NHK職員による暴行が話題だが「またか」の印象も! タクシードライバーが「恐れる」乗客とは

タクシー乗務員への暴行はたびたび起きている

 報道によると、2月15日未明に東京都新宿区内の路上において、NHK日本放送協会)職員がタクシー乗務員に暴行しケガを負わせ、警察に傷害の疑いで警視庁に逮捕されたとのこと。筆者は乗客として当該NHK職員がタクシーに乗車していて、何らかの理由で乗務員とトラブルになり暴行に及んだのかと思っていたら、さらに深堀した報道によると、当該NHK職員が車道を歩いていたので、当該乗務員が注意したところ暴行に及んだとのこと。なお、暴行当時は酒に酔っており、当該NHK職員は「酔っていてよく覚えていない」とのことでもあった。

 NHKといえば、過去には国民的アナウンサータクシー車内で乗務員に暴行するということもあった。タクシーの車内というのは不思議な空間でもあり、初めて出会う乗務員に乗客が人生相談をしたりするなど“ほのぼの”としたことがある一方で、時には人間の本性がむき出しになることがある。世の中で“エリート”などとも呼ばれる、大手企業などに勤める社会的ステイタスの高いひとが、“酔った勢い”とよく表現されるが、タクシー乗務員に対し暴言を吐いたり、乗務員に暴行を加えることが目立つというのは、タクシー業界ではよくある話。

乗客によるタクシードライバーへの暴行事情

 心の底ではタクシー乗務員を日ごろから見下していて、酔った勢いでそれが本音として実際の行動に出てくるのだろうが、それならば単なる暴行よりも、“ひととして”許されない行為である。当該NHK職員がどのような背景があって、今回暴行事件に及んだかは定かではないが、筆者は公共放送で、しかも報道現場で働くような“社会的立場のあるひと”がタクシー乗務員へ暴行をはたらくといったニュースを聞いたり、見たりすると、つい“またか”と思ってしまうのである。

若い乗客を恐れるドライバーも

 酔った勢いでトラブルになるケースが圧倒的に多く、そのような場合はたいてい翌朝に加害者の親族が暴行を受けた乗務員の所属する営業所にお詫びにくる(もみ消しにくる)とのことだが、タクシー事業者の多くは、社会的ステイタスの高いひとが乗務員を見下して暴行に及んだりすることは到底許容できないとして、刑事告訴を行い、どんなことがあっても取り下げは行なわないとしているところも多いと聞いたことがある。

 あるタクシー乗務員経験者は、「私は若い女性が苦手でした。昼間に狭い道路を安全速度で走っていると、見た感じはどこにでもいる清楚な若い女性だったのですが、『おっせーなー、もっと速くいけよ』と言ったあと舌打ちされました。これと似たようなケースは結構ありましたね。もちろん相手もそのような態度を取っても大丈夫だと思う乗務員かは見ていたようですけどね」とのことであった。

乗客によるタクシードライバーへの暴行事情

 また、最近結構多く聞くのは“いまどきの若者”に対する不満である。「いくら乗客でも、あそこまで横柄な態度をとられるいわれはない」とか、いまどきの若者は前述した世間的には“成功したひと”や、“ステイタスの高いひと”が酔った勢いで本音を出してしまうというパターンに近い態度をとるようである。マスクもしないで平気で乗り込もうとしてきたりもするので、新型コロナウイルス感染予防の観点からも、若者がよく乗ってきそうな場所は“回送表示”して素通りすることもあるとも聞いたことがある。

 タクシーという業種は、公共交通の一翼を担っている。ニューヨークでは医療従事者と同じタイミングで、新型コロナウイルスワクチン接種が優先されるほどであり、いわゆるエッセシャルワーカーのひとりでもある。「感謝して乗れ!」とまではいわないが、いわれのない偏見を持ち、時にそれをタクシー乗務員に言動や行動で示すことだけはくれぐれもやめていただきたい。

NHK職員による暴行が話題だが「またか」の印象も! タクシードライバーが「恐れる」乗客とは