日本郵船は、2021年3月期の配当予想を修正し、前期比および前回予想比で「増配」とする予想を、2021年2月3日の12時に発表した。これにより、日本郵船配当利回り(予想)は4.90%にアップした。これが実現すれば"2期連続増配"を達成することになる。

 日本郵船は、2021年3月期の予想配当を修正し、中間配当(9月・権利確定済み)が「20円」、期末配当(3月)が「110円」、合計の年間配当額は「1株あたり130円」とすると発表した。

 年間配当額の前回予想は「1株あたり50円」だったので、前回予想より「80円」の増配となる。今回の増配発表により、日本郵船の配当利回り(予想)は4.90%にアップした

 また、日本郵船の2020年3月期の配当は「1株あたり40円」だったので、前期比では「90円」の増配となる見込み。
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 日本郵船は今回、配当予想の修正とともに業績予想の修正も発表しており、2021年3月期は前回予想比で「増収・増益」の業績予想となっている。日本郵船は修正後の業績予想を踏まえ、財務状況等と株利益還元を総合的に勘案した結果、今回の「増配」を決定した形だ。

 なお、今回の「増配」は本日12時に開示されたため、日本郵船の株価は後場に急騰し、前日の終値2510円より140円高い2650円(+5.58%)で引けている。さらに、SBI証券の夜間取引(PTS取引)では一時、発表当日(2021年2月3日)の終値2650円より75円高い2725円(+2.83%)を記録しており、明日の株式市場でも注目を集めることになりそうだ。
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日本郵船の過去10期の配当の推移は?

日本郵船(9101)の過去10期の配当の推移
年間配当額 年間配当額
2012/3 40円 2017/3 0円
2013/3 40円 2018/3 30円
2014/3 50円 2019/3 20円
2015/3 70円 2020/3 40円
2016/3 60円 2021/3 130円
(予想)

 日本郵船は2020年3月期に「増配」しているため、2021年3月期の配当予想「1株あたり130円」が予想通りに実施されれば、”2期連続増配”を達成することになる
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 また、日本郵船の配当額の伸び具合にも注目しておきたい。連続増配が始まる直前の2019年3月期から2021年3月期までの2年間で、日本郵船の年間配当額は「1株あたり20円」から「1株あたり130円」まで、6.5倍に急増している。
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 参考として、日本郵船の株価も確認しておこう。日本郵船の株価は、2019年3月の終値1622円から発表当日(2021年2月3日)の終値2650円まで、1.6倍に上昇した水準で推移している。

日本郵船(9101)の株価チャート/月足・10年

日本郵船の配当利回り、配当+株主優待利回りは?

 日本郵船の2021年2月3日時点の株価(終値)は2650円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※日本郵船の配当利回り
株価:2650円
年間配当額:中間20円+期末110円=130円
配当利回り:130円÷2650円×100=4.90%

 日本郵船の配当利回りは4.90%。2021年1月の東証1部の平均利回りは1.92%(配当実施企業のみ)なので、日本郵船の配当利回りは「かなり高め」と言える。
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 また、日本郵船は、保有株式数に応じて「飛鳥クルーズ10%割引優待券」がもらえる株主優待を実施している。

日本郵船株主優待制度の詳細
基準日 保有株式数 株主優待内容
3月末 100株以上 飛鳥クルーズ10%割引優待券3枚
500株以上 飛鳥クルーズ10%割引優待券6枚
1000株以上 飛鳥クルーズ10%割引優待券10枚
詳細 ※優待割引券1枚につき1クルーズ1名、10%の割引が受けられる。
※優待割引券は株主本人以外も利用可。
※他の割引及び早期申込割引等とは重複して利用できない。
※チャータークルーズには利用できない。
郵船クルーズ(株)企画のクルーズについては、クルーズ料金からの割引となる。
※各旅行会社主催のパッケージツアーについては、一部割引対象外のものあり。
また、追加料金については対象外。
※オプショナルツアーについては、すべて割引の対象外。

 日本郵船株主優待は、豪華客船「飛鳥」でのクルーズが10%割引になるというもの。クルーズの種類によって割引額も異なるため、株主優待利回りの算出は不可能だが、飛鳥クルーズに興味を持っている人なら、かなりお得になる可能性が高いので、保有を検討する価値はあるだろう。
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 日本郵船は、海・陸・空にまたがるグローバルな総合物流企業。船舶代理店事業や客船事業、不動産の運営なども手掛けている。2021年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高7.7%減、営業利益47.3%増、経常利益259.7%増、親会社株主に帰属する当期純利益189.1%増となっている(すべて前期比)。
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日本郵船
業種 コード 市場 年間配当額(予想)
海運業 9101 東証1部 130円
株価(終値) 単元株数 最低投資金額 配当利回り(予想)
2650円 100株 26万5000円 4.90%
※株価などのデータは2021年2月3日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。