前髪に白く美しいメッシュが入ったこの女の子は、先天性遺伝子疾患により前髪部分だけに白髪がある。同じ疾患を持つ母親は「私は隠して生きてきたけど、娘には自身の姿を楽しんで欲しい」と明かし、ディズニー映画101匹わんちゃん』でお馴染みの“クルエラ”の姿にお揃いでコスプレし、コンプレックスにならないよう楽しんでいるという。『Bored Panda』などが伝えた。

ブラジルのミナスジェライス州ベロオリゾンテ出身のタリタ・ユーセフさん(Talyta Youssef)は、生まれつき限局性白皮症、別名「まだら症」とも呼ばれる遺伝子疾患を持っている。これは色素生成細胞の欠乏により前頭部の皮膚や髪の毛など一部が白くなってしまうもので、タリタさんだけでなく祖父や叔母、いとこも髪の毛に白いメッシュが入っているという。

そんなタリタさんはオーストラリアに移住して5年が経った40歳の時、妊娠が発覚した。「2018年2月のことでした。まさか40歳で妊娠するとは思っていなかったので驚きましたね。それでも夫と2人で喜びました」とタリタさんは当時を振り返る。

しかし妊娠が発覚した数日後、つわりが悪化し入院することになってしまった。タリタさんは「このつわりは人生の中でも最悪な期間でしたね。想像していたマタニティライフとはかけ離れたものになってしまいました」と明かす。それから2018年の中頃、家族の近くで安心して出産したいと考えたタリタさんはブラジルに一時帰国し同年11月20日、23時間の陣痛を経て帝王切開によりマヤちゃん(Mayah)を出産した。

身長54センチ、体重4.25キロで生まれたマヤちゃんは、タリタさんと同じように白い前髪を持っていた。タリタさんは「分娩室でスタッフ達が『光を持って生まれてきたよ!』『なんておしゃれな子なんだ!』と言っているのが聞こえました。そしてマヤを抱くと、全てが花開いたような晴れやかな気持ちを感じましたね。病院には4日間いましたが、たくさんのスタッフがマヤを一目見ようと病室にやってきましたよ。ちょっと面白かったです」と話している。

まだら症が遺伝性の病気だと認識していたタリタさんは、もちろんマヤちゃんにも発現する可能性を知っていた。タリタさんは「私が子どもだった頃、他の子と違う見た目からいじめを受けていたので、この髪を隠して生活していました」と当初は自分の見た目をネガティブに捉えていたという。

しかし「20代になった時、この髪はユニークで特別なもので、この髪を美しいと思ってくれる人もいると気が付いたんです」と考え方を変えることができたそうだ。

マヤちゃんが生まれ、その姿をカメラマンに撮影してもらいSNSに投稿すると、多くのユーザーから「『101匹わんちゃん』の“クルエラ”みたい」「『X-Men』の“ローグ”そっくり」「『アナ雪』の“アナ”だ!」などのコメントが寄せられたという。

これをきっかけに、マヤちゃんとお揃いの“クルエラ”や“ローグ”のコスプレをすることに決めたタリタさんは「マヤにはこの見た目を楽しんでもらいたいと思ったのです」と明かしており、マヤちゃんと一緒にコスプレを楽しんでいる。

「かつて私に苦痛を与えた白い髪は、マヤが生まれたことによって優しさと愛を運んでくれています。」

そのように語るタリタさんのもとには、同じく特徴的な見た目を持つ人々から隠さずに楽しむ姿勢を見せてくれたことに対して感謝のコメントが寄せられている。

「特別な見た目を持つ人がそれを隠したりするのは悲しいことだと思います。私たちはみんな同じ美しさを持つ必要はないのです。誰でも受け入れる心と愛を持っています。私たちは知識と変革の時代に生きているのです。違いを楽しみましょう。」

画像は『Bored Panda 2021年1月25日付「Mother Encourages Her Two-year-old Who Was Born With A White Streak In Her Hair To Embrace Her Uniqueness」(Image credits: mayahaziz)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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