香取慎吾が主演する連続ドラマ「アノニマス警視庁“指殺人”対策室~」(毎週月曜夜10:00-10:54、テレビ東京系)の第4話が2月15日に放送された。ネット社会という現代の身近な問題は多くの関心を集めており、本話も開始10分ほどでタイトルがTwitterのトレンド入り。ラストは、主人公・万丞(香取)の過去に関するある事実が明かされ、驚きが広まった。(以下、ネタバレがあります)

【写真を見る】万丞(香取慎吾)と羽鳥(山本耕史)のヒリヒリするシーンも話題に

■SNSの問題を通して映し出される人の心の闇

本作は、インターネットの誹謗中傷問題に焦点を当てたクライムサスペンス。タイトルの「アノニマス」とは、日本語で匿名を意味する言葉で、ネット上の匿名比率が他国と比べて顕著に高い日本の社会問題に切り込む。

キーボードによる殺人=指殺人”に対応するため警視庁に新設された“指殺人対策室”を舞台に、毎話、異なる題材のSNSなどの誹謗中傷に苦しむ人々の事件を解決に導く様子が描かれている。

「匿名の恋人」と題された第4話は、元アイドル・澪(田中美里)の不倫スキャンダル。マッチングアプリで出会った柊(前川泰之)との不倫を報じられ、誹謗中傷を伴う芸能人叩きの標的となってしまった。

やがて「裏K察」という闇サイトに、かつて澪をストーカーしていた柳田(山本浩司)が不倫のタレコミをしたという情報が書き込まれた。すると、ネット上の標的が柳田にシフト。それにより、柳田は働いていた和食店を辞めることになった。

澪の夫・清二(小松和重)が柳田に包丁で切りつけられる事件が起きたことで、指殺人対策室の室長・越谷(勝村政信)は、捜査一課の羽鳥(山本耕史)に協力を求め、捜査一課のメンバーと万丞が柳田を捕まえた。

しかし、切りつけられた事件は清二の自作自演で、不倫のタレコミも清二によるものだった。夫が自分に関心がないと思って不倫に走った澪と、ストーカー事件で頼りなかった自分に愛想をつかされたと思っていた清二の、すれ違う心が生んだ事件だった。

そして、無実だった柳田が釈放を羽鳥に言い渡されたとき、「刑事さん、前科者は一生こうなんでしょうか。償っても、償っても、社会は僕を許してくれないんでしょうか」と問いかけた。

これまでの事件でも描かれてきたが、事件に関係する人のみならず、直接関係ない人々も自分なりの正義感からネットに書き込みをする。今回、「みんな自分が正義だと疑わないからね」と越谷がつぶやいたが、その“正義”は行き過ぎると危険だ。繰り返される問題提起をしっかりと受け取って行かなければならない。

■「あなたにとって正義とはなんですか?」

今回の事件で羽鳥が捜査協力を求められた際に万丞に「何か起きる前に行動しないとな。俺は…見殺しにはしない」と言ったことが気になっていた咲良(関水渚)は、越谷に万丞の元相棒である倉木(シム・ウンギョン)について聞いた。

2年前、倉木はある殺人事件の捜査で逮捕された被疑者とは別に真犯人がいるとの情報を得て、単身で容疑者の男を深追いしてしまった。だが、撃ち合いとなり、男は死亡し、真相は分からなくなってしまったのだった。

前回明かされたその場面の映像で、倉木は息を引き取ったかのように思われたが、今回のラストで万丞が出かけた先で映し出された車いすにのった女性が倉木だった。「今日は冷えるな、倉木」と万丞が話しかけても、記憶をなくしているのだろうか、倉木は無表情のまま。この倉木が生きていたことは視聴者にも大きな驚きとなった。振り返れば、羽鳥が「見殺し」という言葉を使ってはいたが、亡くなったと断定はされていなかった。このように、ほかにも伏線が巧妙に仕掛けられているのかもしれない。

冒頭では、前回のラストで謎の男(田中要次)から手紙を渡された万丞が、そこに書かれていたメールアドレスに「情報がほしい」とメッセージを送ると、「あなたにとって正義とはなんですか?」という返信があった。

ネット社会での正義、そして万丞に問い掛けられた正義。過去が明らかになっていく一方で、謎が深まっているようにも感じられる。

倉木のことを聞いた咲良が「万丞さん“も”救えなかったんだ…」とつぶやいたのも気になるところだ。

2月22日(月)放送 第5話あらすじ

指対室に、大人気動画配信者さわてぃ(橋本淳)から依頼が。SNSでの誹謗中傷が1カ月前に突然増加し、ついに「死んで詫びろ」という脅迫が届き怖くなったという。

その脅迫行為が晒されて大バッシングを浴びることになった星野秀一(萩原利久)は、現実世界はもちろん、ネットの世界でも居場所を失ってしまう。しかし、星野を知る司書の山名栞(鞘師里保)は星野のことをいい人だと言う。さわてぃも何かを隠しているようだった。

万丞と咲良は、星野の説得を試みるが、最後の望みの綱も断たれた星野は最悪の選択をとることに。

第4話ラストで万丞(香取慎吾)が向かった先は…/(C)「アノニマス」製作委員会