東京ヴェルディ3月1日、FW河野広貴が南葛SCへ完全移籍することを発表した。

 河野は1990年3月30日生まれの現在30歳。ヴェルディSS相模原ジュニア、同ジュニアユース、東京Vユースと着実に歩みを進め、2007シーズンには第2種登録選手としてトップチームデビューを飾った。2008年にトップチームへ昇格し、同シーズンのJ1リーグで17試合出場2得点を記録。その後は主力として東京Vを支え、2012年にFC東京へと完全移籍した。

 FC東京では2012、2013シーズンこそ定位置の確保に苦しんだものの、2014シーズンはJ1リーグ30試合に出場し6得点を挙げた。その後は徐々に出場機会を増やしたものの、出番が限られた2017シーズン途中にサガン鳥栖へと完全移籍。鳥栖では1シーズン半を過ごし、2019年に東京Vへと復帰した。同シーズンの明治安田生命J2リーグでは15試合に出場し2得点をマーク。翌年に完全移籍へと移行し、明治安田生命J2リーグで4試合に出場した。

 河野は東京Vのクラブ公式HPでコメントを発表。育成組織時代から在籍していた“心のクラブ”のファン・サポーターに別れのメッセージを残している。

「今シーズンから南葛SCでプレーすることが決まりました。僕を育ててくれたヴェルディには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。どこに行ってもヴェルディの河野と言われたし、たぶんこれから先もずっとそう呼ばれます。サポーターの皆さん、いろいろありましたね(笑)。初めて移籍する時は本当に辛かった。でも、どんな時もヴェルディのために選択してきたつもりです」

「戻った時におかえりと言ってくれて、ありがとうございました。力になれなかった事、J1に連れて行けなかった事、本当に申し訳ありません。もうヴェルディユニフォームを着てサッカーができないのが本当に寂しいけど、ずっと応援しています。どんな時も優しく、熱い応援をありがとうございました。ヴェルディ愛してる

 また、河野は新天地となる南葛SCのクラブ公式HPにて「南葛SCに加入することになりました河野広貴です。加入が決まるまでに、とても熱心に南葛SCの魅力をくり返し伝えてくれ、また僕自身のことを理解してくれて丁寧に対応してくれた、岩本GMを始めとした関係者の皆さまに感謝しています。南葛SCの目標達成のために精一杯頑張りますので、応援よろしくお願いします」と意気込みを語った。

 南葛SCは東京都葛飾区からJリーグ入りを目指して活動中の社会人チームで、キャプテン翼の原作者・高橋陽一さんがオーナーを務めている。2020年2月にはJリーグ百年構想クラブの認定を受けた。東京都社会人サッカーリーグ優勝を果たした同クラブは、昨年11月に行われた1都7県の代表16チームで戦う関東社会人サッカー大会でも優勝を達成。関東リーグ(2部)昇格が決定していた。

東京Vの河野広貴(写真は2019シーズン) [写真]=Getty Images