《20代はスナックの名物ママ》福岡5歳児餓死 赤堀恵美子容疑者の夜逃げ人生「えーしゃんは“盛り上げ隊長”だった」 から続く

「赤堀はもともと早口でまくしたてるような癖のある喋り方だったので、こっち(地元)の人間ではないと思っていました。『どこどこのママが好かん』とか『あいつとはどうのこうの』という赤堀から周囲に対する愚痴を聞くことが多かった。子供同士の喧嘩に弁護士を介入させるとか、(トラブルの解決で)お金が発生したりしたという話もしていましたね」

 2020年4月18日福岡県篠栗(ささぐり)町で当時5歳だった碇翔士郎(しょうじろう)ちゃんが餓死した事件。2021年3月2日に、福岡県警が保護責任者遺棄致死容疑で母親の碇利恵容疑者(39)と、ママ友の赤堀恵美子容疑者(48)を逮捕した。両容疑者は2019年8月頃から共謀して、翔士郎ちゃんの食事を減らすなど低栄養状態にして餓死させた疑いがある。

 冒頭の証言をするのは、赤堀・碇両容疑者のママ友である女性・Aさんだ。

 赤堀は碇に対し、「ママ友らが悪口を言っている」「私は味方だ」などと言葉巧みに洗脳し、周囲から孤立させていったが、その“舞台装置”としてAさんは名前を使われた。

2018年5月頃に赤堀が『他の保護者から碇の子供のトラブルのことで訴えられている。解決のためにはカネが必要。暴力団とつながりのある“ボス”がトラブルを解決する』などと架空のトラブルをでっちあげ、約50万円を碇から詐取した。『お前の夫の浮気調査費用を“ボス”が立て替えている』などとありもしない話を次々に碇に信じ込ませ、カネを引っ張った揚げ句、ついには2019年5月に離婚に追い込んだ。また、食事制限中、赤堀は碇に対し、『監視カメラで“ボス”が見張っている』などとも言っていた」(捜査関係者)

 赤堀が“ボス”と呼んで恐れさせていたのが、Aさんなのだ。Aさんは赤堀、碇の子供と同じ小学校に子供を通わせている。赤堀とは連絡を取ることもあったが、碇とはほとんど面識がなく、まったくの無関係であるAさんをまるで暴力団に近い人物であるかのように、赤堀は碇に説明していたのだ。

 Aさんは憤りを隠せない様子で話す。

「なんでまったく無関係な私が『ボス』などと呼ばれて、名前を使われていたのかわかりません! 私が他のママ友とあまり交流を持たないとか、(両容疑者の子供と)保育園が別だからとかいう理由で(赤堀に)利用されていたんだと思います。碇とは(子供が)小学校1年生で入学してすぐの授業参観の時に赤堀から『ママ友』だと紹介されただけで、それ以降、同じクラスになったこともあるんですけど、正直、顔もあまり覚えていないです」

 赤堀は碇に対し、「(離婚裁判で)慰謝料を多く取るために生活が困窮していると見られた方が有利だ」などとして、2019年8月頃から碇の3人の子供に対する食事制限を指示していた。その結果、死亡時の翔士郎ちゃんの体重は10キロ前後しかなく、体はやせ細り、あばら骨が浮き上がった状態で、同年齢の平均体重の半分ほどだったという。

 だが、赤堀は自分の子供たちに対しては教育熱心な“良い母親”だった。

自分の子供には「水泳とバレエ」を習わせていた

「子供の行事にはすべて参加していました。子供の送り迎えも自分でしていて、旦那さんが帰ってくる時間にはきっちりと帰って食事を用意したり、母親としてはきちんとやっていたように見えました。

 子供には塾や習い事をいくつも通わせていたそうです。水泳とバレエやらせていて、水泳はこの辺でも(月謝の)値段が張るところにわざわざ通わせていたと聞きました。赤堀は専業主婦で旦那もそこまで高給じゃないのに、子供に習い事もたくさんさせていて、生活レベルが少しおかしい(高すぎる)なとは思っていました」(Aさん

 赤堀は自分のことを「赤堀ユウナです」と周囲に偽名を名乗り、年齢も実際よりも10歳もサバを読んでいた。ママ友の間でも「ユウナ」と呼ばれていたという。

 翔士郎ちゃんが亡くなってから半年ほど経った頃、Aさんは警察から「聞きたいことがある」と呼び出された。Aさんはそこで初めて自分の名前が利用されていることを知ったという。その後、赤堀と近所で遭遇した際に、Aさんは赤堀を問い詰めたという。

「私の名前を騙ってるよね?」

 Aさんが続ける。

「逮捕される数カ月前に赤堀と近所のコインランドリーで会ったんです。警察から『連絡するな、会うな』と言われていたんですけど、(赤堀は)私のことを無視して下を向いていた。その姿を見て我慢できずに、『ユウナ』って呼ぶと、振り向いて立ち止まった。『私の名前を騙ってるよね?』って問い詰めたら、『(碇が)勝手に言ってるだけ』『弁護士を雇ってるから』と碇が悪いという内容の言い訳を繰り返していました」

 既報の通り、子供の頃から“夜逃げ”続きだった赤堀の半生。ママ友から問い詰められる程度の窮地を切り抜けることなど、赤堀にとっては容易いことだったのかも知れない。赤堀の周辺を取材していると、“責任転嫁と開き直り”は日常茶飯事なのだ。

 高校の同級生がこんな証言をする。

「お前のせいで!」と逆恨みでいじめ

「高校の時、友人との言い争いで赤堀が手を出してしまったことがありました。その時に、相手の目を傷つけてしまったのですが、『私は悪くない』と開き直っていた。結局、赤堀の親同伴で怪我をさせた本人と親御さんに謝罪に行ったのですが、赤堀自身は納得していなかったそうです。

 赤堀は頻繁に問題を起こす生徒でした。赤堀が主導になって同級生の女子生徒をいじめていたこともありました。きっかけは、完全な逆恨み。赤堀は学校で禁止されていたバイトを内緒でやっていて、それを同学年の女子生徒が先生に報告した。赤堀は謹慎処分となり、特別室で反省文を書く羽目になったのです。そこから『お前のせいで!』と、その件を報告した女子生徒をいじめの標的にしたんです。それがケンカのきっかけです。

 それ以外にも赤堀は学校で色々と問題を起こしていて、自宅謹慎になったことが何回もあった。

表では「えーしゃん」、陰では「明太子

 でも、問題児だった割には、体育祭文化祭などのイベント行事で開会宣言や注意事項をスピーチしたり、全校生徒を前に登壇することがやたらと多かった。自ら前に出ていくタイプで、目立ちたがり屋な性格なんでしょう。

 もちろんそんな彼女を良く思っていなかった同級生も多く、よく陰口をたたかれていました。赤堀は運動した後や寒いときなど、すぐに頬を真っ赤にしていることが多くて、顔もぷっくりしていることから『明太子』と陰でいじられていた。表では『えーしゃん』と呼ばれていましたが……」

 翔士郎ちゃんが亡くなったことについて、赤堀は容疑を否認し、「母親の責任だ」という趣旨の供述をしているという。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

5歳児の母親である碇と、ママ友の赤堀。両容疑者は仲が良かった