激しく炎上し、海に沈みゆく船を見守っていた海兵隊員は船の中に猫が取り残されていることに気付いた。すぐさま海に飛び込み猫たちのもとに駆けつけた隊員は、猫を救出し自身の肩に乗せると泳いで沈む船を離れた。この勇敢な行動に「ヒーローと呼ぶのにふさわしい」と称賛の声があがっている。『Metro』などが伝えた。

今月2日、タイ南部サトゥーン県の西部沖合にあるアダン島近くの海上で船が炎上したとタイ海軍に通報が入った。船には5人のミャンマー人と3人のタイ人が乗っていたが、全員が海に飛び込み通りがかった漁船によって救出された。

現場に到着したタイ海軍は、周囲の安全を確保しながら燃料漏れの確認のために沈みゆく船を見守っていた。そのうちの1人、ウィチット・パクディロンさん(Wichit Pukdeelon)は「持っていたカメラでズームして見ていると、1~2匹の猫が頭をのぞかせる姿が見えたのです」と明かしており、猫たちが船に取り残されていることが判明した。

これを聞いたザッツアホン・セイさん(Thatsaphon Saii)は、すぐにTシャツを脱いで救命胴衣を身に着けると海へ飛び込んだ。半分沈んだ船で助けを待っていたのは4匹の猫で、ザッツアホンさんは船によじ登り持っていた米袋に3匹を入れ、残りの1匹を肩に乗せると沈む船から泳いで離れた。

炎は船の後ろ側から燃えていたので、猫たちに火の手が迫る危険はなさそうだったが、ザッツアホンさんは「船は沈み始めていたので『急がなければ』と思いました」と当時の心境を明かした。

「そのまま猫に気付かずにいたら溺れてしまっていたと思うので、みんな助けることができて良かったです。」

救出された猫たちにケガは無かったが脱水症状に陥っており、飲み水を与えると元気を取り戻したそうだ。この猫たちは現在、タイ海軍が世話をしていて飼い主を探している最中とのことだ。

今回の事故の影響について、サトゥーン県知事のエカラット・リーシェンさん(Ekarat Lishen)は「沈んだ船から燃料が漏れたことにより、周囲のサンゴ礁に被害が及ぶでしょう。現在は関連機関と協力し船の持ち主と連絡を取って船の回収について話を進めています」とコメントした。

このニュースを知った人からは「危険を顧みずに助けに行くなんて、ヒーローと呼ぶのにふさわしいよ」「猫たちも怖かっただろうに。猫の命を救ってくれてありがとう!」「身体的な強さだけではなく、弱者を守ろうとするその心が人を強くするんだね」など称賛の声が続出している。

画像は『Express Informer 2021年3月3日付「Saved from cat-astrophe: Four cats are rescued from a sinking ship by Thai navy」(PO1 WICHIT PUKDEELON via REUTERS)(ViralPress / PO1 Wichit Pukdeelon)(ViralPress)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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