「飲むよぉ」のひとこと 晩酌で一日を締め括る


適量のお酒はからだに有益です。善玉(HDL)コレステロールを増やしたり、血液を固まり難くする効果があるためです。(※)

ワインは抗酸化作用に期待できるし、焼酎から漂って来る香りも一役買ってくれます。
(お酒だってからだに良いことがあります)

身体だけでなく、こころのサポートも担っていると思えるやり取りに居合わすことができました。

それは介護施設をご利用になっていらっしゃる「裏千家さん」(若かりし頃茶道を習っていて、某有名婦人雑誌でも写真付きで紹介されたというおばあさん)にまつわるおはなしです。

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悪習が良からぬ「免疫」に ストレスから逃れる飲酒の常態化 https://cocokara-next.com/fitness/drinking-to-escape-stress/

日頃身の周りの面倒を見ているのは息子さんで、親子2人住まいです。送迎の車の中での裏千家さんのおはなしを聴いていると、どうもおふたりともお酒が好きなようです。

息子さんは飲食店に勤めていらっしゃるので、お酒に合い栄養バランスの取れたおつまみをこしらえてくれるそうです。

ある日裏千家さんの体調が思わしくなく、少々目まいもあって施設の居室で横になる日がありました。ご帰宅する頃は気分も良くなった様子でひと安心。ご自宅に到着してから、玄関まで迎えに出て来た息子さんに施設での様子をお伝えしたところ、それまで上がっていた口角が下がり始め、曇った表情に変わってしまったのです。心配になった息子さんは、「それじゃあ、今晩はお酒飲まないね!?」と心配そうに尋ねます。送迎の車中で、「今晩は何がおつまみかなぁ~。」と、今宵の晩酌を楽しみにしていた裏千家さんにとって意気消沈する投げ掛けだったので、私としても何と言って慰めたらいいのか?ハッとしてしまいました。

玄関に脱ぎ捨ててあった履物を揃えようと、足元を見ながら前屈みになっていた裏千家さんは、その問い掛けにおもむろに顔を上げて「飲むよぉ。」の一言を返したのです。「あんたは何を言っているんだ!」と言わんばかりの、少々ドスを利かしたような低い声で、きっぱりと言い放ったのでした。

それを聞いた息子さん。口角が再び持ち上がって来て、いつもの母親が帰ってきたと安心したのでしょう。満足げに「うんうん。」とうなずいたのでした。きっと今日の夕げは親子団欒に違いないと思い描ける一場面でした。

介護施設で休肝日を過ごし、帰宅して適量のお酒に低カロリーのおつまみで晩酌を楽しむ。留守中の出来事などを報告し合うことでストレス発散しながら・・・。

このご家庭にとって、晩酌は健康的な一日の締め括り方なのでしょう。ほっこりした気持ちになりながら、ご自宅をあとにしました。

【出典】
(※)健検公式テキスト増補改訂版  よいお酒、悪いお酒

[文:健康わくわくサイト 人生100年時代に役立つトレヴィアをお届けします]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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株式会社SOily 代表取締役 岡本 頼幸

岡本 頼幸

幼少時代から生命の不思議に取り付かれてきました。
生体の分化発生の不思議を研究 ~ 免疫検査を通しての患者様への想い ~ 医療・健康機器のユーザー様から頂いた奉仕の心・・・。
これらのことから医療・健康の大切さを、長年にわたって実感して参りました。
今、予防医療というポピュレーションストラテジーが重要になっています。
更に「競技スポーツ」に「健康スポーツ」という親しみ易い概念も取り入れようとしています。
みなさまが人生の目的を達成するために大切な、「健康」についてのトレヴィアをお届けしたいと思っています。
みなさまの目となり耳となりそして足となって得た豆知識を、私の経験を交えてできるだけ分かり易くお伝えできれば幸いです。

お酒は飲み方によって心の健康にも役立つ