海に浮かんでいるはずの船が、空を飛んでいるかのような驚きの写真がイギリスで撮影された。気象予報士によると、蜃気楼によって船が実際の位置よりも上に見えてしまうことで、このような不思議な光景になるという。一方で「霧によって空と海の境界があいまいになっているせいでは?」といった声もあがっており、議論が巻き起こっているようだ。『BBC News』などが伝えた。

コーンウォール南岸部ファルマス在住のデイヴィッド・モリスさん(David Morris)が今月5日、驚きの光景を写真に収めた。

当時のことを「呆然としてしまった」と振り返るモリスさんは、沿岸から今回の写真を撮影したという。写真には海の上を進むはずのタンカーが、なぜか宙に浮いていたのだ。

この現象について『BBC News』の気象予報士デイヴィッドブレインさん(David Braine)は、次のように説明した。

「これは寒い地域で発生する現象ですが、イギリスではとても珍しいケースです。上位蜃気楼が逆転層と呼ばれる状態を作り出すことによって、今回のような現象が発生します。通常は高度が上がると気温は低くなりますが、逆転層の状態では高度の高い場所の気温が地面よりも暖かくなっています。」

「これにより目に入る光が屈折を起こすことで、実際の光景と異なるように見えるのです。上位蜃気楼による見え方にはいくつかのタイプがあります。今回の場合は実際の位置よりも高い場所に船があるように見えますが、時には地平線よりも下側に物体が見えることもあるのです。」

蜃気楼には今回の上位蜃気楼ともう1つ、下位蜃気楼がある。下位蜃気楼は近くの島や建物が実際の位置よりも下に見える現象だ。これは日本で“浮島現象”と呼ばれ、一部の地域で冬の風物詩として知られている。

ブレインさんの主張の一方で、この写真を見た人からは「霧が発生していることで、空と海の境界があいまいになっているせいで浮いているように見えるんじゃない? 地平線は実際には船が浮いている位置にあるんだよ」という指摘も見受けられた。

写真を撮ったモリスさんも「前にも似たような現象を見たことがあるんだけど、これは蜃気楼のせいではないと思う」とコメントした。

判別が難しいため真相は明らかになっていないが、上位蜃気楼は珍しい現象であるため可能性は低いかもしれない。

ちなみに“上位蜃気楼”と画像検索するとぼんやりと写っているものが多く、今回のようにはっきりとした写真は珍しい。これを見た人達からも「加工写真じゃないなんて嘘みたい!」「本当にキレイに撮れているね」と驚きの声が寄せられている。

画像は『BBC News 2021年3月5日付「‘Hovering ship’ photographed off Cornish coast by walker」(DAVID MORRIS/APEX)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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