視覚障害を持つ女性が突然、2匹のアメリカン・ブルドッグに襲われた。一緒にいた盲導犬が女性から2匹を追い払おうとすると、1匹が盲導犬に襲いかかったという。盲導犬は首やわき腹にケガをしたものの命に別状はなかった。2匹の犬に首輪やリードは装着されていなかったといい、警察は「公共の場に犬を連れていく時には目を離さないで」と注意を呼びかけている。『Liverpool Echo』などが伝えた。

英マージーサイド州ダブコートで今月19日午後6時半頃、視覚障害を持つキャシー・ワシントンさん(Kathy Worthington、48)はパートナーの男性と共に盲導犬で黒のラブラドール・レトリバー“キンバ(Kimba、5)”を連れて近所のスーパーマーケット「Tesco」を訪れていた。

買い物を終えて店を出たキャシーさん達だったが、パートナーの男性が買い忘れをしたことに気付き、彼だけが店に戻った。キャシーさんとキンバが先に店の外を歩いていると突然、2匹のアメリカン・ブルドッグがキャシーさんに襲いかかったという。

これに気付いたパートナーの男性は急いで店から出て、2匹をキャシーさんから引き離そうとした。周囲にいた人も近くにあった棒を掴んで加勢したという。

襲いかかった2匹の犬の性別は明かされていないが、アメリカン・ブルドッグはオスで平均体重34~45キロほどにもなり、筋肉質な体型でも知られている。そんな大きな犬に襲われたキャシーさんは、当時の状況を次のように明かした。

「私は目が見えないので、目の前で何が起きているのか分からなかったの。パートナーの『キャシー! 犬に気を付けろ!』と叫ぶ声が聞こえると、2匹の大きな犬がのしかかってきたんです。パートナーが引き離そうとしてくれているのは分かったわ。キンバも懸命に2匹を追い払おうとしてくれましたが、1匹がキンバにも襲いかかったのです。」

「キンバの『キャンキャン』という叫び声が聞こえ、身の毛がよだつほどの恐ろしい出来事でした。周囲の人の『2匹の犬は盲導犬を殺そうとしているぞ!』という大きな声も聞こえました。恐らく数分の出来事でしたが、とても長い時間のように感じましたね。私はヒステリックな状態になってしまい、ショックでその場に倒れてしまいました。」

パートナーの男性がようやく2匹の犬を引きはがすと、キンバはすぐに動物病院へ運ばれた。首やわき腹にケガをしていたが重傷ではなく、痛み止めの注射を打ち治療を終えたという。キャシーさんにも大きなケガは無かった。

キャシーさんは「キンバは大ケガではありませんでしたが、その週末はソワソワとしていましたね。キンバと散歩に行くのは気晴らしになっていたのですが、まだ心の準備ができず、しばらくは行けそうにもありません」と肩を落とした。

目撃者によると、2匹のアメリカン・ブルドッグには首輪やリードが付いておらず、近くに飼い主もいなかったという。騒ぎの後に飼い主が現れ、警察に対して協力的な姿勢を見せたそうだ。

マージーサイド警察のジェニーベックさん(Jennie Beck)は「飼い主と犬、双方の安全のために細心の注意を払うよう再度、飼い主らに注意を促したいです。今回の事件は深刻なケガを引き起こす可能性もあり、容認しがたい出来事です。公共の場に犬を連れていく時は、愛犬から目を離さないでください」とコメントしている。

画像は『Metro 2021年2月23日付「Blind woman collapses in street as bulldogs maul her guide dog」(Picture: Liverpool Echo)』『American Kennel Club 「American Bulldog」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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