指定暴力団住吉会系の暴力団組員らによる特殊詐欺事件について、45人の被害者が、住吉会の組長らに、計約7億1200万円の損害賠償を求めた裁判で、東京地裁は2月26日、使用者責任を認めて、組長らに詐欺の被害額など計約4億6500万円の支払いを命じた。

遅延損害金を含めると、認められた賠償額は約6億3400万円にのぼる。

判決を受けて会見した原告側弁護団によると、特殊詐欺の被害で、指定暴力団組長の責任を認めた判決は全国で6ケース目。

刑事事件化されなかった被害者たち

本件の原告は、住吉会系の暴力団組員らによる特殊詐欺グループによる一連の特殊詐欺事件で、2013年ころ〜2014年ころの間に被害を受けて、刑事事件化されなかった被害者らだ。2017年6月30日に提訴した。

特殊詐欺事件で、刑事事件として立件されていなかった被害者が原告となった訴訟は初めてだという。

慰謝料は認められなかった。また、原告のうち、4人については、証拠の不足を理由に請求が棄却された。

証拠アクセスハードル下げて

この判決に至るまでには、原告・弁護団・警察・検察の連携があった。

刑事事件化されていない被害者に関する記録は、警察・検察の協力を得ながら、法律に基づき開示を求め、入手したという。

「捜査員への証人尋問も実施。協力は非常に大きかった」(弁護団)

本件においては、捜査機関の協力姿勢もあり、証拠を入手できたが、従前から刑事事件の記録にアクセスするハードルは高いと指摘する。

「そもそも、被害者や弁護士は、どんな記録があるのかわからないところからのスタートになる。刑事事件の記録はプライバシー性が高いが、このような事件について、開示がゆるやかになれば、さらに救える被害者が増えるのではないか」(弁護団)

住吉会組長らに4億円超の賠償命令 特殊詐欺で使用者責任 東京地裁