モノクロの世界から輝きを放つ七色の世界に──
7ORDERの新たな幕開けを表現したライブが配信される。

2019年5月にプロジェクトを始動し、メンバーそれぞれが音楽、演劇、アート、ファッションなど様々なジャンルで活動する、7ORDER。2021年1月に1stアルバム『ONE』をリリースし、同日からスタートした初のワンマンライブツアー7ORDER LIVE TOUR 2021“WE ARE ONE”は、東京と大阪で開催され大成功を収めた。その日本武道館公演の模様が『WE ARE ONE PLUS』として、2月27日(土)から3月7日(日)までデジタル配信される。33台ものカメラを駆使し、あらゆる角度から撮影されたライブ映像にCGなどをプラスした、現時点での7ORDERの魅力がギュギュッと詰め込まれている。
そのライブツアーを振り返りつつ、当時の心境やファンへの想い、そして本作の舞台裏で起きていたハプニングの数々など、裏話もたっぷり語ってもらった。

※見どころという名の“ネタバレ”満載なので、配信映像を観たあとにインタビューを読むことをおススメします。

取材・文 / 近藤明子 写真 / SARU(SARUYA AYUMI

◆気持ちって意外と伝わるものなんだという新しい発見

ーー 終了から約1ヵ月が経ちましたが、あらためてワンマンライブツアー “WE ARE ONE”を振り返ってお話を伺えればと思います。

【 安井謙太郎 】 先日、ツアー終了から2週間が経って「スタッフにも観客の皆様にもひとりのコロナ感染者も出なかった」との報告を受けて、「あぁ、終わったんだな」と、やっと安心することができました。

【 真田佑馬 】 直前に緊急事態宣言が出されて、皆さん不安のなかで会場に来てくださったり、あえて“参加しない”という決断をされた方がいたり……7ORDERの記念すべき初ワンマンライブツアーという以外にも、いろんな意味で忘れられないライブになりました。

【 安井 】 声を出せない状況下で、どうコミュニケーションを取ったらいいのか、お互いの気持ちが伝わるのか、という不安も少なからずありましたが、フタを開けてみれば「楽しんでくれているな」「笑いたいのを我慢しているな」という気持ちって意外と伝わるものなんだなって、新しい発見があったライブでしたね。

ーー 声を出す代わりに座席にはスティックバルーンが用意されていて、手にした瞬間テンションが上がりました(笑)。

【 安井 】 座席数を減らさざるを得なくてチケットが高くなってしまったことが申し訳なくて。「ライブの記念品としても持って帰ってもらえるものを」とスタッフと相談して用意しました。ライブ中、歓声は聞こえないけど、一生懸命にバルーンを叩いて音を出していただいたので、僕らはすごくパワーをもらえました。

【 阿部顕嵐 】 僕は久しぶりに皆さんと同じ場所で“おびる”のが……。

【 一同 】 んんん!?

【 安井 】 ん? 何て言いたかったの?

【 阿部 】 “音”を“浴びる”のが、です(笑)。

【 真田 】 くっついちゃったんだね(笑)。

【 一同 】 (爆笑)

【 阿部 】 久しぶりに皆さんと同じ空間で“音を浴びる”ことができて楽しかったです。「やっぱりライブが好きだ」「もっともっとライブがしたい」って思いましたね。

【 萩谷慧悟 】 以前から顕嵐が「ライブが始まる直前、客電が落ちて会場がザワってなる瞬間がワクワクする」って言ってたけど、久しぶりにその気分を味わって、ここから新たな一歩が始まるんだと、1曲目(「LIFE」)の演奏直前は緊張とワクワクが同時に襲ってきました。

【 森田美勇人 】 たしかに、あの瞬間って心拍数が変わる感じがするよね?

【 萩谷 】 うん。アドレナリンが出る感じがすごくある。ツアーが終わって2週間が経った今でも、ライブ前のあの瞬間が一番記憶に残ってます。

【 森田 】 昨年の夏に初のワンマンライブを予定していたのがコロナで中止になって、でもアルバム発売のタイミングで日本武道館オリックス劇場で開催できることになり、「今度こそ絶対にやり遂げたい!」という強い気持ちで当日を迎えました。会場に足を運んでくださるファンの皆さんも相当の覚悟で臨んでくださったと思うし、逆に、感染を拡大させないため参加しないという勇気ある決断をされた方もいた。そういった多くの方の想いがあったから今回のライブツアーは成功できたと思っています。ライブ中も“幸せな時間を一緒に作ろう”という皆さんの気持ちはステージまでちゃんと届いていたし、感染症対策にもご協力いただけて、僕らは安心してパフォーマンスをすることができました。愛に包まれたハッピーな空間で新たな一歩を踏み出せたことに感謝しかないです。

【 諸星翔希 】 僕、ライブって“特殊な細胞”を使っているなとあらためて感じました。普段は絶対に使わないような“ライブ筋”とか“ライブ細胞”ってあるんだなって(笑)。皆さんから刺激を受けて五感が研ぎ澄まされていく感じがあって、「やっぱり“これ”だよな」って思ったし、そういう特別な空間を皆さんと一緒に作ることができて、エンターテインメントの世界はやっぱり素晴らしいとあらためて実感しましたね。

【 長妻怜央 】 あの会場の雰囲気は僕らだけじゃ完成しなかった。声は出せないけど一生懸命にバルーンを叩いて応援してくださった観客の皆さん、そして感染症対策をしながら大勢のスタッフさんが動いて作ってくださったから、今このステージに僕たちは立てているんだというのを再確認できたのは初心に返った貴重な経験だったし、今まで以上に感謝の気持ちを伝えていかなければと思いました。

◆様々な場面で様々な挑戦をしている

ーー ライブの構成やセットリストなど、特にこだわった点は何でしょう?

【 真田 】 今回のツアーがアルバム発売を記念したものなので、リードトラックである「LIFE」から始まることは、最初からメンバー&スタッフ全員の意見が一致していました。あと、日本武道館は“バンドの聖地”と言われてもいる場所なので、「バンドで演奏する曲から始まりたいよね」みたいな話もしましたね。

【 安井 】 ステージセットに関係する部分だと、照明にもこだわりました。曲が始まって30秒くらいはバックシルエットで僕らの顔が全然見えない時間があるんですけど、それは以前からやってみたかったことのひとつで……編集しながら映像を観たんですけど、やっぱカッコよかったですね~(ニヤリ)。

【 真田 】 自画自賛かーい!(笑)

【 一同 】 (笑)

【 安井 】 最初は派手な明かりで作っていたんですけど、「ここの照明は切ってください」「ここもなしで」ってどんどん削ぎ落として、最終的に白のシルエット照明だけになって。そこには7ORDERを結成したものの、ライブをやるまでに1年以上の時間がかかってしまったという比喩も込められていて。モノクロの衣裳で始まったのもそういうことで……。

【 森田 】 実は、衣裳は逆の順で考えていたんだよね。

【 安井 】 そうそう。最初は途中で着替えカラフルな衣裳から始まるプランだったけど、実際に衣裳を着てリハーサルをしたら、「衣裳も照明もモノクロでスタートして、だんだん色がついていくほうが“始まり”っぽいよね」っていう話になって、あの形になりましたね。

【 諸星 】 僕は、オープニングの映像でゴツい装甲車が出てきて、“どんなヘビメタ・バンドが出てくるの!?”みたいな雰囲気のところで「LIFE」の演奏が始まって、爽やかに僕らが登場するっていうギャップが面白いなって思ってました(笑)。

【 森田 】 「difference(変化、相違点)で伝えたい作品になっている」というイメージを映像スタッフに伝えたら、ちゃんとそういう感じの映像になっていて……僕らのイメージを超えたクオリティに驚いたし、ワクワクしました。

【 真田 】 それと、初めてのチャレンジで、ライブアレンジした曲がありますね。例えば「タイムトラベラー」は歌の割り振りを変えていて、それぞれアルバム収録バージョンとは違うパートを歌っているので、実際に会場で聴いて“あれ?”と思った人もいたんじゃないかな。これも配信で、ぜひチェックしてみてください。

【 安井 】 もうひとつの大きなチャレンジが、ダンスだよね。顕嵐が出演している『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageが縁で、演出家でダンサー、歌手、俳優としても活躍する植木 豪さんと初めてお仕事をさせていただいたんですけど、自分たちからは絶対に出てこないような振付や様々なアイデアに挑戦できたことは、今までにないチャレンジでした。ストリート系で型にはまらない感じが、いかにも豪さんらしいカッコいい振付なんです。

【 森田 】 僕らは“B-BOY系”のカラーは今まで出したことがなかったし、やったことがなかったので、身体に叩き込むまでがキツかったけど。めちゃくちゃ筋肉痛になりましたから(笑)。

【 萩谷 】 最初はステップの違いもわからなくて、「これ、どっちのステップだっけ?」っていうところから始まって(苦笑)。

【 長妻 】 萩ちゃん、“通しおじさん”だったよね(笑)。

【 萩谷 】 そうそう。何度も通して練習して。踊ったあとにドラム叩けるかなっていうくらい毎日ヘトヘトになってた。

【 安井 】 自分たちですべてやる良さもあるけど、自分自身に課題を課すって、結局今までの経験の中から引っ張り出しての再構築になるのが大半で、そこに新しいものをぶち込むっていうのは本当に難しい。なので今回、豪さんに新たな課題をいただけたことが何よりありがたかったし、今後の僕らのパフォーマンスが広がる大事なきっかけにもなりました。

【 長妻 】 僕は、このご時世なので声を出さずにどうやって観客とコミュニケーションを取れるか、そのことを考えていました。「BOW!!」では、いつもコール&レスポンスで声出しをしていたけど、今回は萩ちゃんが「みんなで一緒のリズムを叩いて楽しむ時間を作ろう」って提案してくれたんです。明るくなった会場内で見た皆さんの笑顔が本当に楽しそうで、たとえ声が出せなくてもちゃんと通じ合えるんだっていう“発見”がありました。

ーー 阿部さんは、ステージを走って観客をあおったりしていましたが……。

【 一同 】 !!!!!

【 安井 】 いやいや。顕嵐は全然走ってなかったから! コートをなびかせてゆっくり歩いてましたから(笑)。

【 一同 】 あはは(頷く)

【 阿部 】 俺の分は、モロと謙ちゃんが走ってくれてたから(笑)。

【 諸星 】 何、その余裕?(笑)

【 安井 】 それが顕嵐クオリティー(笑)。

【 阿部 】 お客さんとの距離も近かったし、久しぶりの大きな会場はやっぱり気持ち良かったです。武道館は音が上から降ってくる感じで。それも武道館ならではだったと思うし、お客さんから見下ろされている感じも逆に気持ち良かったですね。

【 諸星 】 謙ちゃんと顕嵐は「大きな会場っていいな」「7ORDERに似合うね」ってずっと言ってたよね(笑)。

【 阿部 】 小さい会場もお客さんを近くに感じられていいんだけど、僕らが演出的にやりたいことができるのは、やっぱり広い会場だと思うんだよね。

【 安井 】 コロナがなかったら、会場のいろんなところに登場したかったなぁ。

【 阿部 】 ワイヤーでヒューンって2階席や3階席に飛んだりとか絶対楽しそう!

ーー 今回の演出だと、炎やスモーク、しゃぼん玉や紙吹雪などの特殊効果が、驚きと共に舞台を何倍にも楽しく彩ってくれていました。

【 安井 】 実は炎って一瞬で周囲の酸素が燃えてしまうので、すぐ近くで歌ったり踊ったりすると酸欠気味になってしまうんです。スタッフさんがそれを心配してくれて「ちょっと減らす?」とか言ってくれたんですけど、「大丈夫です! もっとください」っておねだりしました(笑)。

ーー 真田さんのこだわりは?

【 真田 】 さっきも話しましたけど、1曲目は「LIFE」ってすぐ決まったけど、ライブ本編の終わり方はギリギリまで悩みましたね。

【 萩谷 】 「夢想人」(※読み:ドリーマー)の終わり方は、リハの後半で決まったんだよね。「ひとりずつ抜けていくって良くない?」ってさなぴーが言って、それは初めての感じだなって新鮮だった。

【 真田 】 「夢想人」に限らず、様々な場面で様々な挑戦をしています。

【 萩谷 】 そうだね。バンドにこれだけバリエーションを盛り込んだのも初めてだし。

【 安井 】 ちゃんと迷子にもなったしね(笑)。「解決策がわからん!」って何回も壁にぶつかって、そのたびに話し合って。

【 萩谷 】 演奏したものを録って聴いてを何度も繰り返して。

【 諸星 】 今回、7ORDER史上、一番バンドの部分を固めたし、個別でパート練習もしたね。今まで以上に音楽に向き合ってた!

【 真田 】 実は俺、機材も全部変えて、音にもこだわってたんですよ。気づいてもらえてないとは思うけど、やっぱり音楽をやっている者としては、日本武道館=憧れの聖地なので、失礼のないように、自分たちの最大限のエンターテインメントをつぎ込んで挑みました。

◆大阪では森田と諸星がスベリ倒し、阿部のブレなさと長妻節が炸裂!?

ーー 一方、大阪公演のオリックス劇場では、大阪ならではの演出などもあったんですか?

【 萩谷 】 モロのサックスアドリブ演奏とか?

【 諸星 】 東京では某ゲーム音楽だったんですけど、謙ちゃんに言われて大阪では吉本新喜劇のテーマ曲を吹いたんです。公演当日の朝に練習したけど、結果的に「あれ?」って感じになってしまって(笑)。

【 安井 】 そう! 俺の知らない新喜劇のテーマ曲が始まったからモロを見たら、終わり方がわからなくなって目が泳いでて(笑)。まぁ、それもライブ感があって楽しかったけどね。あと、ライブ開始前の感染症対策の影アナで、(森田)美勇人が思いっきりスベってたよね(笑)。

【 森田 】 東京バージョンが「マスクの中の笑顔、素敵だよ」だったのを、大阪バージョンでは「マスクの中の笑顔、素敵やで」って関西弁で言ったら、ひとつもバルーンが鳴らなくてショックでした。やめておけばよかったと後悔しましたね(苦笑)。

【 諸星 】 顕嵐も大阪では最後の挨拶のあとに「好きやで」って関西弁で言ってたけど、お客さんが“キャー!”ってなるよりも先に、横のナガツ(長妻)が「顕嵐、すげぇ! カッコいい」って反応してたのが、俺は一番面白かった(笑)。

【 阿部 】 お前が一番のファンかよ!(爆笑)

【 安井 】 顕嵐は「BOW!!」を歌ったあとの締めもそんな感じだったよね。俺、モニターで観てたけど、歌い終わったあともカメラ目線でブレないよね?

【 阿部 】 心の迷いを見せてしまった瞬間に負けだから。恥ずかしくなっちゃうから(笑)。

【 長妻 】 そこに“アラン節”を感じました。

【 安井 】 “ナガツ節”は、「Sabaoflower」を歌う前に炸裂してたね(笑)。

【 長妻 】 あはは! 最初の頃は「皆さん元気ですかー?」「声出せないですけど、盛り上がってくださいね」とか言ってたんだけど、だんだんレパートリーがなくなって、大阪の最終公演では「皆さん、元気があれば何でもできる! 元気ですかー? 猪木の心で頑張りましょうね」になりました(笑)。

【 真田 】 ナガツの世界観についていくのに俺ら必死だったよ(笑)。

【 安井 】 俺たちが引いてると“おい!”って顔してたもんね。「猪木の心で」って言ったあとに目が合って“来いよ”みたいな顔されたから、とりあえず俺はアゴ出しといたけど(苦笑)。

ーー なんと! 大阪バージョンも観たい。残念!

【 安井 】 武道館の最終公演のときだったかな? 「27」の歌の最後で俺とさなぴーとハモるところがあって、タイミングを合わせるために目線を合わせるようにしてたんだけど、そのときはさなぴーが大号泣してて、俺ビックリして、爆笑しちゃったんだよね。自分の大事な人が泣いているときって皆さんいろんな反応をすると思うけど、ここで笑ってしまうのが俺とさなぴーの関係っぽいよなって思ったよ。配信ではその映像が使われると思うので、ぜひお楽しみに(笑)。

ーー 様々なシーンが収められていますが、ものすごい台数のカメラを用意したんですね。

【 森田 】 全部で33台だったかな?

【 長妻 】 あと今回の映像ではCGの“小田ちゃん”が活躍しています。気づかなかったかもしれないけど、会場ではみんなのすれすれのところを“小田ちゃん”が歩いていたんですよ(ニコニコ)。

【 諸星 】 小田ちゃんが3Dになったことにビックリしたけど、俺よりデカかったことにもビックリしたよ(笑)。

ーー 生みの親としては、感無量でしょ?

【 長妻 】 やっぱり嬉しいですね。1年前のファンミーティングでは、まだ小田ちゃんは2Dで顔の周囲を身体が回ることしかできなかったから、会場を飛び回ったり歩いているのを見て感動しました。

【 真田 】 そうだね、ナガツがイラストを描いているところから見てる俺たちも「小田ちゃん、ここまで大きくなって」って感動してます。

【 長妻 】 親戚のおじさんか!(笑)

◆雨に縁がありすぎて、降っても降らなくてもプレッシャー

ーー 新曲「雨が始まりの合図」のエピソードもぜひ聞きたいです。

【 安井 】 あの曲は、僕の誕生日にメンバーがYouTubeの企画で曲をプレゼントしてくれたのが原型で、今回それを完成させようという話になり、担当パートを考えて完成させました。なので新曲ではありますが、YouTubeで観ていた方には“あの曲が生で聴けた”っていう感覚だったと思うし、もうひとつの新曲「夢想人」とはまたちょっと違う位置付けの曲なのかなと思いますね。

ーー 演奏の前には、雨や曲に対する皆さんの想いもそれぞれ語られました。

【 安井 】 僕ら、だいたい何か始める前に雨が降るんです。『UNORDER』の収録の日も朝から土砂降りで、配信がスタートするときには晴れたんですけどね。今回のツアー初日・日本武道館の前日も土砂降りで、でもライブ当日は晴れて……。

【 萩谷 】 “雨に縁がある”と言いつつ、それって毎回プレッシャーだよね(笑)。

【 安井 】 そうそう。降らなかったら降らないで「なんで降らないんだろう?」みたいに言われるし、降ったら降ったで「君たちが降らせたんだろう」みたいに怒られる(苦笑)。でも7ORDERとしてのアイコン(※そのものをイメージさせる象徴的なもの)がひとつ増えたのはいいなって思います。雨がアイコンっていうグループもなかなかいないと思いますけど、ファンの人とも共有しやすいし、面白いなって思いますね。

【 森田 】 たしかに雨が好きな人は少ないのかもしれないけど、“始まりの合図”ですからね。この雨が止んだら七色の虹が出て、ワクワクするような楽しいことが起こるんじゃないかって考えると、素敵な曲だなって思います。

ーー 「夢想人」についてもお話を伺えますか?

【 萩谷 】 さなぴーがストック曲を整理しているときに、たまたま僕が一緒にいたんですけど、流れてきた曲を聴いて「この曲いい。これ、みんなで作ろうよ!」っていうところから始まったんだよね?

【 真田 】 あー、思い出した。たしかに萩ちゃんが隣りにいた。そこからみんなで“あーじゃない、こーじゃない”って話し合いながら歌詞をまとめて。出来上がったときに「題名どうしよう?」ってなったけど、「“ドリーマー”って言ってるから」って。でも、俺の中では“夢を想う人”と書いて“ドリーマー”と読ませると決めてました。

ーー その理由とは?

【 真田 】 寝ているときに夢の境界線があやふやになっていく瞬間ってあるじゃないですか。現実との境界線があやふやになっているけど、追い続けているのは間違いない。それで“夢想人”。日本語はカタカナひらがな、漢字と、表記する言葉の選び方ひとつで印象が大きく変わったり、イメージを広げることもできるので、ちょっと言葉遊びをしたかったんです。

【 安井 】 さなぴーロマンチストだから。

バラバラな個性がひとつになるのが7ORDERの魅力で強み

ーー あらためて、今回の1stライブツアーを経て気づいた、“7ORDERらしさ”“7ORDERの強み”を教えていただけますか?

【 長妻 】 リハーサルを繰り返すだけでは生まれないものが本番にはあるんだっていうのを感じて。リハーサルで全力でやっているつもりでも、どこか、心ここにあらずみたいな感じになってしまうことがあって、「なんでかな?」と思っていたんですね。例えるなら、ひとつのピースが足りてないような……それが、ライブ後に帰宅してベッドに入って、その日のことを思い出していたときに「今日は心置きなく完全燃焼できた。何だったんだろう?」と考えたら、最後の1ピースはファンの皆さんだったと気づいたんです。

【 諸星 】 おー!!  ナガツ、カッコいい

【 真田 】 詩人になってる!

【 森田 】 僕もお客さんがいないと気持ちが入り切らないときがあるから、その気持ちわかる!

【 真田 】 俺はギターをダッシュで変えてステージに戻ったときに、安っさんがフードをパッとかぶると「よっしゃ、本番だ!」ってスイッチが入ってた(笑)。

【 萩谷 】 さなぴーのやる気スイッチは謙ちゃんなの? だから謙ちゃんはいつもフードのついている衣裳なの?

【 安井 】 そういうわけじゃないけど(苦笑)。ただ単にフードが好きなだけ。

ーー 阿部さんが感じた“7ORDERの強み”は何ですか?

【 阿部 】 それぞれに得意分野があることですね。「この人たち、あんなに踊って、歌って、アクロバットしてスゴいな」っていうのは近くで見ててもつねに感じていますし、だからこそ7人が揃ったときにはすごいパワーを出せる。俺は歌って踊ることしかできないけど、ナガツはピアノも弾けてバック宙もできて、萩ちゃんもドラム叩けるし、ダンスでは頭と足が反対になることもめっちゃ多いし。

【 萩谷 】 さすがにドラム叩きながらダンスはしないけどね(苦笑)。

【 阿部 】 あと、ひとつひとつの作品に対して、みんなちゃんとアイデアや自分のやりたいことを持ってくる気持ちが嬉しいですね。貪欲な人が俺は好きだし、だからこそ一緒に夢を追いかけていきたいなって思います。

ーー 今後の7ORDERの目標・夢も聞かせてください。

【 森田 】 メンバーそれぞれいろんな活動をさせていただいてますが、やっぱりライブが僕らの原点で一番やりたいことなんですよね。ライブで皆さんと楽しい時間を共有したいけど、コロナもあってこれからの活動は試行錯誤しながら形を変えていくことになると思います。だからこそ、自分たちの“武器”を生かして活動していけるグループでいたいなと思うんです。さっきもお話したように、まだまだやれることがたくさんあるはず。個々の技術や感性を磨いて、様々に工夫をしながら皆さんに安心していただける環境でライブをやれたらいいなと思いますね。

ーー では、最後に安井さんから、配信を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

【 安井 】 7ORDERとして初のワンマンライブ、メジャーデビューという大切な日を記録した映像を皆さんに観ていただけるのは、僕らにとっても特別なこと。あの日会場で一緒の時間を過ごした方、来られなくて配信を楽しみにしてくださっていた方、すべての方への想いを込めて、僕らはあの日、あのステージに立っていました。ツアータイトルの“WE ARE ONE”は、以前出した写真集のタイトル『WE ARE』とアルバムタイトルの『ONE』をつなげたものですが、ライブをやったことによって、本当の意味で7ORDERと皆さんがひとつになれた気がします。ライブ会場で空席を見たとき、そこ(空席)にも想いはあるし、今度こそ生で7ORDERのライブを観たいと思ってくれる人たち全員をこの場所に連れて来たいと思って、ちょっと興奮したんですよね(笑)。楽しい気持ち、悔しい想い、様々な想いが届いていたあのライブの瞬間を映像に残すことができて、また皆さんと共有できることを、僕らも楽しみにしています。1ヵ月も経ってしまうと記憶や感動がちょっとずつ薄れているかもしれないので、僕らも配信を観て、次のステップに向けて気合いを入れ直して、もっと多くの方たちにたくさんのハッピーを届けるために頑張ります! この映像が皆さんが日々を過ごす糧になれたら嬉しく思います。

[独占ロングインタビュー]7ORDER『WE ARE ONE PLUS』配信記念、1stツアー振り返り座談会。カッコよさも、感動も、笑いも、涙も、すべてを詰め込んだ、彼らの“今”は、WHAT's IN? tokyoへ。
(WHAT's IN? tokyo)

掲載:M-ON! Press