アニメやマンガの舞台となった土地、ゆかりのある場所を巡る聖地巡礼埼玉県春日部市鷲宮神社が聖地の『らき☆すた』をはじめ、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の秩父、『ガールズ&パンツァー』の大洗は地域をあげてバックアップしているので、聖地としての知名度も高いが、そのほかにも日本全国にはさまざまな聖地がある。そこで、北海道から沖縄までの聖地を網羅した12月13日発売の『アニメ探訪 聖地巡礼ガイド』(聖地巡礼委員会/カンゼン)から、オススメの聖地巡礼コースを提案してみよう。

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 国内外からも絶大な人気を誇るジブリ作品の聖地巡礼がしたければ、まずは『借りぐらしのアリエッティ』で舞台となった青森県の平川市からスタートしてみたらどうだろう。明治期に造られ、国指定名勝にもなっている「盛美園」とそれを眺めるために建てられた「盛美館」が、アリエッティたちの暮らす屋敷のモチーフになっているのだ。それから、東京都多摩市の聖蹟桜ケ丘駅、いろは坂、金比羅神社を回る『耳をすませば』巡り。時間があれば三鷹の森ジブリ美術館に足を運んでみるのもいいだろう。『千と千尋の神隠し』で油屋のモチーフになった道後温泉本館がある愛媛県松山市で1泊すれば、幻想的な雰囲気に浸れるはず。高知県では『海がきこえる』に登場する高知城やはりまや橋を眺め、『風立ちぬ』で登場する離れのモチーフとなった、熊本県玉名市の前田家別邸でゴール。同じように、会社縛りで京アニ巡りもできる。ただし、京アニ巡りの場合は10作品分の聖地があるので、全部回るにはそれなりの時間とお金が必要だろう。

 また、細田守新海誠のように、監督縛りで聖地巡礼することもできる。『時をかける少女』でヒロインの女子高生・真琴たちがよくキャッチボールをしていた哲学堂公園野球場は、西武新宿線新井薬師寺駅の北にあるそう。そのほかの聖地も山手線の北側に集中しているので、聖地巡礼もしやすい。お次は、『おおかみこどもの雨と雪』でヒロインの花と狼男だった「彼」が出会う一橋大学。そのなかでも、時計塔のある一橋大学付属図書館の正面に立てば、2人が初めて会話をしたシーンが頭の中に蘇ってくるはず。そして『サマーウォーズ』のヒロイン・陣内夏希の実家は、長野県上田市がロケ地になっている。陣内家の門のモデルになった上田城櫓門はもちろん、作中で登場するまるまどりーむ号という電車も外せない。上田市観光会館には『サマーウォーズ』の聖地巡礼ノートもあるようなので、そちらも立ち寄ってみるといいだろう。

 逆に、1カ所でたくさんの聖地を巡りたいという人にオススメなのが新宿。新宿駅は、新海誠の『言の葉の庭』で総武線緩行線と中央線の13番ホームが登場するほか、「これはゾンビですか?」シリーズでも新宿西口のロータリーや新宿エルタワー、謎のランドマークとしても有名な「新宿の目」がモチーフに使われている。新宿大ガード西交差点は『はたらく魔王さま!』でたびたび登場するし、『東のエデン』で主人公が刑事に呼び出される歌舞伎町は、その刑事が妻に刺し殺される場所でもある。新宿三丁目の「新宿末廣亭」に行けば、『じょしらく』のヒロインたちが落語を披露していた場所を見ることができるのだ。

 本書では、全部で150作品分もの聖地が紹介されているので、みなさんも「自分ベスト」な聖地巡礼コースを作ってみてはいかがだろうか。

文=小里樹

『アニメ探訪 聖地巡礼ガイド』(聖地巡礼委員会/カンゼン)