「赤堀ユウナ、34歳です」福岡5歳児餓死 逮捕の“虚言大女”は周囲に偽名、10歳年齢詐称も から続く

 福岡県篠栗(ささぐり)町で5歳児が餓死した事件。3月2日福岡県警が保護責任者遺棄致死容疑で逮捕したのは、ママ友同士だった2人の容疑者だった。

 2020年4月18日に亡くなったのは、当時5歳だった碇翔士郎(しょうじろう)ちゃん。逮捕されたのは母親の碇利恵容疑者(39)と、ママ友の赤堀恵美子容疑者(48)だった。両容疑者は2019年8月頃から共謀して、翔士郎ちゃんの食事を減らすなど低栄養状態にして餓死させた疑いがある。

ママ友らが悪口を言っている」「私は味方だ」

 警察の取り調べでは、赤堀容疑者が碇容疑者を精神的に支配し、多額の金銭を巻き上げていたことがわかっている。

 捜査関係者の証言。

「2人が知り合ったのは、2016年4月頃。同じ幼稚園ママ友同士としてだ。『ママ友らが悪口を言っている』『私は味方だ』などと赤堀が碇を疑心暗鬼にさせ、言葉巧みに洗脳し、周囲から孤立させていったと見られている。

「お前の夫が浮気している」で離婚にまで追い込んだ

 そして、2018年5月頃に赤堀が『他の保護者から碇の子供のトラブルのことで訴えられている。解決のためにはカネが必要。暴力団とつながりのある“ボス”がトラブルを解決する』などと架空のトラブルをでっちあげ、約50万円を碇から詐取した。

 その次は『碇の夫が浮気をしている』と嘘をつき、『浮気相手のキャバ嬢が妊娠した。キャバ嬢のバックにいる暴力団と交渉しているので慰謝料が必要』『お前の夫の浮気調査費用を“ボス”が立て替えている』『夫との離婚裁判で書面代が必要』などとありもしない話を次々に碇に信じ込ませ、カネを引っ張った揚げ句、ついには2019年5月に離婚に追い込んだ」

 そして赤堀は碇を精神的に追い詰め、食費を切り詰めさせた。

「『(裁判で)離婚の慰謝料を多く取るために生活が困窮していると見られた方が有利だ』などとして、2019年8月頃から3人の子供に対する食事制限を指示していました。死亡時の翔士郎ちゃんの体重は10キロ前後しかなく、体はやせ細り、あばら骨が浮き上がった状態でした。同年齢の平均体重の半分ほどだった」(社会部記者)

「監視カメラで“ボス”が見張っている」

 赤堀が“ボス”と呼んで恐れさせていたのは、実在するママ友。実際には無関係のママ友を、まるで暴力団に近い人物であるかのように説明していたという。

「食事制限中、赤堀は碇に対し、『監視カメラで“ボス”が見張っている』などとも言っていた。騙し取った金額は起訴されているだけで約200万円だが、そのカネというのも元々は碇が受け取っていた生活保護費や児童扶養手当などの毎月約20万円の収入。

 立件には至っていないが、県警は赤堀がそのほかにも碇の車を売却させたり、複数の消費者金融から借金させて、合計で1200万円ほど引っ張ったとみている。赤堀は碇から詐取したカネをパチンコなどの遊興費や家具や洋服の購入費にあてていたようだ」(前出・捜査関係者)

 食事制限を強要するようになってから約9カ月、痩せ細っていく翔士郎ちゃんに周囲も気付いていた。不審に思った幼稚園の関係者がたびたび碇の自宅を家庭訪問している。

「対人恐怖症だ」と訪問を拒絶

「碇の自宅に家庭訪問すると、なぜか赤堀が家にいて抗議して追い返した。2019年11月、翔士郎ちゃんが通う幼稚園や兄2人が通う学校からも、行政サイドへ問い合わせがあった。『子供たちの体重減少が気になるが、母親と連絡が取りにくくなっている』との情報を受け、町や児相などが碇の家庭を“見守り対象”にした。それでも(関係機関の)担当者が碇宅を訪ねると、赤堀が碇の代わりに対応し、『母親(碇)は対人恐怖症だ』などと言って、面会を拒否することもあった。

 週に数回パンなど食事を与えていたが、翔士郎ちゃんが亡くなる直前には碇本人も『食べるものがなく醤油を薄めて飲んだり味噌をなめていた』と供述している」(同前)

 こうした行政の動きに対し、2020年1月、赤堀は碇に指示し、翔士郎ちゃんを幼稚園から退園させた。

「その頃、地域住民から『虐待の疑いがある』との情報を得た福岡県警粕屋署が碇宅を訪問したが、子供らに虐待の形跡は認められなかった。一方で、2020年3月5日には児童相談所に『子供を残して外出するなど心理的虐待や育児放棄の疑いがある』と通告していた」(同前)

 20年3月には碇容疑者の親族が2度、児童相談所を訪れ、「子供と会えておらず、心配だ」として、安否確認を求めていた。だが、危険度が高いとは判断せず、家庭訪問をするなどの対応は取らなかったという。

 3月7日(日)21時から放送の「文春オンラインTV」では、現地で取材を担当する記者が裏話をふくめて生解説します。

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(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

5歳児の母親である碇と、ママ友の赤堀。両容疑者は仲が良かった