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ヒューマノイドロボット「ソフィア」が大量生産される動き

 2016年に公開されたソーシャル・ヒューマノイドロボット「ソフィア」は、人間の女性そっくりで豊かに感情を表現することができる。人間の表情を読み取ることもできるし、話をすることもできる、常に進化し続けるロボットだ。

 高性能AIを搭載し、ヒューマノイドロボットの最先端を行くソフィアは、サウジアラビアの市民権まで持っている

 ユネスコと提携し、テレビ番組や国際サミットに参加するなど、知的で良識のある人間と変わらない活躍を見せるソフィアは、人間によって作られた次世代の生命体のようにも思えてくる。

 そして今、人間に寄り添うヒューマノイドロボット、ソフィアを量産する計画が進められているそうだ。この動きはコロナ禍に関連しているという。

【コロナ禍の人間の暮らしを守るため大量生産化】


Sophia the Robot Gives a Glimpse of What's to Come in 2020

 ソフィアは、香港を拠点とする企業ハンソン・ロボティクス社によって開発されたソーシャルヒューマノイドロボットだ。

 ハンソン・ロボティクス社では、コロナ禍を生きる我々人間の生活を守るために、ソフィアを量産する計画が進められているそうだ。

 ハンソン・ロボティクス社の創立者デビッド・ハンソン氏は、メディアの取材に対してこのように発言している。

世界で新型コロナが大流行してしまったせいで、人々の安全を守るためにどんどんと自動化を進める必要が出てきています

ソフィアと弊社のロボットは、とても人間らしくユニークな存在です。今のような人々が孤独や孤立感に直面している状況では、ぴったりな特徴でしょう


 まだ具体的なソフィアの生産数は明かされていないが、ハンソン氏は2021年の上半期までに数千体のヒューマノイドロボットを販売したいと考えている。

ソフィアを普及させることで、人間とロボットの関係性が密接に

 香港理工大学の社会ロボット学者ヨハン・ホールン教授は、コロナ禍は人間とロボットの関係を加速させるかもしれないと述べている。

 「パンデミックはロボットの市場投入を早めさせるのではないでしょうか。それ以外にやりようがないことに人々が気がつきますからね」

 ソフィアの大量生産計画は、まさにそのようなタイミングでの出来事だ

 なおハンソン・ロボティクス社が医療用にリリースを予定するロボットは、「グレース」という名前であるそうだ。その名のとおり、コロナに翻弄されて傷ついた人間を癒すのだろうか。

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 既に市販化されているボストン・ダイナミクス社の四足歩行の犬型ロボット、スポット(Spot)もコロナ禍の中で、遠隔診察のかけ橋になったり、社会的距離を監視するなど、その活躍の場を広げている。

 新型コロナウイルスは多くの災いをもたらしたが、それと同時にロボットやAI技術の普及を推し進めているのかもしれない。

References:thenationalnews/ written by hiroching / edited by parumo

 
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