咳払いや咀嚼(そしゃく)音、鼻を鳴らす音やお茶をすする音、鼻歌、タイピングの音など反復的な音に敏感に反応し、不快感や怒りの感情を引き起こしたり、パニックに陥ったりする症状を『ミソフォニア(音恐怖症)』という。
その原因は神経学的なものだと言われているが、極めて強い不安と回避行動に発展することが多い。ほとんどの人が気にならないような音でも、重度になるとそれが苦痛となる。
イギリスのスコットランドに住む女性のケースは深刻だ。他人が呼吸をしている音に耐えられないというのだ。
Can't stand the Sound of Chewing? You Might Have Misophonia | This Morning
ミソフォニアは、特定の音に対する強い嫌悪感もしくは恐怖を抱く症状として、神経学的に説明できる医学的障がいとされている。
ガラスや黒板を爪で引っ掻く音は、ほとんどの人の場合が不快感を覚えることだろう。しかし、ミソフォニアの人の場合は、多くの人が気に留めないような音ですら耐えられない。強い嫌悪感や生理学的反応を引き起こす。
聴覚過敏症候群としても知られるこの症状は、怒りやパニックを引き起こすだけでなく、発汗や筋肉緊張、高心拍数などの「逃避・逃走反応」の症状などが生じたりと、あらゆる種の反応を引き起こす可能性があると言われている。
他人の呼吸音に耐えられないミソフォニアの女性
ミソフォニアは、全ての音によって引き起こされ、何がその原因となるかは人によっても異なる。スコットランド在住のある女性は、イギリスの民放番組『This Morning』で、自分が他人の呼吸に耐えられないミソフォニアであることを明かした。
カレンと名乗るその女性は、番組内で「人が呼吸している音を聞くと、怒りが湧きます。聞こえてくる音が大きければ大きいほど、その怒りが増すのです」と語っている。
カレンさんによると、誰かが故意に自分を苛立たせようとして発した大袈裟な呼吸音はさほど気にならず、他人が自然に呼吸している音に嫌悪を感じるという。
とはいっても、人は呼吸をする必要があるため、どうにもできるものではない。
しかし、かすかな他人の呼吸音に日々悩まされることに苦しんでいるカレンさんは、ある時症状が一層ひどくなり、医師に「耳を聞こえなくしてほしい。そうすれば、もう悩まされずに済むから」と頼んだそうだ。
患者のそのような願いを聞き入れる医師などいるはずもなく、「乗り越える以外に方法はない」と言われてしまったカレンさん。「この症状は、私の人生を台無しにしている。治療できるならなんだってします」と真剣だ。
なお、ミソフォニアの治療においては、最も広く適用される方法として周りの環境に雑音を加える療法というのがあるようだ。この雑音によって、反応を引き起こす音を聞くことが少なくなるため嫌悪や恐怖の反応が減少するという人が多いという。
ちなみに、YouTubeでは様々な音を複数の人に聞いてもらうという実験動画がシェアされている。
Misophonia and the science of horrible sounds
私はあまり音は気にならないほうで、黒板を爪でキーッとかも平気だが、アルミホイル(銀紙)を歯で噛むということを想像するだけで鳥肌が立つ。ていうか音というか行為がダメなのか。じゃあやっぱりあまり気にならないのかもしれない。
みんなはどんな音が耐えられない?
written by Scarlet / edited by parumo
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