2021年7月23日東京オリンピック開会式まであと4カ月と迫っているが、いまだに開催のメドは立たずにいる。

 新型コロナウイルスの日本での感染者数の増加スピードは一時のピークを乗り越え、首都圏以外では緊急事態宣言も解除された。とはいえ今後も順調に収束していくと楽観視する根拠はない。

 3月3日にはイギリスの『タイムズ』紙がオリンピックパラリンピックについて『中止する時が来た』と題するコラムを発表するなど、世界的にも中止という選択肢がますます現実味を増してきている。

 そこで「文春オンライン」では、東京オリンピックパラリンピックの開催について以下のようなアンケートを行った。

Q.東京五輪は予定通り2021年7月から開催すべきだと思いますか。

 

 A.予定通り2021年7月から開催すべき

 B.中止すべき

 C.来年以降に再延期すべき

 D.わからない

アンケート結果「中止すべき」が63.1%、「再延期」が24.5%

 今回のアンケートは、2021年1月25日から2月25日までという短い投票期間にもかかわらず、20歳から92歳までの幅広い層から、総投票数1590票(男性71.5%、女性28.5%)が集まった。

 全体では、「2021年7月から開催すべき」が9.4%、「中止すべき」が63.1%、「再延期」が24.5%、「わからない」が3.0%だった。

 

「開催すべき」という意見の理由としては「中止は経済的損失が大きい」というものが多かったが「誰もいない映像がコロナ禍を象徴する」という、今だからこそ開催する意義があるという声も見られた。「開催すべき」と答えたのは男性の方が10.3%と多かった。

 多くの意見が集中した「中止すべき」の理由としては、「東京でクラスターが発生する可能性がある」とやはりコロナ対策の優先度を主張する意見が多かった。「外食さえ制限されているのにオリンピックが出来るはずがない」と、現在の制約とのギャップを訴えるものも見られた。

 中間ともいえる「再延期すべき」の理由としては、「作った施設が勿体ない」というものや「ワクチンの効果や普及度を見極めたい」というものが多くを占めた。

 次に、回答者の意見を一部掲載する。

「中止は経済損失が大きい」

<A.予定通り2021年7月から開催すべき> 9.4%

「一年間断腸の思いで延長したのです。日本の選手はもちろんのこと外国の選手の方もそれに合わせて頑張っておりますし、主催者側としても歯食いしばって費用が嵩むのを必死に耐えて頑張っておられます。また出場選手の方も体力的にも限界。また1年延長となれば代表者を再選しなければならないと思う。絶対に断行すべきです」(男性・92歳)

無観客なら出来ると思う。中止は経済損失が大きいのと、何も楽しみがないので、せめてオリンピック観戦を楽しみたい」(女性・48歳)

ワクチン普及が期待できるし、場合によっては無観客でもスポーツの祭典は開催されるべきだと思う。選手達の選手生命やタイミングもあり2年の延長は酷だと思う」(女性・45歳)

「成功するにせよ失敗するにせよコロナ禍での大イベントで何ができるか世界各国が勉強や参考になる機会を与えられる」(男性・45歳)

「悩みますが、ウイズコロナの日常は延期したところで当分続くでしょうから無理してでも開催しないとオリンピック経費が回収できない!」(男性・44歳)

「多少の混乱があるとしても強行実施してコロナに打ち勝った証にしてほしい」(男性・71歳)

「五輪だけの問題ではないと思います。五輪が中止になることにより、他のスポーツイベントなども右に倣えで軒並み中止になり、経済に大打撃を与えます。無観客や、可能なら国同士の行き来を無くしたオンラインなど様々な方法を取ってでも開催すべきと思います。」(男性・47歳)

「完全中止なら7兆円の損害。無観客試合なら4兆円。観客数半数なら1兆円の損害だと何かの試算で見ました。未来への負の遺産は、少しでも軽減すべきだと思う」(女性・50歳)

「夏は冬に比べウイルスの活性が弱く無観客で選手だけの大会を行えると思うので」(男性・38歳)

「選手の為を思うと、是非開催してもらいたい。自分もチケットを確保しているし。おそらくオリンピックを直に見られるラストチャンスと思うので」(男性・58歳)

「選手のことを考えると年齢的なもので完璧なパフォーマンスをできない人も出るかもなので。なによりオリンピックで野球を見たい。延期はまだいいけど、中止だけはやめてほしい」(女性・37歳)

「北京冬季五輪より後に開催はできない。開催しないと日本のメンツが立たない」(男性・59歳)

「アスリートとしていかなる環境で有ろうとも、精神的、肉体的に最善を尽くして戦うことが出来る事を示してほしい」(男性・79歳)

オリンピック競技は、国が一つにまとまり、また世界が一つにまとまる4年に一回の意義のあるイベントだ。確固たる方針の下で着々と進めることが肝要。目標設定なしで、様子見などはあり得ない。勿論例外もあり得るが、それを今から出してはダメだ」(男性・75歳)

「開催国として責任が取れない」

<B.中止すべき> 63.1%

「人類の存続を脅かす未曽有のパンデミックに直面し、全人類の総力で対策が必要。オリンピックに力を割く余裕はない。毎日、万単位の人がなくなっている。オリンピック開催で儲かる一部の人間に屁理屈を言わせてはならない」(男性・70歳)

コロナワクチンが十分行き渡りそうにないし、医療も逼迫している。海外から人が入る事による感染拡大やさらなる変異ウイルスも心配だ」(女性・68歳)

「このコロナ禍のもと、第一に考えねばならないのは、国民の安全。どんなに損失があろうともリスクを増やすことはまかりならぬ」(男性・66歳)

「世界各国のアスリートの半数以上は開催を望んでいないと思われる。トップクラスの選手がいない競技で金メダルを取っても価値が半減する。公平性が保たれない」(男性・66歳)

「たとえ、無観客開催であれど、アスリート間感染があれば、開催国として責任がとれないため」(男性・72歳)

コロナの収束の如何に関わらず、五輪は無かったものとして経済再生に努めるべき。この時期に海外から人やモノを入れたいと思う了見が理解できない」(男性・50歳)

「世界的な規模のクラスターを東京で発生させる可能性があるから」(男性・71歳)

「外食さえ制限されているのにオリンピックが出来るはずがない」(女性・53歳)

「選手だけならまだしも、世界から観客を集めたら感染が拡大するのは目に見えている。命をかけてまでやるべきとは思えない」(男性・66歳)

「人命とイべントを天秤にかけることはできない」(男性・83歳)

「医療従事者にこれ以上負担をかけるべきでない」(男性・69歳)

「『戦争』並みの非常事態であるから。どうせなら特別編eスポーツの祭典を開いてほしい」(女性・50歳)

「組織委員会はいまだに16,000人の医療ボランティアを予定しているとのことである。それは不可能だと思うので、この件だけをみても実施する準備をまじめにしているとは思えない。これからかかる無駄な費用を最小限にしてコロナ対策に回すべき」(男性・67歳)

外国人が多く訪れるのは恐い」(女性・60歳)

Under controlに始まって『復興』も『低予算』も全て嘘じゃないですか」(男性・55歳)

「日本には、オリンピックを経済的に成功させるリーダーシップやノウハウが無い。長野五輪の招致活動の収支報告ができず、帳簿を燃やさなければならなかったことが、全てを物語っている」(男性・54歳)

「正直に言うと日本でのオリンピックは見たい! しかし日本が『開催します!』と叫んでも、他国の予選やらが不透明な状況では難しいだろう。再延期も現状では無理じゃないかな……。選手たちにとっては可哀想だけど仕方ないと思う」(男性・45歳)

オリンピックより国民の命を優先すべきと思うから。また、オリンピックに使用する予算を国民の生活保障に使うべきと考えているから」(男性・20歳)

「余計なことしないで、落ち着いてシンプルに生活したいです」(女性・72歳)

「何のために開催するかがますます曖昧になっている」(男性・74歳)

GoToトラベル、GoToイートを極大規模にしたような形になり、感染爆発が発生する恐れが高いと思います」(男性・66歳)

「菅総理大臣が『コロナに打ち勝った証』とか言っているんだから、打ち勝っていない現状を見ると、中止すべき」(男性・51歳)

「百歩譲って、日本である程度コロナが収まっていたとしても、全世界が同様になるとは絶対に思えない。無観客にすることによって、外国人観光客の入国は制限できたとしても、選手・コーチ・役員といった多くの外国人がやって来る。そこで、再び日本に感染の大波が起きたら、誰が責任をとるのか?」(男性・65歳)

「開催是非の判断を無責任に引き延ばしていることは各地域の開催準備の担当者や選手に対して多大な迷惑をかけ、失礼である」(男性・30歳)

「選手といえども入国は論外」

「世界中がコロナと戦っている今、アスリート・大会関係者もボランティアも誰が好んで参加したいのでしょうか?」(男性・70歳)

「選手のことを考えたら、無観客開催という選択肢もあると思うが、海外から選手や関係者を呼ぶのはリスクが高いと思うから。まずは日本を守ることを最優先にすべき」(女性・44歳)

「7月にコロナが収まるとは思えない。たとえ7月に収まったとしても、選手の準備期間不足。選手の出場辞退が相次ぐと最高峰の競技ではなくなる。再延期するにしても、2022年がいいかどうか分からない」(男性・51歳)

「菅総理の仰っている『人類がコロナに打ち勝った証』というスローガンに大賛成です。

 故に本当に打ち勝ってからの祭典とすべきではないでしょうか」(男性・64歳)

「次の次の次(2032年)まで延期。今の施設を利用して子や孫の世代に楽しませる!!」(男性・77歳)

「作った施設が勿体ないから」(女性・36歳)

「今のコロナの状況では、ワクチン接種が参加国全てに行き渡るのにまだまだ時間が掛かると思われます。ワクチン接種がかなりの範囲で行き渡るのを確認してから開催した方がいいと考えます。2024年2028年はパリとロサンゼルスの開催が決定しているので、2032年に改めて東京で開催した方がいいと考えます」(男性・64歳)

日本国内も危うい状況で、外国から多数の選手・観光客が来ることが恐ろしくてたまらない。自宅が競技コースに面しているが素直に応援できる気持にもなれない。経済的な影響を考えると開催できればと思うが、現時点では難しいと思う。開催後に感染爆発した場合日本はどうなるのか? そこまで考えてほしい」(女性・50歳)

「年内は水際対策をしっかりやるべきなので選手といえども入国は論外だと思う」(男性・67歳)

「開催までにワクチン接種を全国民に実施できるかどうか不明。海外から来る選手団や関係者がコロナ対策をきちんとしているか怪しい。森喜朗の失言でトドメを刺された感がある」(女性・56歳)

日本人ワクチン接種が仮に全員終わっても、来日する人が感染している可能性がある。五輪は平和の象徴なのだから全人類が楽しめた方が良い。とは言え折角準備した施設も沢山あるのでもう一年待って活用できたら良いと考える。首相始めお偉方は何故今年開催すると言えるのか不思議でならない」(女性・50歳)

ワクチンの効果も量もまだわからない今は無理な気がする」(男性・43歳)

日本人アスリートの中には東京五輪を最後と考えてる選手もいるだろうから。(試合は出来ても、選手村でクラスターが発生すると思う)」(女性・49歳)

「今のコロナ感染者の状況を鑑みると今年7月に無理して開催してもいいことは一つもないように思います。しかし、それでは今まで出来上がった競技施設等が無駄になり大変な額の損失が出ると思います。2032年に開催延期する案を聞いたことがありますので、その案が今後の開催都市にも迷惑が掛からず最善の解決法だと思います」(男性・57歳)

箱根駅伝を街道で観戦してしまっている人の存在を思い返すと、無観客でもクラスターリスクは否めない」(男性・28歳)

「世界中がそれどころではない。平和の祭典であれば“戦時中”の今にやるのは論外だと思う。選手関係者には気の毒ではあるが。競技毎で、行える状況であるならば、個別の国際大会を今夏に限らず、今秋でもやればいいと思う」(男性・57歳)

「今はまだコロナに打ち勝っていないと思います。勝たなくてもいいからうまく共存できる状態にまでは持って行かないと不安は消えません。アスリートの人たちも、関係者の人たちも、開催する国の人たちも不安の中でいいパフォーマンスはできないと思います」(女性・56歳)

「本当にわからない」

<D.わからない> 3.0%

「日本だけでなく世界各国の選手がどれくらい開催を望んでおり、開催された場合に参加をするのかわからないので」(男性・54歳)

ワクチンに期待してるが、世界の祭典で日本だけの話で終わらないので、難しい気もします。

 結論は急がないといけないが、コロナ禍でも毎日努力し続けてるアスリート、暗い話題で疲弊している世界中の人々に熱い闘い・勇姿でもって、勇気や元気を届ける、そういう意味でも簡単に『xxxすべき』と割り切って決められる課題でもないと思う」(女性・35歳)

「全体的に落ち着くのが7月なのか早すぎる気もするけど、政府に対する不信感が強すぎて連日のニュースでもそれしかないから余計に気持ち的にマイナスにしかならない。だから一体感というかパワーがもらえるイベント開催って大事だと思う」(女性・31歳)

「選手の方の気持ちが大事だと思うので、見る側の私からしたら開催されるならいつでもいいと思います」(女性・46歳)

「本当にわからない」(女性・53歳)

「多少の混乱を許容しつつ開催するのも手だし、無難に中止しても、延期しても、かまわないと思っています。あまりに関係していることが多すぎて、いち個人として『すべき』なんて思いません。バーチャルな世界と仮定して、無責任に判断できるなら、私は『延期』を判断しますが」(男性・48歳)

「選手のモチベーション等を考えると予定通り開催するのがベストだが、現状を考えると、7月一斉開催は無理があると思う。参加人数や感染リスクは競技毎にかなり差があるので、1年位かけてリスクの少ない競技から順次開催するのが良いと思う」(女性・56歳)

「再延期は無いと宣言しているし、今後の夏季・冬季にも影響が出てしまいそうだが、スポンサー・放映権もあり、可能であれば延期が良いがコロナ等を考えると中止もありうるのかと思う」(男性・55歳)

「開催するにはまず開催国である日本での感染を抑えることが最低条件となるが、現状を見る限りその条件が満たされていない。開催の可否を決めるまであと少し期間があると思うが、今後の感染率の動向を左右するのは日本政府のやり方次第だろうと思う」(男性・63歳)

「 開催の実権はIOCにある。いくら日本が強行しようとしても、IOCがノーと言えばノー。IOCは世界世論で判断するだろうから、現状況では判らない」(男性・72歳)

「開催した場合、新型コロナの感染拡大は避けられないでしょう。しかし、中止にした場合の選手達の無念さを理解できます。また、延期したからといって新型コロナが収束する保証は何もありません」(男性・48歳)

「やるも地獄、やめるも地獄な感じがするので」(女性・42歳)

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

アンケート結果<全体> Ⓒ文藝春秋