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廃棄プラスチックを強固なレンガに再利用

廃棄プラスチックを強固なレンガに再利用 credit:gjenge_makers/Instagram

 近年、プラスチック製品を削減する動きが加速しており、世界各国では様々な取り組みが導入されている。とは言え便利なプラスチック製品を完全になくすことは難しく、多くの廃棄プラスチックが生み出されているのも事実だ。

 だが再利用する道は残されている。ケニアの女性は、廃棄されたプラスチックをコンクリートよりも強固なレンガリサイクルする技術を開発した。『designboom』などが伝えている。

【プラスチックをコンクリートより強力なレンガに】


Plastic bricks in Kenya - NZAMBI MATEE - Young Champion of the Earth 2020 for Africa

 ケニアのナイロビに住むンザンビ・マティーさんは、大学で材料科学を専攻し、その後ケニアの石油産業でエンジニアとして働いていた。

 しかし、2017年に仕事を辞め、『Gjenge Makers Ltd』というスタートアップ企業を設立。廃棄されたプラスチックを敷石に変えるプロトタイプ機械の開発に続いて、プラスチックと砂を組み合わせた舗装材の作成とそのテストを開始した。

 包装工場からの廃棄物を無料で入手したり、他のリサイクル業者から購入したプラスチック廃棄物を、コンクリートよりも強固なレンガリサイクルしたのだ。


 どのプラスチックがより良く結合するかを複数の実験を通して調査したマティーさんは、品質の良さに加えて低コストで高く評価される1500個のプラスチック舗装材を生産。これらの建設資材を、今後も大量生産していくことができる持続可能性を目指しているという。

国連の環境プログラムでもお墨付き

 マティーさんは、2017年に企業を創設して以来、世界中でもその働きを認められている環境先駆者の1人だ。

 2020年12月には、国連環境プログラムの「地球大賞」を受賞した7人のうちの1人となり、その功績が大きく称賛された。


 国連環境プログラムの工業生産技術専門家は、このように述べている。
建設部門における彼女の開発は、製品が一度使用されると廃棄されるという「線形経済」から、製品と材料がシステム内で可能な限り長続きするという「循環経済」への変化を浮き彫りにしています。

彼女は、差し迫った世界の環境問題への取り組みに多くの若者を惹きつけることを目的としている国連環境計画の主要な主導者の1人です。



 Gjenge Makers Ltdは、これまで既に20トン以上のプラスチック廃棄物を、赤や青、緑、茶色など様々な色の舗装レンガリサイクルすることに成功しており、通常のコンクリートの2倍の強度を保持できることも判明しているという。

 なお、マティーさんの活動の様子は、インスタグラム『gjenge_makers』からも閲覧できる。

written by Scarlet / edited by parumo

 
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廃棄プラスチックをコンクリートよりも強固なレンガにリサイクルする試み(ケニア)