ラガールを目指す木村早苗を演じる山内瑞葵

 AKB48・山内瑞葵(やまうちみずき)が、4月に東京・Bunkamura シアターコクーンで上演される舞台『フラガール ーdance for smileー』(4月3日~12日)に出演する。

 2006年に公開され、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した『フラガール』の舞台版。福島県いわき市の炭鉱町を舞台に、衰退する炭鉱産業に代わる町おこしとして作られた「常磐ハワイアンセンター」で奮闘するフラガールたちの姿を描く。

 今回、舞台版の再演にあたり、フレッシュなキャストが集まった。

 主演は、舞台では単独初主演となる樋口日奈。フラガールのリーダー・谷川紀美子役を演じる。

 かつて都会のダンサーだったにもかかわらず炭鉱の娘達にフラダンスを指導することになる平山まどか先生役を矢島舞美が務める。

 山内は、紀美子の親友でフラガールを目指す木村早苗役を務める。

 山内は、AKB48のチーム4に所属する16期生。昨年1月にはTDCホールで初のソロコンサートを成功させ、AKB48の57thシングル「失恋、ありがとう」ではシングル表題曲初センターを務めた。

 AKB48に加入する前は、劇団四季ミュージカルライオンキング』(2012年)に出演するなど子役としても活動していた経歴を有する。そんな山内が、本作の“木村早苗”をどう演じるかが期待される。

 ほかフラガールのメンバーとして、ラストアイドルの安田愛里が新たなキャラクターとして登場。炭鉱を支え続ける事が女の生き方と信じ、娘紀美子と対立する母親、谷川千代役は有森也実が務める。

 総合演出には、フジテレビのトレンディドラマの産みの親、河毛俊作、そしてプロデュースと構成演出として、現代エンタテイメント演劇の巨匠岡村俊一が名前を連ねる。

ものがたり

昭和40年福島県いわき市、かつて炭鉱の町として栄えた石炭の町も、石油という新しい燃料の台頭によって斜陽産業と化していた。人員削減のため毎月リストラが発表され、何千人もの労働者のクビがきられていく。そんな状況の中で、町おこしの新事業として常磐ハワイアンセンター建設の話が持ち上がる。常磐の地の温泉を利用して、ハワイの雰囲気を持ったリゾート施設を作ろうというのだ。そしてハワイアンダンスのショーで盛り上げたいという計画だ。もちろん労働者たちは反対の声をあげた。「なにがハワイだ!」この町に生まれ育った早苗(山内瑞葵)は、毎日泥まみれの生活から抜け出すチャンスではないかと考えて友達の紀美子(樋口日奈)を誘ってダンサー募集に応募することを決意する。しかし、集まった女の子達は「裸躍りさせるつもりか?」と、ほとんどの者が消えてゆき、残ったのは、紀美子と早苗の数人だけ、本当にフラダンスのチームなど作れるのか不安になる。そんな田舎町にハワイアンセンターの企画部長は元SKDのダンサー平山まどか矢島舞美)を連れてくる。紀美子たちは、サングラスをかけ田舎者を下に見るまどかに、最初は不信感を持つが、その卓越したダンスの技術とその魅力に、やがて引き込まれていく。炭鉱の組合員の反対運動が激しくなる中で、紀美子は炭鉱で働く母親千代(有森也実)に反対されながらも、家を出てフラガールになることを決意する。

「復興は少女たちの笑顔が作る!」
そんなフラガールたちの奮闘を描いた物語である。