あなたの言葉遣い、じつは間違った日本語かも? この「正しい日本語クイズ!」連載では多くの人が使ってしまいがちな間違った言い回しを紹介します。

 今回のお題は、ニュースに頻出する「奇しくも」という副詞です。読みは「くしくも」。「奇しくも負ける」などの誤用も目立ちます。

奇しくも

 誤用だけでなく、読み間違いも多いこの言葉。恥ずかしい思いをする前に、正しい意味や読み方を覚えて使い方を身につけましょう!

「奇しくも」の使い方とは?

 芸能ニューススポーツニュースでは、例えばこんなふうに使われています。

中村獅童さんに男児誕生『奇しくも母の命日の翌日』」(朝日新聞デジタル 2017年12月18日 歌舞伎俳優・中村獅童氏のコメント

奇しくも昨季と同カード…“横浜ダービー”で火花散らした横浜FM&横浜FCサポーター」(ゲキサカ 2019年8月15日 第99回天皇杯3回戦の速報)

「オドろいたねェボウヤ、奇しくも同じ構えだ」(アニメ『バキ』花山薫 vs スペック

「奇しくも」は、いったいどういう意味でしょうか?

A.「奇しくも」は「偶然にも、不思議にも」という意味

「奇しくも」を辞書で引いてみると……。

奇しくも
[副]《形容詞「くし」の連用形+係助詞「も」から》偶然にも。不思議にも。「奇しくもその誕生日に世を去った」
(出典:デジタル大辞泉)

「“く”しくも」と読むため、悔(くや)しくも、苦(くる)しくも、という意味で使ってしまう人が多くいます。「奇しくも負けた」という誤用が多いのですが「不思議/偶然にも負けた」という意味になり食い違いが生じる可能性も……。

 誤用だけでなく「“き”しくも」と読み間違えやすい言葉なので注意しましょう。また、「奇しくも」は「いみじくも」とも混同されやすいですが、「いみじくも」は「非常にうまく」「適切に」という意味を持ちます。

TEXT/御手洗ココ>

【御手洗ココ】

平成生まれのフリーライター。三度の飯より酒が好き。ビールはプレモル派です。