―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―


◆子供に教えにくい話を、どうやって親は伝えるか、という話

 以前、本田圭佑さんが運営している会社の副社長が、1歳の子供が食事中に椅子に座るように言っても理解できないのは当然だけど、言葉が理解できるようになったとき「なぜ?」と聞かれたらなんと説明するんだろうか?とツイッターに書いていたことがありました。

 大人が当たり前だと思っていることでも、子供は理由を知りたがったりしますよね。

 そして、子供の質問によって大人たちは自分たちが思い込んでしまっていることに気づかされることがあります。

ピンクは女子の色」だとか、「宿題をやらないことがなぜいけないのか?」などという質問は、それに当たりますよね。椅子に座って食事することは礼儀作法というルールの話なのですが、礼儀作法を小さい子供に説明しても理解できないこともあります。

 それ以前に礼儀作法うんぬんの話を除けば「別に椅子に座らなくてもご飯は食べられる」とも言えるし、既に礼儀作法のルールを理解できている子供であれば、「礼儀作法を守らなくていい家庭では座って食事をしなくてもいい」とか別の考え方もできてしまいます。

◆子供が自発的にやる力を削いでしまう

 基本的に親が子供に説明できないこと、つまり子供が納得してないものをやらせようとすると飴と鞭が必要になるので、結果として子供が自発的にやる力を削いでしまうと思うのです。なので、親が説明できないくらいなら椅子に立って食事をしてもいいんじゃないかと個人的には思っていたりします。

 ただし、「人によっては、食事中に椅子の上に立つことを不快に感じたりもするから、そういう人の前でやると嫌われるよ……」ということだけを教えておくと思います。

 なんてことを考えていたら、本田圭佑さんが副社長のツイートに、「ご飯を取り上げて、座りながら食べないと、こうやって敵に取られる。座っていたら取られそうになっても守れる」「自然界はこんな感じ」と返していたのですね。

◆社会に出た途端にどうしていいのかわからない

 大人というのは子供に綺麗事を教える傾向がありますが、その結果、社会に出た途端にどうしていいのかわからなくなってしまう人がたまにいたりします。

 テストで高得点を取れたとしても、社会では答えのない作業をする必要があったり、上司や取引先のご機嫌取りが重要だったりします。学校の成績が良く高学歴であれば職業の選択肢は増えますけど、実務という面では社会に出てから役にも立たないことも多いんですよね。

◆基本的には性善説で生きていたほうが楽しい

 以前、「2ちゃんねるのような罵詈雑言が書かれているサイトを子供が見たときに、どうするつもり?」と聞かれたとき、僕は「2ちゃんねるのようなサイトを見ても大丈夫な育て方をするべき」と言ったことがあるのですが、子供はいつか大人になり社会に出るので、子供の頃から社会に出たときに役に立つことやルールなどを教育として教えるべきだと思うんです。

 そういう意味で、「社会には競争は必ずあるし、悪意を持って近づいてくる人もいる」ということは教えたほうがいいと思いますし、その上で「基本的には性善説で生きていたほうが楽しいよ」という感じで子供に伝えるのがいいと思ったりしているのですが、本田選手は椅子の座り方だけで「社会には敵がいて、自分の大事なモノを敵に奪われないようにしないといけない」ということを教えることができるので、その伝え方や教育方針はすごく面白いし参考になると思うのですよ。

ひろゆき
西村博之(にしむらひろゆき)’76年、神奈川県生まれ。フランス在住、たまに日本。2ちゃんねるニコニコの元管理人で、英語圏最大の掲示板サイト『4chan』現管理人。SPA!誌面にて11年間にわたり「ネット炎上観察記」を連載。近著に『自分は自分、バカはバカ』(SBクリエイティブ)など

―[ひろゆき連載コラム「僕が親ならこうするね」]―