ファーストリテイリンググループのユニクロとジーユー(GU)は、3月12日から全ての商品価格を総額表示に変更し、これまでの商品本体価格をそのまま消費税込の価格に変更する。販売を継続するアイテムは、3月4日時点の価格と比較して約9%の値下げとなる。

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 1989年4月1日消費税導入から2004年3月31日まで、「税別価格+税」といった表記と消費税分を含む税込表記が混在していたが、04年4月1日に、商品本体や値札、チラシ、広告に、消費税額を含めた金額を記載する「総額表示」が義務付けられた。

 しかし、消費税率が5%から14年4月1日に8%、19年10月1日に10%へと段階的に引き上がることを受けて、期間内に限り総額表示でなくともよいとする特別措置法(消費税転嫁対策特別措置法)が21年3月31日で終了するため、期限より20日早く商品価格を総額表示に統一することにした。

 総額表示は分かりやすい半面、消費税分だけプライスカードに記載する金額が高くなるため、価格が高いと錯覚しやすい。ファーストリテイリングでは「できるだけ多くの商品の価格をそのままに、消費税込のお求めやすい価格で販売し、お客様の生活に寄りそっていきたいと思います」とコメントしている。

 総額表示移行と同時に値下げするユニクロ方式ではなく、本体価格を据え置く場合は、実際の支払額は現状の「税別価格+税」表記時と同じ。(BCN・嵯峨野 芙美)

今年4月1日以降は総額表示に統一される。ユニクロは先駆けて3月12日から切り替える