九州は、その先に四国がある別府湾や日向灘の海沿いを行く日豊線有明海がのぞめる鹿児島線などで、外側を線路がぐるっと一周、結んでる。

新幹線が通ってない東側、日豊線には、5時間を超える在来線特急がいまもわずかに残ってるってことで、博多から九州を時計回りに一周する旅へ。

特急にちりんシーガイア7号 博多730 → 宮崎1308

博多を730に発つ、特急にちりんシーガイア7号 宮崎空港行き(5007M)783系ハイパーサルーン

博多→宮崎 405.5km(営業キロ)。400km超え・5時間超え。国内在来線特急、最長をマークする列車で日豊線を南下する。

博多から乗って1時間後に旅人たちの共同作業がある。小倉で進行方向が逆転するので、座席を回転させる。

特急 にちりん にちりんシーガイア車内販売グリーン車サービスがないから、博多でいろいろ買い込んでおいて。

行橋で平成筑豊鉄道、豊前松江あたりで周防灘、国東半島の山道、立石峠、別府(951着)温泉のけむりと別府湾、標高200メートル越え・20パーミルの連続勾配が続く宗太郎峠、延岡(1208着)から先の日向灘、宮崎リニア実験線……。

と、見どころいっぱいの特急にちりんシーガイア7号の5時間半。宮崎駅で1時間あるから、昼ごはんやちょっと一杯でも。

特急きりしま13号 宮崎1415 → 鹿児島中央1623

こんどは宮崎を1415に発つ特急きりしま13号 鹿児島中央行き(6013M)783系ハイパーサルーンの2時間。

特急きりしまは、特急にちりんの宮崎以西を分割するイメージで誕生した列車名。車両も783系ハイパーサルーンってことで、にちりんの雰囲気をそのままにさらに西へ。

都城(1505着)で吉都線、隼人(1553着)で肥薩線が分岐する。途中、門石信号場や楠ヶ丘信号場、南霧島信号場と、山間にある信号場に注目してみるのもおもしろい。

姶良(あいら)を過ぎたあたりから、薩摩半島と大隅半島にはさまれ錦江湾鹿児島湾)、桜島がみえてくると、鹿児島中央駅はもうすぐ。

日豊線の大分・宮崎・鹿児島エリアは単線区間が多いから、列車交換の運転停車も見どころ。

鹿児島中央駅からは九州新幹線で一気に博多へ。1時間半ほどで鹿児島から福岡へ、日豊線の長旅余韻が一気に吹き飛んでしまうほど、新幹線はあっという間に博多に戻してしまう。

日が長い季節だったら、夕暮れどきの博多に戻ってこれる。日豊線特急と九州新幹線で九州をぐるっと一周する11時間。ある意味、贅沢。