クロアチア1部のディナモ・ザグレブは15日、ゾラン・マミッチ氏が監督およびスポーツ・ディレクター(SD)を辞任したことを発表した。

 ディナモ・ザグレブは、18日にヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント2回戦セカンドレグでトッテナムと対戦する。同試合から、アカデミーマネージャーのダミル・クルズナル氏が後任の監督兼SDとしてチームを率いることになる。

 マミッチ元監督はディナモ・ザグレブの常任理事を務めていた兄のズドラヴコ・マミッチ氏、元ディナモ・ザグレブ監督のダミール・ヴルバノヴィッチ氏、同クラブの元税務調査官ミラン・ペルナル氏とともに実刑判決を受けることになる。4人はディナモ・ザグレブから移籍金など1億1600万クーナ(現在のレートで約20億円)を横領し、1220万クーナ(現在のレートで約2億1000万円)を脱税した容疑で起訴されていた。

 クロアチア最高裁判所は15日、4人に実刑判決を言い渡し、マミッチ元監督は4年8カ月、ズドラヴコ氏は6年半、ヴルバノヴィッチ氏は3年、ペルナル氏は3年2カ月の服役が確定した。また、ズドラヴコ氏には5200万クーナ(約9億円)の返還も命じられた。しかし、ズドラヴコ氏は現在、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに逃亡中。クロアチアメディア『Total Croatia News』によると、ボスニア・ヘルツェゴビナは「クロアチアの刑事犯罪はボスニア・ヘルツェゴビナの刑事犯罪として定義されない」ことを理由に、同氏の身柄引き渡しを拒否しているという。

 今回の事件には、クロアチア代表MFルカ・モドリッチ(現レアル・マドリード)らも巻き込まれていた。ズドラヴコ氏はモドリッチが2008年夏にディナモ・ザグレブからトッテナムへと移籍した際の移籍金の一部を着服し、モドリッチは2017年6月13日にズドラヴコ氏の裁判に証人として出廷。モドリッチはその際、契約に含まれていた条項にサインした時期をめぐって偽証した疑いがかけられたが、2018年10月に証拠不十分で同選手への起訴は取り下げられていた。

D・ザグレブのマミッチ監督が辞任 [写真]=Getty Images