東急電鉄は「踏切障害物検知装置」の設置を進めていますが、2021年7月時点で、世田谷線こどもの国線を除く全踏切への設置が完了すると発表しました。

踏切障害物検知装置は踏切で立ち往生する自動車などをセンサーで検知し、接近する列車の運転士に異常を知らせる装置です。

3D式障害物検知装置

踏切全体を検知範囲とする3D式が全路線計93箇所(2013年度より導入を開始)、レーザー式が40箇所。135箇所の踏切に対し133箇所設置済みで、未設置の踏切は東横線大井町線に1箇所ずつ。同社は更なる安全策として、引き続き3D式障害物検知装置の設置100%に向けて取り組みを進めるとしています。

踏切障害物検知装置設置数(世田谷線こどもの国線を除く)

東急電鉄ではこれまでも「全駅のバリアフリールート整備100%達成」「世田谷線こどもの国線を除く大手民鉄初のホームドア・センサー付固定式ホーム柵の設置100%」「同社保有車両への車内防犯カメラの設置100%(2020年7月時点で達成、1247両)」などに取り組み、ホーム・車内・踏切の安全対策を推進。

国土交通省鉄道局が発表した「鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和元年度)」においては、東急線の「列車走行キロ当たりの運転事故件数」がJR7社および大手民鉄16社の中で最少となり、同社が原因となる「30分以上の遅延の原因となる輸送障害件数」では唯一の0件となりました。

鉄道事業運転事故件数および輸送障害数

ホームへの転落事故件数も、ホームドア設置100%を達成した2019年度が10件、2020年度は1月末時点で5件と前年度を下回っており、安全への各種取組が成果をあげていることが伺えます。

ホームドア等設置駅数とホーム転落件数

東急の誇るもう一つの100%

渋谷駅道玄坂改札口付近 女性用トイレ

安心・安全は鉄道車両ホームドアだけに求められるものではありません。

東急電鉄は2021年2月、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための取組として、東急線内駅構内のトイレ洗面器 非接触・自動水洗化100%を達成しました。個室内のシートクリーナーも全ての駅に設置済みです。

※構内トイレがない駅は除く。多機能トイレ内の補助的手洗器・オストメイトは一部手動水栓。

同社は「今後も、お客さま用洗面設備のアルコール除菌の強化など、設備・サービスの両面からさらなる衛生強化策を推進していきます」としています。その他の新型コロナウイルス感染症拡大防止の取組みとしては、所属全車両に窓開け目安のシールを貼り付けるなどして換気への協力を呼びかけています。

鉄道チャンネル編集部
(※画像:東急電鉄