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国際アニメーション映画祭「東京アニメアワードフェスティバル2020(TAAF2020)」の授賞式が、去る3月12日に東京・としま区民センターで行われた。

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昨年3月13日から16日にかけて開催を予定していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大を防止する観点から全プログラムが中止となっていた「東京アニメアワードフェスティバル2020」。同日開催の「東京アニメアワードフェスティバル2021」のオープニングセレモニーに先立ち行われた「TAAF2020」授賞式には、アニメーション産業・文化の発展に大きく寄与した人物を顕彰する「アニメ功労部門」、「アニメ オブ ザ イヤー部門」における個人賞、アニメファン賞、作品賞のテレビ部門、作品賞の劇場映画部門の受賞者及び代理人がそれぞれ登壇した。

「アニメ功労部門」の顕彰者を代表し、「未来少年コナン」などを担当した佐藤昭司プロデューサーは、「いま世界に轟く、日本のアニメーション。そしてこれから若い世代の才能を持ったクリエーターが、新しい波を起こしてくれると思います。コロナに負けずに頑張りましょう!」とコメント。また「アニメ オブ ザ イヤー部門」個人賞の原作・脚本部門を受賞した「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴からはコメントが寄せられ、編集者の大西恒平が代読する。「全ては応援してくださった皆さま、作品づくりに関わってくださった皆さまのお陰です。これからもアニメや漫画の素晴らしい文化が盛り上がっていけるよう、微力ながら努力精進したいと思います」と綴られた。監督・演出部門に選ばれた「天気の子」の新海誠に代わり登壇した川口典孝は「新海はいま次回作の制作に入っており本日出席できず申し訳ございません。『天気の子』は新海にとって最高傑作でしたが、次回作はその最高傑作を大きく乗り越えていく作品となっています。これからもよろしくお願いします」と次回作への期待を寄せた。

美術・色彩・映像部門に選ばれたのはヴァイオレット・エヴァーガーデン」などを手がけた渡邊美希子。MCにより代読された京都アニメーションからのコメントには「彼女は、自身が努力し続けるだけでなく、チームの力を信じ、あらゆる才能を柔軟に取り入れ、挑戦し続けたクリエイターです。一切の妥協を許さず、粘り強く映像を磨き続けた彼女は、アニメーションにおける背景には、絵画のようでありながら、生活そのものを描ききってみせる感動がある事、それにより誰かを感動させることができることを確信しておりました。妥協なき映像づくりへの精神は、彼女が育てたチームに引き継がれていきます」と記された。

一般投票で最も票を集めた作品に贈られるアニメファン賞は「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」が受賞。代表者として出席した斉藤一美プロデューサーは「TVシリーズ『うたの☆プリンスさまっ♪』は10周年を迎えますが、この10年はエンターテイメントとは何かを問われる10年でもございました。ファンに支えられている本作は、《勇気》と《誇り》を大切にしています。これからも『うたの☆プリンスさまっ♪』らしい、《夢》と《愛》に溢れた作品を作っていきたいと思います!!」とファンへ呼びかけた。なお「東京アニメアワードフェスティバル2021」は3月12日から15日まで東京・池袋にて催されている。

「アニメ功労部門」

代表・佐藤昭司プロデューサーコメント

昨年の3月にTAAF2020が開催されるはずだったのですが、コロナの感染拡大で映画祭の授賞式が延期となり、今もまだコロナの終息に目途はたっていない状況です。そしてただ今、緊急事態宣言期間中にも関わらず、これだけ素晴らしい授賞式を開いていただき本当に有難うございます。また本日、中島順三さんや小山明子さんと一緒に功労賞をいただけたことが本当に嬉しいです。いま世界に轟く、日本のアニメーション。そしてこれから若い世代の才能を持ったクリエーターが、新しい波を起こしてくれると思います。コロナに負けずに頑張りましょう!

「アニメ オブ ザ イヤー部門」

個人賞

吾峠呼世晴(原作・脚本部門)コメント

このたびは光栄な賞に選んでいただき、嬉しい反面あまり現実感がなく、思い出しては恐縮の極みを繰り返しています。素晴らしいアニメを作っていただいたこと、たくさんの方に漫画を読んでいただけたこと、素晴らしいご縁を繋いでいただけた幸運に心から感謝しております。全ては応援してくださった皆さま、作品づくりに関わってくださった皆さまのお陰です。これからもアニメや漫画の素晴らしい文化が盛り上がっていけるよう、微力ながら努力精進したいと思います。

新海誠(監督・演出部門)代理・川口典孝コメント

本日はこのような晴れの舞台をご用意いただき本当に有難うございます。「天気の子」を制作してから1年半が経ちますが、新海はいま次回作の制作に入っており本日出席できず申し訳ございません。「天気の子」は新海にとって最高傑作でしたが、次回作はその最高傑作を大きく乗り越えていく作品となっています。これからもよろしくお願いします。

渡邊美希子(美術・色彩・映像部門)代理・京都アニメーションコメント

「“アニメ オブ ザ イヤー 個人賞”を頂きありがとうございます。チームで挑戦してきた映像作りが皆さんに届いていたことを実感させていただきました。」誰よりもチームでのものづくりを大事にしてきた背景マン、渡邊美希子さんの声が聞こえてきます。彼女は、自身が努力し続けるだけでなく、チームの力を信じ、あらゆる才能を柔軟に取り入れ、挑戦し続けたクリエイターです。一切の妥協を許さず、粘り強く映像を磨き続けた彼女は、アニメーションにおける背景には、絵画のようでありながら、生活そのものを描ききってみせる感動がある事、それにより誰かを感動させることができることを確信しておりました。妥協なき映像づくりへの精神は、彼女が育てたチームに引き継がれていきます。

梶浦由記(音響・パフォーマンス部門)コメント

この度は名誉ある賞をいただき大変光栄に思っております。ありがたいことに素晴らしい作品から幾つもお声をかけていただき、楽しく音楽と取っ組み合うことが出来た一年でした。作品世界にふさわしい音を紡げたとご評価頂けたのでしたらこれ以上名誉なことはございません。どうもありがとうございました。

アニメファン賞

「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」代表者・斉藤一美コメント

この作品に惜しみない愛を注いでくれたクリエイター、スタッフ、そしてたくさんのファンの皆様に感謝申し上げます。本当に有難うございました!TVシリーズ「うたの☆プリンスさまっ♪」は10周年を迎えますが、この10年はエンターテイメントとは何かを問われる10年でもございました。ファンに支えられている本作は、《勇気》と《誇り》を大切にしています。これからも「うたの☆プリンスさまっ♪」らしい、《夢》と《愛》に溢れた作品を作っていきたいと思います!!

作品賞 テレビ部門

「鬼滅の刃」ユーフォーテーブルコメント

TAAF2020作品賞テレビ部門に「鬼滅の刃」が選ばれてから、1年が経ちました。遅ればせながら有難うございました。現在、「劇場版『鬼滅の刃無限列車編」が劇場公開中ですが、先日、「鬼滅の刃」遊郭編のTVアニメ化が決定しました。これからもよろしくお願いします。

作品賞 劇場映画部門

「天気の子」代表者・古澤佳寛コメント

天気の子」は天気が崩壊してしまった世界でも、主人公たちが環境に負けず幸せを見つけ打ち勝っていくお話です。本作は2019年に劇場公開されたのですが、今年(2021年)地上波でTV放送され、コロナ禍の中でも通用すると思いました。現在、次回作に向けて努力しています。またこの様な賞がいただける糧として、これからも頑張っていきます!

「東京アニメアワードフェスティバル2020」授賞式の様子。1列目左から斎藤篁三、佐藤昭司、中島順三、小山明子、間宮えまり。2列目左から首藤三穂、加藤眞人、篠崎久美子、朝田孝二。3列目左から古澤佳寛、ポルトガル大使館木下氏、ルーマニア大使・タティアナ・ヨシペル氏、チェコセンター東京・高嶺氏、アルゼンチン大使館・マルティンコスタンソ氏。4列目左から斉藤一美、高橋祐馬、大西恒平、川口典孝、森康哲。