イギリス空軍の地上監視機、センチネル R1が2021年2月26日(現地時間)、3月の退役を前にワディントン空軍基地でラストフライトを実施しました。高性能レーダーを装備し、地上部隊の目として飛び続けたセンチネル R1の任務は、無人機のプロテクターに引き継がれます。

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 センチネル R1は、レイセオンがボンバルディエ(ボンバルディア)のビジネスジェット機グローバル・エクスプレスを母体に、合成開口レーダーや移動目標探知システムなどを搭載した地上監視機(Airborne STand-Off Radar=ASTOR)。上空から戦場の状況を把握し、そのデータを地上の攻撃部隊へ伝えるのが任務です。

 レイセオンに対し、5機の開発が発注されたのは1999年。量産仕様の1号機が2004年5月26日に初飛行し、2007年から試験配備が始まりました。

 初めての実戦参加となったのは、2008年アフガニスタンでのヘリック作戦。一旦はアフガニスタンでの任務が終わり次第、退役させるのが望ましいとされましたが、地上部隊にとって「上空からの目」は作戦遂行に欠かせないものとして見直され、その後も中東地域での作戦に活躍したほか、2014年イングランド南部で発生した洪水でも空から被災状況の把握を担当し、災害でもその能力を発揮しました。

 しかし、長時間連続して飛行可能な無人機の技術が発達し、任務を肩代わりすることができるようになると、有人機であるセンチネル R.1の必然性は薄れてきました。最終的に2015年の戦略防衛・安全保障見直しで、2021年3月での退役が決定されたのです。

 運用する第V(AC=Army Cooperation)飛行隊長、ドミニク・ホランド中佐は「この飛行隊を率いることができ、非常に光栄でした。素晴らしいメンバーが揃う飛行隊ですし、数々の作戦で成果をあげてきました。センチネルに関わるあらゆる人々からの素晴らしい努力とサポートが、これらの成功における要となっていました」とラストフライトを終えてコメントしています。

 センチネル R1は第V(AC)飛行隊で計4870回、約3万2300飛行時間という実績を重ねてきました。後継となる無人機プロテクター RG1(MQ-9Bスカイガーディアン)は、2021年7月にワディントン空軍基地に到着し、試験運用が始まる予定です。

<出典・引用>
イギリス空軍 ニュースリリース
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(咲村珠樹)

イギリス空軍センチネル R1地上監視機がラストフライト 14年の歴史に幕