プレミアリーグ第23節、マンチェスター・ユナイテッドvsエバートンが6日にオールド・トラフォードで行われ、3-3のドローに終わった。

前節、9人のサウサンプトン相手にクラブ史上最多タイの9ゴールを奪って完勝した2位のユナイテッド(勝ち点44)。3ポイント差で首位のマンチェスター・シティが翌日にリバプールとのビッグマッチを控える中、連勝を狙う今節ではセインツ戦からフレッジに代えてポグバを起用した以外、同じメンバーを継続した。

一方、7位のエバートン(勝ち点36)は前節リーズに競り勝ってリーグ3戦ぶりの白星を奪取。ユナイテッド同様に久々の連勝を目指す一戦ではリーズ戦から先発3人を変更。ミナ、シグルドソン、イウォビに代わってキーン、トム・デイビス、ハメス・ロドリゲスが復帰した。

アウェイのエバートンがハメスとトップ下に配した[4-3-1-2]と戦い方に変化を加えたものの、試合は立ち上がりからホームのユナイテッドが主導権を握る。

引いてスペースを消すアウェイチームに対してショートパスを繋いで相手を揺さぶるホームチームは、カバーニの動き出しによって空いたスペース、右サイドのグリーンウッドの個人技による突破を軸に相手ゴールへ迫っていく。22分にはそのグリーンウッドが細かいフェイントからボックス右で際どいシュートを放つが、これは枠の左に外れる。

ようやく決定機までこじつけたユナイテッドは直後の24分、守備のためにたまたま右サイドに流れていたラッシュフォードがフリーになって狙いすましたクロスを供給。ギリギリの高さで中央のDFの頭上を越えたボールをファーに飛び込んだカバーニが難なく頭で合わせた。

エバートン3戦連発となるカバーニのゴールで先制に成功したユナイテッドは相手がそこまで圧力をかけてこないこともあり、危なげなくボールを動かしながら主導権を握り続ける。だが、35分過ぎには右腿を痛めたポグバプレー続行不可能となり、フレッジが緊急投入される。

絶好調のポグバの負傷交代にやや動揺の見えるホームチームは41分、リンデロフの自陣深くでのボールロストからGKデ・ヘアが持ち場を外れた状態でリシャルリソンに際どい反転シュートを許すが、これは枠の右に外れて事なきを得た。

すると、前半終了間際には頼れる絶対的司令塔が悪い流れを払しょくする圧巻のゴールを決める。45分、ボックス手前右でワン=ビサカから短いパスを受けたブルーノ・フェルナンデスが視線と身体の向きを使ったフェイントで完全にクロスを匂わせた中、意表を突く絶妙なシュートをゴール左上隅の完璧なコースに突き刺した。

2点リードで試合を折り返したユナイテッドは、後半もキックオフ直後にカバーニとのパス交換で中央に飛び出したショーがGKオルセンを脅かすシュートを放ちいきなり3点目に迫る。

一方、後半も難しい戦いが予想されたエバートンだが、鮮やかな連続攻撃で一気に試合を振り出しに戻す。

まずは49分、相手陣内左のハーフスペースを持ち上がったトム・デイビスが背後を狙うキャルバート=ルーウィンにスルーパスを通すと、キャルバート=ルーウィンはボックス左まで持ち込んで中の味方へ折り返す。これに反応したGKデ・ヘアのクリアが甘くなると、ゴール前に詰めたドゥクレが冷静に押し込んだ。

続く52分には左サイドを攻め上がったディーニュのクロスが相手に触られてファーに流れたボールを回収したドゥクレがすかさずマイナスに折り返すと、これを受けたハメスが鋭い左足のシュートをゴール右隅に突き刺した。

緩い入りからの連続失点で試合を振り出しに戻されたユナイテッドはここから攻撃のギアを上げて再び相手を押し込んでいく。63分にはカバーニのスルーパスに抜け出したラッシュフォードがボックス左でGKと一対一となるが、ここはオルセンにうまくコースを消されてファインセーブに遭った。

その後はエバートンが再び盛り返し始めて試合は拮抗した展開となるが、ユナイテッドが得意のセットプレーで一歩前に出る。70分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーのショーが左足アウトスウィングの正確なボールをゴール前に入れると、競り勝ったマクトミネイのヘディングシュートがゴール右隅に決まった。

これで再び追う展開になったエバートンはすでに投入したシグルドソンに続きトム・デイビス、ドゥクレに代えてより個での打開が可能なイウォビ、キングを続けてピッチに送り出す。

試合終盤にかけて攻勢を強めるエバートンだが、86分にディーニュが左ポスト直撃の決定的なシュート、直後の88分にもDFマグワイアからボールを奪ったショートカウンターからリシャルリソンに絶好機も決め切ることができない。

そのため、このままユナイテッドの逃げ切り濃厚かに思われたが、ユナイテッドの最後の選手交代が劇的展開を招く結果となった。スールシャール監督は93分、グリーンウッドを下げてDFトゥアンゼベを投入。だが、試合終了間際の95分にトゥアンゼベはやや不用意な形でキングを倒してしまい、ラストプレーでFKを与えてしまう。

すると、GKオルセンまで攻撃参加したこのFKの場面でキッカーのディーニュがゴール前に蹴り込んだボールを競り勝ったキーンがゴール前のスペースに流すと、これを冷静に収めたキャルバート=ルーウィンが体勢を崩しながらも右足で流し込んで土壇場の劇的同点弾とした。

そして、試合はこの直後にタイムアップを迎え、2度のビハインドを追いついたエバートンが敵地で価値ある勝ち点1を持ち帰ることになった。一方、逃げ切り失敗のユナイテッドは痛恨の勝ち点逸となった。

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