コロナ禍で急増しているのが「荷物転送バイト詐欺」です。過去にも一度、2016年ごろに被害者が急増しましたが、警察による取り締まりが厳しくなったことで被害は下火になっていました。ところが新型コロナの流行が拡大したことで、東京都内でまた被害が増え始めています。どんな手口なのでしょうか。

 SNS上で「自宅で楽に稼ぎませんか」という広告を見て応募すると「自宅に届いた荷物を別の住所に転送するだけで、1つの荷物につき3000円の報酬がもらえる」と連絡が来ます。相手は「万が一に備え、荷物を紛失した場合の担保として免許証などの写真をメールしてください」と言葉巧みに誘導します。

 登録が終わると数日後、実際に荷物が自宅に届き、その荷物を開封せずにそのまま指定された住所に転送すると、その日のうちにアルバイト代が入金されてきたといいます。「こんな簡単に稼げるなら…」と、繰り返しアルバイトに参加して1カ月ほどたった頃、自宅に「自分では契約していない携帯電話会社からの郵便」が届きます。「業務提携先の電話会社から営業の広告が届くが無視してください」と言われていたので気にしないまま、いつものように転送すると、その後、身に覚えのない携帯電話の高額な使用料金=15万円の請求書が届いたということです。慌てて男と連絡を取ろうとしても、音信不通になってしまっています。

 これは、アルバイト希望者の免許証のコピーが言葉巧みに詐欺グループに渡っていて、詐欺グループはその免許証のコピーを使って、アルバイト希望者名義で携帯電話を新規契約しています。もちろん、携帯電話は「本人のみが受け取り可能なセキュリティーの高い郵便」で送られますが、アルバイト希望者はそのまま受け取り、それを詐欺グループに転送してしまうのです。本人に携帯電話の荷物を受け取らせるため、1回「転送バイト」を装って油断させているのです。詐欺グループは手に入れた携帯電話オレオレ詐欺などに悪用していて、その通話料だけが契約した名義のアルバイトに応募した人の手元に請求されてしまうのです。しかも携帯電話会社との契約は成立しているとみなされ、請求は有効です。

<被害者でありながら、詐欺の片棒を担ぐ状況>

 転送先をたどれば詐欺グループが探し出せるのではないかと考えがちですが、転送先は詐欺グループのアジトではなく、民間が運営する「私設私書箱」です。しかも「受け子」のような末端の人物に契約させているので、詐欺グループの本体を追うことはできません。

 過去に詐欺で使われた住所や電話番号はインターネットで検索することができることも多いので、事前に確認することで詐欺だと気付けます。

 改めて、荷物転送詐欺にだまされないために大事なポイントをまとめます。まず「簡単に稼げる」という甘い言葉には必ず“裏”があります。結果的に詐欺グループに加担することになります。そして、身元の分からない相手に免許証のコピーなどを渡すことは「成りすまし被害」の原因になります。十分ご注意ください。


コロナ禍で急増 「転送バイト」で高額請求被害が続出