「夜22時くらいに、『電話の調子が悪いから電話を貸してください』と(女性が)血相を変えて店に飛び込んできたんです。電話を貸すと青ざめた表情で店の奥の方に移動して5分ほど電話をかけていた。かなり緊迫した様子で、普通ではなかったことを覚えています」

 2020年4月18日22時頃、当時5歳だった三男・碇翔士郎(しょうじろう)ちゃんが呼吸をしていないことに気づいた母親の碇利恵容疑者(39)が近隣商店で電話を借りてかけた先は、110番でも119番でもなく、ママ友の赤堀恵美子容疑者(48)だった。

 連絡を受けた赤堀が夫とともに碇の自宅を訪れ、赤堀の夫が119番通報後、搬送された病院で翔士郎ちゃんの死亡が確認された。

 福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳児が餓死したこの事件。2021年3月2日福岡県警が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕したのは、ママ友同士だった2人の容疑者だった。両容疑者は2019年8月頃から共謀して、翔士郎ちゃんの食事を減らすなど低栄養状態にして餓死させた疑いがある。取り調べで赤堀容疑者が碇容疑者を精神的に支配し、多額の金銭を巻き上げていたことがわかっている。

 篠栗町内の同じ幼稚園に子供を通わせていたことで、2016年4月頃に2人は知り合った。だが、当時から赤堀容疑者の評判はよくなかったという。近隣住民が話す。

虚言癖クレーマー」として有名だった

「赤堀さんは“虚言癖クレーマー”としてママさん界隈ではかなり有名な人でした。一度見たら忘れられない容姿ですから、目立ちます。基本的に赤堀さんはいつもすっぴんで過ごしているんです。女子プロレスラーのダンプ松本さんをさらに太らせたような見た目で、陰でいじられていることもありました。

 4年前に話した時、彼女は自分のことを『赤堀ユウナです』と周囲に名乗っていた。偽名を使っていたんです。本名は報道を見て知りました。年齢も『34歳です』と実際よりも10歳もサバを読んでいた。

 たしかに以前から周りでは、『絶対年齢偽ってるよね』という話も上がっていました。特に追及する人もいなかったのですが、今回の報道を見てやっぱりかと思いました。今思うと『私の方が年上なんだから、〇〇さんがやってよー』と学校の雑務を押し付けてくることもあったので、話の辻褄は合っていなかったんです。

 赤堀さんはいわゆる“モンペ”でもありました。たとえば、赤堀さんのお子さんが先生に注意されることがあったりすると、後日それを聞いた赤堀さんが『うちの子の何が悪いんだ!』と学校に怒鳴り込む。そんなことがしょっちゅうありました。とにかく態度が横柄で、言葉遣いも汚いので極力関わらないようにしていました」

 碇容疑者が離婚前に住んでいた一軒家にも赤堀容疑者は頻繁に訪れており、家族ぐるみの付き合いをしていたという。だが、「次第に碇さんの様子がおかしくなっていった」と話すのは、碇容疑者の知人女性だ。

碇容疑者も最初は「赤堀さんとあまり絡みたくない」

「最初は碇さんも『赤堀さんとあまり絡みたくない。子供に悪影響かも』と一緒になって愚痴っていたのですが、いつの間に2人は仲良くなったのです。赤堀さんと関わるようになってからだんだん他のママ友とも距離を置くようになり、赤堀さんから言われていたのか、顔を合わせても挨拶をせずに逃げたり、最近ではまったく姿も見かけなくなりました。

 碇さんはほんわかした雰囲気で、根が優しくていい人なんですけど、どこか流されやすい部分もあった。あまり自分の意思表示をしない方だなと思うこともありました。『詳しくないのに勧められた絵画を買って、夫に怒られてしまった』と話していたこともありました」(同前)

 逮捕後の取り調べに対し碇容疑者は「子供の食事を抜かれることを恐れ、(赤堀に)逆らえなかった」「(赤堀の)洗脳が解けた今、翔ちゃんに申し訳ないことをした」と後悔の念を口にしているという。一方の赤堀容疑者は「食事管理には関わっていない」と容疑を否認している。

 3月7日(日)21時から放送の「文春オンラインTV」では、現地で取材を担当する記者が裏話をふくめて生解説します。

「文春オンライン」では、本事件について情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。

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(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

5歳児が餓死した現場マンションと赤堀恵美子容疑者