南アフリカ在住の女性が、「キリンの心臓がどのくらい大きいかずっと不思議に思っていたの。夫からのバレンタイン・プレゼントに大興奮よ」と言葉を添えてSNSに投稿した写真が物議を醸している。女性は写真を撮影する直前にトロフィーハンティングでキリンを射殺しており、仕留めたキリンの心臓を抱えて微笑んでいるのだった。『Mirror』『Metro』などが伝えている。

南アフリカ北東部リンポポ州で柑橘類を栽培して生計を立てているメレライズ・ヴァン・デル・メルヴェさん(Merelize Van Der Merwe、32)が今月14日、トロフィーハンティングを行い、17歳キリンを撃ち殺した。

トロフィーハンティングとは娯楽のために狩猟をして剥製や毛皮をトロフィー戦利品)として持ち帰るもので、メレライズさんは夫からバレンタインのプレゼントとして狩猟に参加。首を狙って倒れたキリンにメレライズさんが歩いて近づき、至近距離からとどめの一発を撃ち込む様子を捉えた動画やキリンの前でポーズを取った写真などをFacebookに投稿したのだった。

しかしながらメレライズさんの投稿には動物愛護家らが黙っておらず、Facebookは大炎上。SNSには1万5000人を目標に「ライオンを殺したメレライズ・ヴァン・デル・メルヴェのFacebookの使用を禁止させよう」という請願書が作られ、日本時間24日の時点で1万人超の署名が集まっている。

これに対し、メレライズさんは「夫はトロフィーハンティングに約22万円(1500ポンド)を支払ったのよ。私のハンティングのためにあの日、11人が仕事を得て、地元の人はたくさんの肉を手に入れたわ。町は潤うし、そのお金で野生動物の保護活動もできるし、トロフィーハンティングは持続可能なのよ。それにキリンの皮はラグとして活用するつもりよ」と正当性を主張し、次のように語った。

動物愛護家に敬意を払うことなんてできないわ。だって彼らはマフィアと一緒だもの。」

「私が仕留めたのは年老いたオスのキリンよ。動物愛護家たちはトロフィーハンティングは悪だと決めつけるけど、年老いたオスを生かしておくのはよくないわ。だって群れには若くて強い遺伝子が必要だもの。トロフィーハンティングは動物を守り、絶滅を防いでいるのよ。」

「私はあの日を5年も待ち続けていたの。『年老いたオスのキリンを見かけた』という連絡を受けてからバレンタインまでの2週間は、まるで子供のように浮かれていたわ。だから仕留めた時はとても感情的になっていた。夫は私の夢を知っていて、別の旅行の予定を変更してくれたのよ。」

なお5歳でハンティングを始め、これまでにライオンやゾウを含む500頭を射殺してきたメレライズさんのこの主張に、イギリスで野生動物の保護活動を行う「ボーン・フリー財団」のマーク・ジョーンズ氏は次のように反論した。

トロフィーハンティングが野生動物の保護をしているなんてあり得ない。娯楽のために射殺される動物たちのほとんどは人間によって飼育されたものだし、懐が潤っているのは一部のビジネスマンだけだ。」

また「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のエリッサ・アレン氏は「生きているものを殺し、心臓を抉り出し、それを自慢するなんてソシオパス(反社会性パーソナリティ障害)を持っているのと同じだ。いつの日か、トロフィーハンティングは精神的障がいを示す兆候の一つとしてリストアップされるだろう」と述べ、メレライズさんをはじめとするトロフィーハンターを猛烈に批判した。

ちなみに2019年には、トロフィーハンティングで殺した動物のすぐ後ろでキスをする夫妻の写真がSNSで拡散した。夫妻は「飼育された動物を殺して何が悪い」などと反論していたが、写真は後に削除された。

画像は『Merelize van der Merwe 2021年2月13日付Facebook「What is a trophy hunter, someone who waits years for the right animal, I set out in 2016 on a quest to hunt a big black giraffe bull but none was what I was looking for.」、2021年2月14日付Facebook「Ever wondered how big a giraffe’s heart is?」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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