昨年9月に出版した回顧録の内容を巡り、実姉から1億円超の賠償金を求める訴訟を起こされたマライア・キャリーにさらなる災難が降りかかった。同著により「名誉を傷つけられた」「精神的苦痛を与えられた」として、実姉に続きなんと実兄までもがマライアを訴えたのである。

昨年9月に出版されたマライア・キャリー(51)回顧録『The Meaning of Mariah Carey』の内容を巡り、実兄モーガンさん(60、61との報道も)が米時間3日、マライアや共著者ミカエラ・アンジェラ・デイヴィスさん、そして複数の出版社を名誉毀損で訴える裁判を起こしたことが『variety』などによって伝えられた。

マライアはかねてから、自身の劣悪な家庭環境や極めて希薄なきょうだい関係について度々公言してきており、同著の中でもそんな家族との確執が赤裸々に綴られている。モーガンさんについては、実母を壁に叩きつけたり実父と暴力的な争いを起こすなど極めて凶暴な人物として描写されているほか、精神科病棟に入院していた過去にも触れている。

モーガンさんによると、母親に関する下りはまったくの偽りであり、今は母親と親密な関係にあること、また父親との諍いについては「理不尽な怒りの矛先を向けられた自身こそが虐待の被害者」として同著の内容を真っ向から否定。そして入院していたのは事実だが、それを回顧録の中で明かすことは「裏切りであり、人を深く傷つける行為である」とも主張した。

同著にはマライアが自身の幼少期を『3びきのこぶた』のストーリーになぞらえた、このような描写がある。

「私の子供時代は、大きく邪悪なオオカミ(問題を抱えた私の兄)の激しい息遣いで全てが吹き倒されてしまうような、もろく不安定な出来事の連続でした。安全に感じたことは一度だってありませんでした。兄の怒りは予測不可能で、それが一体いつ爆発するのか、そして今度は誰あるいは何がそんな彼に貪り食われてしまうのか、私には知る由もありませんでした。」

現在ハワイ在住のモーガンさんは、セレブ御用達のフィットネストレーナーとして活躍していたが、今回こうして極めて暴力的かつ破壊的な人物として自身が描かれたことで交渉中だったプロジェクトが流れてしまったと主張している。モーガンさんはこのたびの件で多大な精神的苦痛と激しい憤り、自身や家族の将来に対する重度の不安を被っただけでなく、自身の信用や収益力が損なわれたこと、知られたくない過去を知人友人に知られてしまったこと、さらには自身の人生に混乱をきたし、何気ない日常を楽しむ機会まで奪われてしまったことなどを訴えた。

なお今回の訴訟で、モーガンさんが求めているのは司法機関を通したマライアら側からの正式な“ダメージの修復”で、一定額の賠償金の支払いを求めているわけではないようだ。

マライアは先月初め、実姉アリソン・キャリーさんからも著書の内容が「残酷で理不尽」であり、これにより「精神的苦痛を受けた」として訴訟を起こされたばかりアリソンさんはマライアに対し、1億円超の賠償金を求めている。

『The New York Times』のノンフィクションベスト10にてナンバーワンの座を獲得するなど、高評価を得ていたマライアの渾身作『The Meaning of Mariah Carey』。しかし身内からは立て続けに訴えられるという、なんとも気の毒な展開を迎えてしまった。

画像は『Mariah Carey 2020年9月29日付Instagram「Butterflies in my stomach but pride in my heart.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 c.emma

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト