様々な理由から日本公開が見送られてしまう傑作、怪作映画を、東京のヒューマントラストシネマ渋谷をメインスクリーンで上映する「未体験ゾーンの映画たち2021」。キワモノのジャンル映画から有名スターが共演する豪華な作品まで42本、今年もバラエティ豊かなラインナップが揃っている。そこで今回は、これは押さえておきたいという注目作をピックアップし、その見どころを紹介していきたい。

【写真を見る】カルト的人気作「シャークネード」シリーズのスタッフ&キャストが手がける『ゾンビ津波』

■大量のゾンビが津波に乗ってやって来る!前代未聞の『ゾンビ津波』

最初に取り上げるのは『ゾンビ津波』(3月26日公開)。「未体験ゾーン」らしい衝撃的な邦題に思わずニヤけてしまうが、原題も『ZOMBIE TIDAL WAVE』なので実は結構忠実だったりする。

本作の舞台は、静かな海に囲まれた美しい孤島。漁師のハンターと仲間たちはいつものように漁をしていると、海から現れたゾンビの襲撃を受けてしまう。なんとか反撃し、逃げ切ったハンターたち。しかし、平和だった島は一瞬にして恐怖に包まれることに。ゾンビが海中に見え隠れするなか、巨大な津波が発生。大量のゾンビが波に乗って押し寄せ、島へ上陸しようと迫ってくるのだった。

本作を手掛けたのは、“サメ×竜巻”というありえない組み合わせを映像化し、カルト作として人気になった「シャークネードシリーズスタッフキャストたち。今回の“ゾンビ×津波”という前代未聞の組み合わせもシリーズ化される可能性があるので、まずはその始まりである本作をチェックしておきたい(?)。

ナチスゾンビ軍団がジェットサメに乗って空を飛ぶ?刺激的な内容の『スカイシャーク

次に紹介する作品もゾンビもの。しかも、ナチス第三帝国によって生みだされた超人ゾンビ軍隊が、空飛ぶサメに跨って飛び回るという、かなりぶっ飛んだ内容だ。その名も『スカイシャーク』(2月19日公開)!

フランクフルト行きの飛行機が飛行中に突如襲撃に遭い、乗員乗客が命を落とす事件が発生。同じころ、北極では失われたはずのナチス第三帝国の巨大な戦艦が発見される。戦艦の中では極秘開発が行われており、遺伝子操作によって超能力を授けられたゾンビ戦士とサメの戦闘機ジェットサメ”が量産されていた。ジェットサメに乗ったゾンビ軍団が世界中を恐怖に陥れるなか、70年前にこの新兵器の開発に携わったリヒター博士と2人の娘が、世界を救うために立ち上がる!

ナチスゾンビ、そしてジェットサメという強烈なトリプルコンボに、胸がいっぱいになりそうな本作。R18+指定というだけあり内容は刺激的で、ゾンビやサメが情け容赦なく血しぶきを飛ばしてくる。113歳のマッドサイエンティスト、最強の美人姉妹など、濃厚すぎるクセ者キャラクターたちにも注目だ!

ジョニー・デップが冷徹でサディスティックな警察官僚を演じる『ウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏』

アクの強い2本から打って変わって、今度はジョニー・デップ出演の重厚な歴史ドラマウェイティング・バーバリアンズ 帝国の黄昏』(公開中)を紹介したい。時は19世紀、アフリカにある帝国に支配された辺境の町に、ある日「蛮族が攻めてくる」という噂が流れる。治安維持のため、中央政府から警察官僚が派遣されるが、それは激しい弾圧と拷問の始まりだった…。

冷徹でサディスティックな警察官僚をデップが演じ、新境地を開拓。さらに、その副官役を『TENET テネット』(20)での爽やか存在感も記憶に新しいロバートパティンソンが務めるほか、穏健な姿勢で警察官僚と対立する地元の民政官役に『ブリッジ・オブ・スパイ』(15)で米アカデミー賞助演男優賞を受賞したマークライランスが扮している。

ノーベル賞受賞作家、J・M・クッツエーが自身の作品「夷狄を待ちながら」を脚色した作品で、『彷徨える河』(15)で第88回アカデミー賞外国語映画賞(現、国際長編映画賞)にノミネートされたシーロ・ゲーラが監督。『キリング・フィールド』(85)や『ミッション』(87)などで知られるオスカー受賞の名カメラマンクリス・メンゲスによる絵画のように美しい映像は必見だ。

■7分間だけのタイムトラベルを描くSFスリラーシンクロニック

最後はタイムトラベルを巡るSFスリラーシンクロニック』(公開中)。ニューオリンズの救急隊員で長年の親友であるスティーブとデニスは、連続して発生している奇妙な事故の現場に到着する。そこでシンクロニックと呼ばれる非合法のドラッグが見つかり、その幻覚作用が事故の原因だと断定される。そんなある日、デニスの長女が突然姿を消してしまい、失踪にシンクロニックが関係していると気づいたスティーブは自ら効果を試すことに。しかし、彼が体験したのは幻覚ではなく、7分間だけ別の時代へ移動するタイムトラベルだった…。

主人公の一人、スティーブを演じるのは「キャプテン・アメリカ」や「アベンジャーズシリーズでのファルコン役でおなじみのアンソニーマッキー。その親友デニス役を「フィフティ・シェイズ」シリーズで支配欲が強くてセクシーイケメン大富豪を好演したジェイミー・ドーナンが務め、本作では家族を愛するやさしい父親という役柄で登場する。

アルカディア(17)が映画ファンの間で話題となったアーロンムーアヘッドジャスティン・ベンソンの俊英コンビが監督を務め、『ブレードランナー 2049』(17)や『キングスマンゴールデンサークル(17)などを手がけ、高度な映像制作の技術を持ち味とするBUFカンパニーがVFEを担当するなど、まさに“未体験”な映像世界が展開される。

今回紹介した作品以外にも、片腕をチェーンソーや斧、ドリルに改造された女性たちが戦う『バーストマシンガール』(公開中)や、巨大洞窟探検に出かけた若者たちが獰猛な人喰いクロコダイルに襲われる『ブラッククローラー』(公開中)、オスカー女優のヘレン・ハントが主演するホラーフロッグ』(3月19日公開)といったタイトルが次々と登場。さらに、『世界残酷物語』(62)などのグァルティエロ・ヤコペッティによる異色ドキュメンタリー映画“残酷”シリーズも上映される。気になる作品があれば、ちょっとした冒険気分でチェックしてみてほしい。

文/平尾嘉浩

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