ヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16・1stレグ、マンチェスター・ユナイテッドvsミランが11日にオールド・トラッフォードで行われ、1-1のドローに終わった。

ユナテッドは前ラウンドでレアル・ソシエダと対戦。下馬評では拮抗した戦いが予想された中、アウェイ扱いとなった中立地トリノでの初戦を4-0の圧勝で飾ると、ホームでのリターンレグも0-0のドローで終えて危なげなく突破を決めた。

また、直近のプレミアリーグでは公式戦21連勝中だった絶好調のマンチェスター・シティとのダービーを2-0で完勝し、リーグ2位を維持している。そのダービーからは先発4人を変更。負傷のラッシュフォードに代わってグリーンウッドが起用されたほか、リンデロフ、ショー、フレッジに代わってバイリー、テレス、マティッチが起用された。

対するミランは、前ラウンドでツルヴェナ・ズヴェズダと対戦。格下相手に危なげなく突破を決めるかに思われたが、2試合を通じて大苦戦。2試合共に引き分けて2戦合計3-3のスコアもアウェイゴール数の差で上回り、薄氷の突破となった。

2-0で勝利した直近のヴェローナ戦からは先発2人を変更。ロマニョーリ、カスティジェホに代わってケアー、ブラヒム・ディアスを起用。古巣対戦となったイブラヒモビッチチャルノール、テオ・エルナンデスら主力5人が負傷などにより招集外となった。

プレミア2位、セリエA2位に位置する欧州屈指の名門同士の一戦は飛車角抜きのアウェイチームが良い入りを見せる。前からアグレッシブにプレスを仕掛けて相手のビルドアップに制限をかけ、良い形でボールを奪っていく。

5分には最終ラインの背後を取ったレオンがいきなりゴールネットを揺らすが、ここはオフサイドの判定。さらに、11分には相手陣内右サイドで得たスローインからボックス手前右で一瞬フリーとなったケシエがワントラップから見事な右足のシュートで再びゴールネットを揺らす。だが、先制かに思われたこのゴールはVARのレビューの結果、ケシエのかなり微妙なトラップ際のハンドを取られて認められず。

判定に救われて失点こそ免れたユナイテッドだが、立ち上がりの8分にマルシャルのボレーシュートで決定機を作った以外、攻守両面で低調なパフォーマンスに終始。相手に押し込まれた中、幾度かプレスを剥がして前進のチャンスを得るも、動き出しの少なさ、判断の遅れが目立ってなかなか前線に良い形で繋ぐことができない。

以降もミランペースで試合が進む。相手を押し込んで26分と31分にはいずれもディアスのチャンスメイクからクルニッチ、サーレマーケルズとボックス内でシュートチャンスが訪れるが、決め切ることができない。

その後、前半終盤にかけてようやく相手陣内深くまで侵攻し始めたユナイテッドは38分に絶好機が訪れる。右CKの場面でキッカーのテレスが左足インスウィングで入れたボールをニアのブルーノ・フェルナンデスが頭でフリック。ファーに走り込んだマグワイアが押し込みに行くが、このイージーシュートを左ポストに当ててしまい、ファーストチャンスを先制点に結びつけることはできなかった。

迎えた後半、先に動いたのはホームチーム。マルシャルを下げて今冬までアタランタで活躍していたアマド・ディアロを投入。この交代でディアロが右ウイング、グリーンウッドが1トップにポジションを移した。

すると、この選手交代が先制点をもたらす。50分、相手陣内中央でフリーとなったB・フェルナンデスからの浮き球のパスに反応したディアロがDFダロト、DFトモリの間にタイミング良く抜け出すと、飛び出したGKドンナルンマの寸前で放ったバックヘッドのシュートがゴールネットを揺らした。

18歳FWディアロの値千金の移籍後初ゴールで先手を奪ったユナイテッドだが、ここからミランの反撃に遭い押し込まれる展開に。58分にはセットプレーの二次攻撃からボックス左のケシエに際どいシュートを打たれると、64分にもカラブリアの右クロスに反応したクルニッチにヘディングシュートを許す。

1点ビハインドも良い形の攻撃が続くミランは69分、ディアスとサーレマーケルズに代えてトナーリとカスティジェホを同時投入。ケシエをトップ下に上げてより前がかる。また、負傷のカラブリアに代えてカルルピッチへ送り出す。

一方、72分にグリーンウッドが見事な突破からのクロスで演出した決定機をD・ジェームズが決められず、試合を殺し切れないユナイテッド。74分には疲労が見えるB・フェルナンデス、ワン=ビサカ、D・ジェームズを下げてフレッジ、ショー、ブランドンウィリアムズの3人を一気に投入。フレッジ、テレスが2列目に入る守備的な布陣で逃げ切りを図る。

その後はミランが押し込み、ユナイテッドがカウンターで応戦する緊迫感のある攻防が続く中、83分には自陣ボックス手前でボールをロストしたマクトミネイがクルニッチを後方から押し倒す。すでに1枚カードをもらっていたマクトミネイは2枚目で退場かに思われたが、主審はファウルを取ったもののカードは出さず。

2度の不利な判定もあり、このままホームチームに押し切られるかに思われたミランだったが、最後の最後に劇的な同点ゴールを奪う。93分、左CKの場面でキッカーのクルニッチが右足インスウィングで入れたボールを巧みな動き出しでマークを振り切ったケアーがゴールから離れる動きから強烈なヘディングシュートを放つと、GKヘンダーソンの手を弾いたボールがゴールネットに突き刺さった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、飛車角抜きも敵地で奮闘を見せたミランが価値あるアウェイゴールを持ち帰り、わずかながらのアドバンテージを持って来週の2ndレグに臨むことになった。

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