカレーが好きなんだね……」というようなルームなどの予告も来る(そして聞き入ってしまう)。

 現在のClubhouseの日本語話者は、筆者の周りだとスタートアップ企業関係や、新しいもの好きのブロガー、YouTuber、クリエイター、記者などが多いように思う。が、芸能人や若手政治家などの方たちがroomで話しているのも聞いた。(聞いた話では、昨夜「こじはる」さんがroomで話していたそうだ……聞きたかった。)なお、録音は禁止されているので絶対しないこと。Clubroomで話されていることを他で公開することは規約で禁止されている。

 夜などで、賑わっているroomでは、スピーカーは4~9人、オーディエンスはまちまちだが数十人から百人ほどになる場合もある。

 そして、ハマると楽しくなるのが「Start a room」、つまり自分で「room」を作ることだ。

 筆者も昼に、夜にと、「雑談井戸端会議」なんてroomを作ってみたりしている。時々人が入ったり出たり、そして入ったひとをスピーカーに上げたりしてみる。テーマを緩くすると、参加してくださったみなさん、適当にゆるーくお話してくれてよい感じだ。筆者もつい、自分の現在の原稿の執筆状況、某社の携帯電話の料金プランの話や、お勧めスマートフォンの話などなどを話している。
 
 使ってみて思ったのだが、Clubhouseは、しゃべるのが好きな人にとっては、毎日・毎晩のようにroomを開き、話ができてしまう。そのうえ、姿が映らない分、Zoomより話者同士の距離感が近い気がして、つい心を許してしゃべりすぎてしまう気がしてしまう。そして、またroomを開いてしまう。なんというか、ちょっと中毒性が高いサービスじゃないかという気がする。

 残念ながら、筆者は持っている「招待枠」を使い切ってしまったのでできないのだが、もし、周りに使っている人がいたらぜひ招待してもらって、一度はこのSNSを体験してみてほしい。それだけ、ハマる人にはハマるサービスだと思う。(大和哲)

『Clubhouse』キャプチャ