新型コロナウイルスの感染拡大で、世の中が一気に変わったと感じる人は多いと思います。職場に関することでも、テレワークに移行したり、今までは当たり前のように楽しめていた飲み会や会食がタブー視されるようになったり。今回は、このコロナ禍で会社が見せた本性に失望した人と会社を見直したという人に話を聞いてみました。

「在宅勤務はサボるからナシ」と断言した社長

印刷会社に勤務する30代のAさんは、「テレワークが推進されている中、『在宅勤務なんてみんなサボるだろう、ナシだナシ。甘いことを言うな』と朝礼で言い放った社長の姿を見てもうガッカリ」と話します。

在宅勤務は社員の安全を守るため、そして感染を拡大させないためにも大事なことです。それなのに「在宅勤務になったら社員はサボるだろう」という社長の思い込みで、在宅勤務ができないという状況にAさんは失望したと言います。

「サボるなんて思っているのは社長だけ。みんな休憩もゆっくり取れないほど忙しく働いていて、在宅勤務になってもそれは変わらないはず。サボっている暇なんて本当にない。それなのに、社長にとって私たちは在宅勤務になったらサボるような人間に見えているんだと思うと虚しい」と続けます。

「どうしてそんな風に思われるようになってしまったんだろうって、現場の苦労を思うと本当に暗い気持ちになった」とため息をつくAさん。たしかに会社から信頼されていないのだと思うと悲しくなりますよね。

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コロナ感染者に対する会社の行き過ぎた対応に愕然

「もはや度が過ぎていてコロナハラスメント。普通ならこんなセンシティブな情報は本当に必要な人にだけ知らせるにとどめるべきだし、陰性が確認できた後に隔離したりするのはNGなのでは」と憤るのは、人材サービス系企業に勤める30代のBさんです。

「違う部署の人がコロナに感染してしまったようで、その内容がすべて社内に筒抜け。普通ならセンシティブな内容だし、誰が罹患したかを全社員に知らせる必要はないと思う。濃厚接触者の可能性のある人への確認は大事だけど、全社員に話が漏れるなんて会社が信じられない」と話します。

「陰性が確認できて、しかも数週間経っているのに、その人が出社したときには使っていない会議室で仕事をするように伝えたり、一緒に食事するのを避けるように言ったりするのは過剰すぎるのでは…」とBさんは案じていました。

会社の迅速なテレワーク対応に感謝

「うちの会社はすごく迅速にテレワーク移行に向けた対応をしてくれた。私自身妊娠していて、コロナが流行り始めたときすごく不安だったから、テレワークの対応をしてくれてとても安心した」と話すのは、IT企業に勤める30代のCさんです。

「産休明けの今もまだテレワーク体制が続いていて、すごくありがたい。授乳期の子どもの世話があるから、自分自身がコロナにかかったら心配だし…。テレワークでできるだけ家を出なくて済むので本当に助かっている」と話します。

在宅勤務になって人との接触が減れば、その分感染リスクは低くなります。もちろん在宅勤務ができない職種の人も多いのが現実ですが、できる人は在宅勤務をして感染拡大防止に協力したいところです。

Cさんは「まさかコロナ禍で会社に感謝するきっかけができるなんて思ってもいなかった」と話していました。

上司や役員の柔軟で社員思いの態度に感動

「ウチの会社ってすごく社員思いだな、と感動した」と話すのは、やはりIT企業で働く20代のDさんです。

「業界の中では比較的早くテレワークに移行してくれたし、PCR検査も心配ならいつでも受けられる体制にしてくれた。いまの職場は個人情報を扱うから在宅勤務ができないと思われていた部署も多いけれど、そういうところもかなり柔軟な運用にしてくれた」と話します。

「役員も『無理して出社する必要はないから、本当にどうしても、というときだけ出社にしなさい』と言ってくれる。在宅勤務に移行できる職種でも、今もまだ会社の在宅勤務体制が整わないという人もいるけれど、そういう会社じゃなくてよかったと思ってしまう」と続けるDさん。

また、Dさんの上司はテレワークだけでなく時差出勤についても寛容で、「必要最低限の出社に抑えて電車のピーク時は避けて、用事がすんだらすぐに帰りなさいと言ってくれる」のだそう。

テレワーク手当も役員からの進言で出してもらえるようになるなど、非常に柔軟で社員を大切にする態度に感激したというDさん。「こういうときに会社が優しくしてくれると、仕事でちゃんと返していこうと思う」と話していました。

おわりに

コロナ禍への対応の違いで、会社に対して信頼を深めた人もいれば、会社への不信感をつのらせた人もいたようです。こうして話を聞いてみると、社員を信頼してくれるかどうかが一つのポイントのようですね。みなさんの勤め先はどうだったでしょうか?