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起こるかどうかわからない未来の不安ばかりを考えてしまう人の対処法

 人は多かれ少なかれ不安を抱えながら生きている。人や物、場所や特定の生き物、病気や死など、不安の対象は様々だが、先の見えない未来に対して不安を抱くこともある。

 未来のことを極度に恐れるクロノフォビア(時間恐怖症)は、これから起きるかもしれないことにすごく不安を感じたり、新たな一歩を踏み出すのを恐れる恐怖症の一種だ。

 予期不安症は、「自分や家族が病気になったり、事故にあったらどうしよう?」とまだ起きていないことをクヨクヨ思い悩み、明るい将来が思い描けない不安障害の一種だ。

 目に見えない恐怖に立ち向かうためには、自分の感情をコントロールする力が必要になる。未来の恐怖を克服するための5つのアドバイスがあるという。

【未来の恐怖とは何か?なぜ人は不安になるのか?】

 未来への不安が少しずつ積み重なっていくと、身体的になんらかの症状があらわれる。日常生活が困難になり、人間関係すら損なう恐れのある本物の恐怖へと発展する可能性がある。

 こうした状態は臨床的に次のふたつにはっきり定義されている。

・時間恐怖症(クロノフォビア)
不安障害から発生した過度な恐怖のこと。恐怖に憑りつかれ、衰弱していくことがある。

・予期不安症(全般性不安障害)
どうなるかわからない将来の出来事に対して神経質になる症状で、精神障害、摂食障害、睡眠障害、筋肉の強張りなどを引き起こす。

将来の不安が怖い

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なぜそれほどの恐怖を感じるのか?

 まずは不安についてしっかりと考えてみよう。その恐怖がなんであるかよりも、なぜ、それほどの恐怖を感じるのかを突き止めるほうが難しい。

 恐怖が発生するシナリオが、過去の体験やトラウマだったり、自意識が低かったり、漠然とした不安や特殊な出来事だったりと、その人によって千差万別だからだ。

 しかし、未知のものに不安を感じることをはっきり認識するのは、必ずしも否定的なこととは限らない。

 こうした不安の回路を、ワクワク感、期待、推進力、情熱、行動、専心へと転化することができれば、あなたが望む未来を思い描くことが可能となるかもしれない。

 未来のことが全てお見通しの人など存在しない。何が起きるかわからないのが未来なのだ。悪いことだって良いことだって起きる。

 では、少しでも未来への不安を軽減したい人のための5つのアドバイスを見ていこう。

不安をコントロールする為のアドバイス

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不安を克服し、コントロールする為の5つのアドバイス

1. 最悪のシナリオを想定する
 明日が怖い、来週が、来年が怖いと思っていないだろうか。わけもなく不安にさいなまれてばかりいると、あなたの生活は崩壊してしまう。起こりうる最悪の事態を可視化してみよう。

 キーワードは、"わけもなく"ということだ。理由がわからないけれど・・・・・なんだか不安にかられるということは誰でも少なからずある。

 これは人間であることの副作用だ。私たちの心は、現実には起こりそうもない最悪の結果を"想起"する習性があるからだ。

 試験に失敗したら? 追試を受けることになるのか? 勉強のやり直しか? また家庭教師を雇わなくてはならないのか? と、どんどん不安が広がっていく。

 最悪の事態を考えるとき、不安に苛まれてばかりいないで、最悪のケースを回避するにはどうすればいいか、先手をとる力を蓄えるようにすることが大事だ。

2. ストレスの逃げ道を作る
 不安を覚えるのは、気分のいいものではない。怒りっぽくなってイライラしたり、眠れなかったりする。そのまま、未来の恐怖にどっぷり浸かってばかりいると、本来の自分がだんだん壊れてしまう。

 創造的で生産的な新しいなにかに着手するよう、あえて自分を仕向けることが大切だ。

 負の思考サイクルを打破するため、外をひとっ走りしてみたり、長年、先延ばしにしていたことに集中してみたり、クローゼットの中の片付けにとりかかったりしてみてはどうだろう?

 特別なことを成し遂げるためにエネルギーを使うのではなく、凝り固まった思考プロセスを不安から引き離し、もっと新鮮な空気が吸えるような場所へと連れ出すのだ。

3. 今現在を見ること
 人間の脳は、まるでジェットコースターのようだ。未知の恐怖に執着してしまうと、ぐるぐる同じ思考を繰り返すばかりで、ほかの道を見つけるのが難しくなってしまう。

 まずやることは、今、目の前にあることをきちんと見ること。

 相手との関係が続かないかもしれないと怖れているとする。今が幸せなら、その相手と一緒に楽しく過ごし、感情の回復力を守るために、今日できることはなんでもすればいい。

4. 前向きなことに集中する
 じっくり考えることは強力な武器になる。負のループリセットボタンのようなテクニックになりえる。

 些細な疑いの芽から大きく広がった恐怖が、とてつもないストレスになって負けそうになることがあるが、そんなときは、心に余裕をもたせ、改めて考え直してみれば、感情の模様替えができる。

 最善の結果が実現したときに、どうなるかをできるだけ思い描く。負けと同じくらい勝つチャンスはあるものだ。

 自分が思い込んでいる考えを見直すことができれば、楽しみや成功の感情が呼び覚まされ、ネガティブな思考プロセスと闘うことができる。

5. 自分が思っているほど自分は弱くない
 疑ったり、心配したり、なんでもないことでパニックになるのはたやすい。だが、これまで体験してきた闘い、競争、障害を乗り越えてきた結果、あなたはここにいるのだ。

 負ける、譲ることもひとつの選択だが、甘んじることなく頑として立ち向かうのなら、たとえ、その結果があなたの望んでいるものにならなかったとしても、反撃する権利がある。

 最後に恐怖を覚えたことはなにか、思い出して欲しい。あなたはそれを切り抜けてきたから今ここにいるはずだ。過去にできたのだからまたできる。

 そして「いつでも誰かに助けを求めて良い」ということを忘れないで欲しい。

 まわりの人たちもあなた同様になんらかの不安を抱いている。世界は緊張にあふれていて、未来に対する不安の渦は広がっている。手を伸ばせば同じ思いを抱えた人がそこにいる。気持ちを共有させお互いに支えあうことで渦から脱出することだって可能となる。

 未来は予測することも、コントロールすることもできない。でも、今日という日は自分が獲得したものであり自分でなんとかすることができる。その中で何をするかが重要なのだ。

不安解消

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どうしても不安から逃れられない場合は、専門の機関に相談を

 どんなに未来への不安を払拭しようとしても、その不安から逃れられないという場合、問題に向き合い、効果的な対処法をしっかり組み立ててくれるプロの医師や臨床心理士、カウンセラーの診断が必要だ。

 将来に極度な不安を感じ、日常生活に支障が出るほどの状態で、それを軽減するために手を尽くしてもダメなときは、しかるべき病院に行き、専門家の助けをかりよう。

References:Uncertainty and Anticipation in Anxiety / healthline / learning-mind/ written by konohazuku / edited by parumo

 
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