冬のイタリアアルプスにハイキングに訪れていた男性が、滑落して身動きできなくなるという事態に陥った。
男性は、氷点下になる山の中で7日間必死に助けを待っていたが、無事生還できたのは、自分の傍を片時も離れずにいてくれた愛犬のおかげだったという。
2月11日、イタリア北東部トリエステに住む33歳の男性(名は非公開)は、愛犬のアッシュと一緒に、ウーディネ北部のジュリア・アルプス山脈へ登山に出かけた。
男性とアッシュは、毎年冬になるとアルプス丘陵地帯に出かけ、一緒にハイキングを楽しんでいるという。
今回も、男性とアッシュは山小屋で宿泊したりテントを張って野宿したりしながら、数日間過ごす予定だった。
ところが標高700メートルほどのところで男性は滑落。数メートル落下し、打撲などの怪我を負った他、足首を骨折して身動きができなくなってしまった。
電波の届かない場所ゆえ、電話で助けを呼ぶことができない男性は、気温が氷点下になる山の中で遭難してしまったのだ。
「愛犬がいたから生き延びられた」と男性
2月15日、帰宅予定の男性が戻らないことを心配した男性の婚約者は、警察に「遭難しているかもしれない」と通報。直ちに捜索が開始された。18日の朝、山岳救助隊『Corpo Nazionale Soccorso Alpino e Speleologico (CNSAS)』の隊員たちがヘリコプターを使って上空から男性と犬の姿を捜索していたところ、体を温めるために使用する保温用アルミシートが目に入った。
林道近くで発見された男性とアッシュは、アルミシートと落ち葉で体を覆っていたが、寒さで震えており、男性の意識は朦朧としていた。
午前9時頃、隊員たちは男性を寝袋に包んでヘリに乗せ、無事保護することができた。もちろんアッシュも一緒だ。
男性は「喉が渇いて空腹」と訴えたが、7日間は傷ついた体をなんとか引きずり小川まで行き、その水を飲んで喉を潤していたという。
しかし何より、怪我をして動きもままならなかった男性を支えたのは、愛犬アッシュの存在だった。
寒さが厳しい雪山で奇跡的に生き延びることができたのは、片時も傍を離れず寄り添い続けてくれた愛犬がいたからこそだと話している。
男性はその後、ヘリで病院へと搬送され治療を受けた、アッシュも獣医師の健康診断を受けたということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
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