FIFAクラブ・ワールドカップ(CWC)2020準々決勝、UANLティグレス(メキシコ)vs蔚山現代(韓国)が4日に行われ、2-1で逆転勝利したティグレスが準決勝進出を果たした。
 
新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって延期となっていたCWCだが、カタールでの開催が無事に決定。その記念すべき初戦ではCONCACAFチャンピオンズリーグを制した北中米カリブ海王者のUANLティグレスと、AFCチャンピオンズリーグを制したアジア王者の蔚山現代が対峙した。
 
ティグレスは元フランス代表でエースのジニャックやメキシコ代表のディエゴ・レジェスやアキーノら主力がスタメンに名を連ねた。一方、韓国代表のレジェンドであるホン・ミョンボ監督の初陣となる蔚山ではかつてアビスパ福岡プレーしたウォン・ドゥジェや司令塔ユン・ビッカラムらがスタメンを飾った。
 
ボールの空気圧の問題でキックオフ直後にいきなり数分間の中断と水を差される格好となった一戦は、立ち上がりこそ蔚山が積極的な入りを見せたが、以降は互いに相手の動きをけん制し合う形に。
 
徐々にボールの主導権を握るティグレスに対して蔚山は18分、久々に深い位置まで侵攻した中でキム・ジヒョンがGKグスマンを脅かす、両チームを通じて最初の枠内シュートを放つ。すると、直後の19分にはティグレスが相手CKからのロングカウンターで左サイドからボックス付近まで斜めにボールを運んだジニャックが強烈なミドルシュートでこちらも蔚山ゴールを脅かした。
 
互いに決定機を作り合って試合が動き始める雰囲気を漂わせると、その流れ通りにゴールが生まれる。24分、蔚山の左CKの場面でキッカーのユン・ビッカラムが右足インスウィングで鋭いボールを入れると、中央からニアに走り込んだキャプテンのキム・ギヒが頭で合わせてニアを破った。
 
蔚山の先制後はしばらくバタつく状況が続いたティグレスだったが、30分を過ぎた辺りから再び主導権を取り戻す。36分にはジニャックの強烈な直接FK、直後の37分にはカリオカの右CKをピサーロが頭で合わせて同点ゴールに迫るが、いずれもGKチョ・ヒョヌのビッグセーブに阻まれる。
 
それでも、攻勢を続ける北中米カリブ海王者は38分、カリオカの右CKをニアに飛び込んだディエゴ・レジェスが頭でフリックすると、遅れてファーに飛び込んだジニャックが丁寧な右足ボレーで合わせてようやくゴールをこじ開ける。さらに、前半終了間際の左CKの場面ではジニャックのヘディングが競ったDFキム・ギヒの上げた手に当たる。すると、オンフィールドレビューの結果、ハンドの判定が下されてPKが与えられる。これをジニャックが再び決めて前半アディショナルタイム5分の逆転ゴールとした。
 
前半終了間際の連続ゴールで試合を引っくり返したティグレスはメサに代えてカルロスゴンサレスハーフタイム明けにピッチに送り込み、システムを[4-1-4-1]から[4-4-2]に変更した。
 
一方、前半と同じ布陣で同点を目指す蔚山は58分、最後尾のブルトハイスのロングフィードに反応したユン・ビッカラムがボックス中央でゴールを背にして胸トラップでボールを収めてそのまま鋭い反転シュートでゴールネットを揺らす。だが、このファインゴールは抜け出しの場面でわずかにオフサイドラインを越えておりゴールは認められず。
 
互いに積極的に交代カードを切っていく中、後半半ば以降は蔚山が相手を押し込む時間が長くなるが、割り切って中央を固める相手の堅守をなかなか崩し切れず、フィニッシュの数が増えていかない。
 
その後、完全に逃げ切り態勢に入ったティグレスは蔚山の反撃をきっちり凌ぎ切って試合をこのままクローズ。そして、北中米カリブ海王者がアジア王者を2-1で撃破し、今大会初出場で初勝利を挙げた。
 
なお、準決勝進出を果たしたティグレスは7日にコパ・リベルタ・ドーレスを制した南米王者のパルメイラス(ブラジル)と対戦する。一方、敗れた蔚山は同じく7日に行われる5位決定戦でアル・ドゥハイル(カタール)vsアル・アハリ(エジプト)の敗者と対戦する。

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