政府が国会に提出した「出入国管理法」改正案について考える院内集会が3月2日、東京・永田町の参院議員会館で開かれた。難民問題などに取り組む弁護士などが登壇して、政府案の問題点を指摘した。

新たに「監理措置」という制度を設ける政府案

迫害を受けるなど、さまざまな理由で帰国できず、オーバーステイになるなどして在留資格がなくなった外国人たちの収容が長期化している。国連の作業部会からは、国際人権規約に反するとして、改善をもとめられている。

こうした状況を受けて、政府は2月中旬、出入国管理法の改正案を閣議決定して、国会に提出した。今回の政府案では、新たに「監理措置」という制度を設けるとされている。

現在でも身柄を一時的に解放する「仮放免」があるが、国外退去処分を受けた外国人のうち、逃亡のおそれが低い場合は、収容せず、家族などと「社会的生活」をすることを認めるという。

一部メディアで好意的に報じられている場面もあったが、収容されている外国人を解放するかどうかは、入管が判断することになっているため、結局のところ「改善されていない」などといった批判の声があがっている。

「生きていくために働いたら処罰される」

難民問題などに取り組んでいる高橋済弁護士は、この日の院内集会で次のように「監理措置」を批判した。

「国連(の作業部会)から指摘された『行政による恣意的な拘禁・解放』がまったく解消されていません。また、(同部会からは、収容について)裁判所の令状(審査・承認)も必要だと指摘されていますが、(国は)『令状も不要で適切に判断する』としています。

また、これまで、仮放免中(の外国人は)『働いていい』とはされていなかったが、処罰規定はありませんでした。『監理措置』になると、生きていくために働いた場合、処罰規定が適用されます。働かなかったら食べていけないので、逃げた場合、これも処罰です。健康保険も今まで通り入れません。これのどこが社会内生活なのでしょうか」

ナイジェリア女性「日本、助けて難民」

国外退去処分を受けながらも、身柄を一時的に解かれている「仮放免」の当事者も登壇した。来日して30年を迎えたナイジェリア人のエリザベスさんは、女性器切除から逃れたことや、熱心なクリスチャンであることから、帰国すれば危害が及ぶおそれがあるという。

エリザベスさんは「帰国できない。(日本にいても)何もできない。なんで日本は厳しいのか。なんで難民を助けないのか。バイデン(米大統領)は(難民に)ビザをあげてる。日本はなぜ変えれないのか。何をやっているの、日本の政府は。日本、助けて難民」と訴えた。

出入国管理法の改正案に批判 「国連から指摘された問題点がまったく解消されていない」