今年1月から大阪・兵庫・京都の3府県に出されていた緊急事態宣言2月28日をもって解除された。3月1日からは飲食店への営業時間の短縮要請は1時間後ろ倒しされて午後9時までに。大阪府の対象エリアは府内全域から大阪市内に縮小された。

 昨年末、数百店舗の閉店が予想されていた大阪・北新地は、現在どうなっているのだろうか。宣言が解除された北新地に足を運び、話を聞いてみた。

◆宣言が解除されても…

「宣言が解除されても、街にすぐ人が戻ってくるのかと言われればそうでもないですね。やはり、時短が解除されない限りお客様もなかなか来づらいんと思います。昨年、時短が始まったときに近隣の飲食店が時短営業に協力していない店を密告するという話があったじゃないですか。その噂が流れ始めた頃から、一気に街に人がいなくなった気がします。

 でも、これまでは時短に協力していたけれど3月からは普通に営業するといった店は多いですよ。宣言中は協力金が6万円でしたが、3月からは4万円。家賃の足しにもならないので、通常営業に戻すと近隣のクラブのママも話していましたね」

 そう語るのは、北新地でスナックを経営するママ。宣言中は客予約があるときだけ店を開けてキャストの出勤制限もしていたが、3月からは客予約があるときのみ通常営業に戻すという。

◆大量閉店の噂はほんと?

 では、年末に数百店の飲食店が閉店するという噂はどうなったのだろうか。北新地でバーを経営するオーナーに話を聞いてみた。

「年内で閉めるという飲食店の話は結構あったのですが、せっかくなら時短営業に協力して協力金をもらってからやめようと閉店を先延ばしにしている店もあるようです。中にはすでに閉店しているのに休業としている店もあって、それを近隣の住民が府に密告するということも。

 このような『闇営業』を働く店も多い中、午後9時を過ぎても看板を消して営業をする店ではカード払いの客を断ることもあるとか。カード決済をすると取引履歴が残るじゃないですか。その時間が午後9時以降だと、時短を守っていないことになり協力金がもらえないそうです。でも、北新地の客のほとんどがカード払いなので、そこまでして営業する意味ってあるのかなとも思いますね」

◆高級クラブラウンジではある変化が

 一方、高級クラブラウンジではある変化が。普段から北新地で飲み歩いているという男性は、現在の様子についてこう語っていた。

「飲食店の仕事をしているので北新地の物件情報の数はかなり回ってきていますが、それと同じくらい新店舗はオープンしています。確かに、閉店する店も多いのですが、流行っている飲食店はどんどん出店しています。

 それにクラブラウンジが閉店しても、客を持っているホステスは引き抜きされるんです。僕が通っているクラブでも他店から主力ホステスを引き抜いてきており、キャストレベルは上がっています。合併するクラブも多く、職を失ったホステスも次々と面接に来るので大手のクラブラウンジはむしろ勢いづいているという印象がありますね」

 北新地の街を歩いてみても時短営業は延長されているものの、夕方から開店する飲食店も多くそこまで寂しいという印象は受けなかった。緊急事態宣言が解除されて、これから少しずつ街にも人が戻ってくるであろう北新地。時短要請が解除されてすべてが元に戻った後、コロナ感染拡大する1年前と街の様子は大きく変わっているだろう。<取材・文/カワノアユミ>

【カワノアユミ】
東京都出身。20代歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。裏モノ・夜ネタを主に執筆。アジア日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。ツイッターアカウント@ayumikawano

緊急事態宣言が解除された大阪・北新地