米国などで黒人歴史月間(Black History Month)が始まる2月1日に、リアーナケンタッキー州のダニエル・キャメロン検事総長に対し、2020年3月に同州のルイビルにある自宅で警官隊に射殺されたブリアナ・テイラーの事件について痛烈な皮肉をSNSで放った。

 キャメロン検事総長は2021年2月1日、“黒人男性と女性たちによる、我が州と国家への寄与”を忘れずに祝おうという趣旨のメッセージを動画で投稿し、自身も同州初の黒人司法長官であることに言及した。

 この動画をリアーナは、「Sup nigga? (あんた最近調子どうよ)#JusticeforBreonnaTaylor(ブリアナ・テイラーに正義を)」とだけ添えて引用リツイートしている。

 多くの人にとってキャメロンは、テイラーを射殺した警察官たちを適切に処罰しなかった同州の検事当局の代表者として記憶されている。2020年3月13日、自宅で就寝中だったテイラーは、突然無警告で自宅に突入してきたルイビル警察の警官3名に撃たれ死亡した。同年9月に大陪審により起訴されたのは、ブレット・ハンキソン元刑事のみで、テイラーの殺人とは無関係の、アパートの隣の部屋に銃弾が命中したという危険行為の罪での告発にとどまった。(残り2名、マイルス・コスグローヴとジョシュアジェインズは2021年1月5日に解雇されている)。

 当時もリアーナは、キャメロン検事総長をタグ付けした上で、「@danieljaycameron、あんた空っぽの頭蓋骨にこれを染み込ませてあげるよ」とキャプションをつけ、“警官が黒人女性を撃ったけど、外れた弾のことだけで告訴された”と書かれたプラカードの写真を投稿した。

 地元紙Louisville Courier Journalによると、3名の陪審員が2021年1月22日に、テイラー事件の裁判で特別検察官を務めたキャメロンが、大陪審による調査結果を不正確に伝えて職務を順守せず、大衆の信頼を裏切ったと訴える嘆願書をケンタッキー州下院に提出した。

 テイラーの事件に関しては、ミーガン・ジー・スタリオンも昨年10月に『サタデー・ナイト・ライブ』に出演した際、“黒人女性を守れ”というメッセージを前面に出したパフォーマンス中にキャメロン検事総長を批判し、ビヨンセも6月に彼に宛てた書簡を公開した。また、Cordae(コーデー)とTrae The Truth(トレイ・ザ・トゥルース)は、彼の自宅前で抗議したことで逮捕されている。

リアーナ、黒人歴史月間初日に米ケンタッキー州検事総長に対する痛烈な皮肉を投稿「ブリアナ・テイラーに正義を」