猫を何匹か飼った事がある人ならわかるだろう。個体差はあるものの、多くの猫は飼い主が寝ているときに足元、もしくは足の間に鎮座していることが多い。
うちの猫「もも」もそのタイプで、布団の上から両脚に乗っかっているので体がロックされてこれが腰痛の悪化の原因になったりしているとにらんでいる。
でもなぜ猫は、その場所をキープしているのか?動物の健康と行動に関する研究を行っている専門家が『Popsugar.pets』でその理由を教えてくれた。
何度も言うが猫は個体差がある。すべての猫がそういうわけではないが、飼い主が寝ていると、好んでその足元で眠る猫は多い。
Camp Bow Wowの動物専門家のエリン・アスケランドさんは、その理由を次のように述べている。
それは猫の本能によるものです。多くの場合、飼い主の足元、つまりベッドの下側の部分は部屋の中央に近い位置となります。猫にとっては部屋の全てを見渡すのにその場所が最適なのです。必要に応じて任意の方向に素早く移動することができます。ドアの外の様子もわかりやすいし気配をすぐに察することもできます。
万が一、逃げなければならない事態が起きた時、いち早く脱出することが可能になるからです。
とは言え、猫はいつもその場所にいるわけではない。飼い主が布団に入った時にやってきて、布団の上から飼い主の足を確認するかのようにしながらそこに居座る。それはいったいなぜなのか?
なぜ猫は飼い主が寝ている時に限って足元で眠るのか?
アスケランドさんは、猫が飼い主の足元で眠る理由について、このように語る。
1つめは、飼い主の体温のぬくもりを求めているからというのが理由です。夜中に、飼い主の頭の近くや胴体部分にくっついて眠ったり、また足元に戻ったりして猫が移動するのは、睡眠中の人の体温が変化するため、猫が自分のニーズに合わせてより暖かい、またはより涼しい場所へと移動しているからなのです。
2つめの理由は飼い主と自分の安全を守るためです。
猫は眠ってしまうと警戒意識が低下します。そのため飼い主に寄り添うことで安全と安心を得ようとします。また、自分が先に脅威を感じた場合にはいち早く飼い主に警告しようとします。飼い主を守ろうとしているのでしょう。
飼い主と信頼関係があるからこそ近くで眠る
猫は、安全と安心そして暖かさを求めて本能的に行動していると同時に、飼い主を信頼し、守る気持ちがあるのだろう。アスケランドさんはこのように締めくくっている。猫は独立した生き物ですが、誰が自分を世話してくれているか、誰が餌をくれるのか、愛情を示してくれているのかをよく熟知していて、猫はその相手に猫なりの愛情を示したり、寄り添ってきたりします。だからこそ人もまた猫をかわいがって、世話を続けるのでしょう。
猫の性質には個体差がある分、愛情表現も多種多様だ。でも結局は、飼い主に愛着を持っており、信頼関係があるからこそと言えるのではないだろうか。
ちなみに、猫は飼い主のことを人間とは思っておらず「大きな猫、でも敵ではない」と認識しているという研究結果も報告されている。
更に、最近の研究では、飼い主に不親切で嫌なふるまいをする人間だからといって、猫がその人間を避けるということはないそうだ。飼い主が誰を嫌いでも、猫にとっては関係なさそうだ。
written by Scarlet / edited by parumo
動物・鳥類の記事をもっと見る
3年間前に行方不明となっていた老犬が瀕死の状態で発見され、奇跡の回復を遂げ飼い主と再会 - カラパイア
人間を抱きしめるのが大好きなカンガルー、覆いかぶさってハグハグ - カラパイア
コメント