2017年3月にリリースしたHANDSIGNの楽曲「僕が君の耳になる」のミュージックビデオが、YouTube再生回数1000万回を突破。この楽曲は、聞こえない女性と聞こえる男性の実話を基にしたラブソング。声が聞こえないことで起こる様々なすれ違いを経験してきた二人が、壁を乗り越えて結ばれるという感動的なストーリーがドラマ仕立てで描かれ話題となっている。リリースからもうすぐ4年が経とうとしているが、1月28日放送の「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ系)で取り上げられ、さらに再生回数を増やしている。

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そこで今回は、歌とダンスと手話という新しい表現方法でメッセージを伝えるHANDSIGNのTATSUとSHINGOと、MVで主演を務めた女優・足立梨花の対談を行い、MVの撮影のことなどを振り返ってもらった。

――MVが公開されてからもうすぐ4年になりますが、今も反響があるというのはすごいですね。

TATSU:僕らのいろんな動画をYouTubeチャンネルにアップしているんですけど、「僕が君の耳になる」のMVだけは数字(再生回数)がどんどん伸びているんです。普通だったら公開した直後に数字が伸びて、その後は止まってしまったりするんですけど、この曲はこの1年、3年目が一番数字が伸びているんです。

足立:それ、本当にすごいですね!

TATSU:口コミで広がっているというのと、足立さんのSNSのおかげです。

足立:いやいや、私、そんなに影響力ないですから(笑)。

――そもそも足立さんがこのMVに出演したきっかけは?

TATSU:2016年の秋頃にauのウェブCMに足立さんが出演されていて、手話を使っていたんです。それを見て、「足立さんって手話をやられるんだ」って。同じ時期に、足立さんが出られてるドラマを見ていて、「足立梨花さん、いいっすよ!」って盛り上がっていて(笑)。

足立:あ、石原さとみさんが主演の「地味スゴ」(連続ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」)ですね。

TASTU:そうです。それでぜひ足立さんに出ていただきたいなって。

――足立さんは舞台でも手話を使う役を演じられていましたよね?

足立:はい、手話のお仕事を何度かしているんですが、その間、2〜3年空いていたりするので、特技と言えるほど覚えていたわけではなかったので、ありがたいなという気持ちがありつつも、「本当に私でいいのかな?手話に関しては私よりも上手な人がいるんじゃないかな」って思ったりもしました。

TATSU:英語とかの言語と同じで、使ってないと忘れてしまったりしますからね。

足立:そうですよね。舞台で演じた時は本を買って独学で手話を勉強しました。この時は「この会話はこういう手話です」というのを動画で送っていただいたので、それを参考にさせてもらってありがたかったです。でも、もうちょっと自分でも勉強しておこうと思って、最初に買った手話の本を引っ張り出してきて、ちょっと勉強もしました。本で覚えるのって難しいんですよ。イラストの指の形がよく分からなかったり、動きを示した矢印を見ても「どう動かすのが正しいの?」って感じで(笑)。

SHINGO:ホント、難しいです。ちょっと動きとかが違うだけで意味が変わったりもしますから。

TATSU:僕も覚えたての頃、湘南乃風の「純恋歌」を手話ダンスした時に“目を閉じれば幾千の星”っていうところを、手話を教えてくれた方に「“目を閉じればたくさんのクラゲ”になってるよ」って言われたことがあります(笑)。

足立:それは全然違いますね(笑)。難しいけど、このミュージックビデオに出演して手話で演じて良かったなって思うのは、公開された当時から「あのミュージックビデオ、好きです」ってよく言われたんですけど、今でも「いいね」って言ってくれる人が多いんです。それだけ印象に残る作品なんだなって。

TATSU:そういう反応、僕らもうれしいです。僕らの周りでも最初から反響は大きかったです。10年ぶりぐらいに友達から連絡が来たり、「手話を学びたい」って言ってくれる人がたくさんいたり。

足立:私もそうですけど、このミュージックビデオって、見た人が誰かに薦めたくなって、シェアする率が高いなって。

TATSU:足立さんが手話で「ちょうだい」とかしているのを見ると、きっと女の子とかが「真似したい」って思うんですよ、きっと。

足立:このミュージックビデオを見て、普段から私が手話をできる人だと思ってくれている方もいて、そこはちょっと申し訳ない気持ちがあります。「ごめんなさい。単語、単語しか分からないです…」って。それでも、「足立さんと手話で話したいと思いました」って言ってもらえるのはすごくうれしいですし、本当に話せたらいいなって思いました。そのためには私ももっと頑張って手話を覚えないと。

――完成したミュージックビデオを最初に見た時の印象は?

TATSU:もちろんストーリーとかは知ってますし、撮影現場で足立さんの撮影シーンを見れたりしたんですけど、画面を通して完成した作品を見ると、表情とかもよく見えて「足立さんの演技、やっぱりいいなぁ」ってグッと来ましたね。

SHINGO:とにかく、足立さんがオファーを受けてくださったこととか、多忙なみやぞんさんが時間のない中、撮影に来てくださったこととか、めちゃくちゃ撮影が長引いて夜中までかかってご迷惑をかけたりしたんですけど、手作り感もあって、みんなで作りあげたという達成感があったので、完成した作品を見たらいろんなことを思い出して感動しました。大切な作品になったので、「どうか100万回いきますように!」ってお願いして旅立たせました。

TATSU:それが1000万回突破するとは(笑)。

――それだけ反響が大きい作品になったことで、今回の対談も実現して。

足立:ホントですよね。撮影してから4年ぐらい経って取材を受けるというのはすごく不思議な感じです。ドラマとかで、DVDになる時に撮影を振り返ることはありますけど、それでも1年以内ですから。こんなに何年も経って「あの時はこんな気持ちだった」とか振り返って話すのは初めてです。

TATSU:2021年のうちに2000万回再生いきたいですね。

足立:いっちゃいます?

SHINGO:いっちゃいましょう(笑)。

足立:その勢いでいつか1億回再生までいって欲しいです。

――まだまだ再生回数は伸びると思いますが、最後に読者にメッセージをお願いします。

TATSU:さっき足立さんが言ってたことがすごく良かったんですけど、それを言うのはダメですよね。

足立:全然良いですよ。言っちゃってください。

TASTU:いやいや、自分の言葉で伝えますね。“あなたの人生の9分を無駄にしないので、再生を1クリックお願いします”。

足立:おかしいなぁ。完全なコピペですよね(笑)。

TATSU:すいません(笑)。

――SHINGOさんからもお願いします。

SHINGO:はい。本当に“愛って素晴らしいよ”っていう作品になっています。こういう形の愛を初めて知る方もいると思いますが、温かい気持ちになれる作品だと思いますので、ぜひ1クリックを(笑)。

足立:もう言うことがなくなりました(笑)。でも、やっぱり見ていただきたい作品なので、一度再生してみてください。どう思ったかは見た方それぞれ違うと思いますけど、これを見たことが何かを考えるきっかけになったら嬉しいです。(取材・文=田中隆信)

足立梨花×HANDSIGN「僕が君の耳になる」MV (ドラマver.)SP対談/撮影=阿部岳人