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ほくろ(色素性母斑)と言われすぐに思い浮かぶのは黒くて丸い斑点だが、インドに住む24歳の男性は身体の約80%が巨大色素性母斑に覆われている。このたびその男性が『Born Different』のインタビューに応じ、幼い頃の心無いいじめや自分に自信を持つようになったきっかけについて語った。

インド南部ケララ州に住むプラブラル・プラサナンさん(Prabhulal Prasannan、24)は、身体の広い範囲に色素性母斑をもって生まれ、これまで対症療法であるアロパシー医学(西洋医学)、インドの伝統的医学であるアーユルヴェーダ、自然療法であるホメオパシー医学などありとあらゆる治療法を試してきた。

それにもかかわらずプラブラルさんの色素性母斑は年を重ねる毎に大きくなり、右の耳は完全に覆われて聴力を失った。現在は身体の約80%が黒い巨大色素性母斑で覆われており、プラブラルさんは「形成外科での切除も考えた。でも医師らは僕の身体の一部で何らかの治療法を試し、それが上手くいったら身体全体に広げる方針でいる」と述べ、治療が非常に難しいことを明かした。

母ビンドゥーさん(Bindhu)によると、家族に同様の症状を持つ者はいないそうで、プラブラルさんについて次のように語った。

「息子は物静かな性格でね。トラブルを起こすこともなく育ったわ。でも成長して自分が人と違うことを認識するようになった時、私にこう聞いてきたの。『他の子がなんでお前だけ違うんだと聞いてくるんだけど、どうして僕は人と違うの?』とね。それからだわ。あの子はいじめられたりすると、私たち家族に相談するようになったのよ。」

一方のプラブラルさんは、家族についてこのように述べている。

「子供の頃はじっと見られたり、仲間外れにされたり、『お前は醜い生き物だ』と言われたりとつらいことが多かった。あの頃の僕はいつも怯えていて、自信がなくて、悲しい思いをしていたんだ。でもそんな自分が殻を破ることができたのは、家族の支えがあったからなんだ。特に母には何でも打ち明けたね。」

「母にある時こう言われたんだ。『この宇宙に住む全ての生き物は神様が創ったもので、生きているのには意味がある。全ての生き物は美しく、それぞれに役割があって重要なんだ』とね。そして父やきょうだいみんなが僕を支えてくれた。僕はそんな家族をもって本当にラッキーだと思うよ。」

プラブラルさんが自分に自信を持つようになったのは、家族の支えのほかSNSの存在が大きかったそうで、「SNSに素のままの自分の写真を多数投稿するようになって、人々の僕に対する見方が変わってきたと思う。今はたくさんの人が僕に対してポジティブな印象を持ってくれているし、SNSを通して友達もできたんだ」と明かす。

なおプラブラルさんのSNSには仲良しの4人組が何度も顔を出しており、そのなかの一人ハリさんはプラブラルさんについてこう語っている。

「彼のことを考えた時、一番先に浮かぶのは『インスパイアしてくれる存在』ってことだね。僕たちはとてもいい関係。ベストフレンドさ。」

現在はマドゥライ・カマラジ大学(Madurai Kamaraj University)で商学の修士号を取るために勉強しているというプラブラルさんは、最後に希望と自信に満ちた表情でこんなメッセージを残している。

「ある人は怖がり、ある人は嫌悪感を抱きながら僕を見る。でも彼らにとって、“美しさ”とは外見でしかない。」

「だからもし目ではなく心でものごとを見ることができるなら、この宇宙の中で美しくないものなんて存在しないんだ。それに本当に大切なのは、その人の行いだよ。」

ちなみにプラブラルさんの動画を見た人からは、次のようなコメントがあがった。

「顔からぶら下がっている部分は手術で切除できないものなのか。」
「悪性化する可能性も含め、助けが必要なのでは?」
「なんとか治療ができることを願っている。」
「自分に自信を持っているあなたは素敵。」
「心が美しい人。」
今の世の中は見かけに左右されすぎている。魂こそ大切。」
「心こそ、本当の愛や美しさを映す鏡。」
「友達や家族が素敵。」
「星の王子様の『大切なものは目に見えない』という言葉を思い出した。」

画像は『Born Different 2021年2月23日付Instagram「“Some people look with curiosity, some feel a little bit of disgust.」』『Born Different 2021年2月23日付Facebook「80% of my skin is covered in moles」』『Prabhulal Prasannan 2020年12月31日付Instagram「“Aghuratha” Models」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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