首都圏における2度目の緊急事態宣言が発出されて約2か月、解除も目前と考えられているタイミングで、東京都が都立公園の駐車場を一斉に閉鎖しました。1度目の緊急事態宣言中も閉鎖されましたが、なぜ、いまなのでしょうか。

緊急事態宣言「ラスト一週間余り」でなぜ?

2021年2月27日(土)より、東京都新型コロナウイルス感染拡大の観点から、すべての都立公園の駐車場や運動場などを閉鎖しました。インターネット上では、この措置に「行ったら閉鎖されていて困った」「なぜいま?」といった声が見られます。

2020年春に、国から最初の緊急事態宣言が発出された際にも、都立公園では駐車場や一部の施設、遊具などの閉鎖が実施されました。しかし、2021年1月に2度目の緊急事態宣言が発出された際には、駐車場は閉鎖されず、遊具などは2月28日(日)現在も開放されています。

3月1日(月)には大阪など6府県の緊急事態宣言が前倒しで解除されましたが、そうした状況だからこそ、「なぜいま?」と思う人も多いのかもしれません。今回の閉鎖について東京都は「広域的な公園利用を抑制するため」とし、緊急事態宣言が終了すると見込まれている3月7日(日)までとしています。

緊急事態宣言期間ラスト1週間余りと考えられるタイミングで対策強化に至った背景について、都の建設局公園課は次のように話します。

「駐車場の閉鎖は2月22日(月)にプレスリリースで告知しており、そのときの状況に基づいています。当時は6府県の前倒し解除が視野に入るなかで、首都圏はこのまま解除できるのか、よりいっそうの対策が必要ではないかという緊張感が高まっていました」

しかし駐車場をすぐに閉鎖するのは影響が大きいため、周知期間を設ける形で2月27日(土)からとしたそうです。

これまでの対策はどうだったのか

2020年4月7日に1度目の緊急事態宣言が発出された際、運動場などは宣言の発出以前から閉鎖していたものの、駐車場に関してはゴールデンウィーク前に、感染の拡大を目的とした小池都知事による「ステイホーム」の呼びかけと連動して、遊具などもあわせて閉鎖を実施したといいます。

「当時は初めての経験でしたが、その後、一定の対策を講じれば屋外での感染リスクは低いとわかりました。今回の緊急事態宣言に際しては、国のガイドラインでも、飲食店など限定的に効果のある対策を講じ、一定の運動は必要であることからも、公園などは引き続き利用できるとされています」(東京都建設局)

このため、2021年1月からの2度目の緊急事態宣言にあたっては、都立公園の駐車場閉鎖も行っていなかったものの、「緊急事態の最後の時期に及んで感染者数の減少が鈍化し、社会全体の気のゆるみもいわれていることから、いま一度、対策を強化する必要があるのではないか」ということで駐車場の閉鎖に至ったそうです。

なお、都立公園内でもバーベキュー場などは、飲食をともなうことから緊急事態宣言の発出と同時に閉鎖されています。これらは宣言解除後の再開も未定ということです。

閉鎖された都立舎人公園の駐車場。公園そのものは引き続き利用できる(2021年2月28日、乗りものニュース編集部撮影)。