第44回日本アカデミー賞の授賞式が3月19日、グランドプリンスホテル新高輪にて開催。最優秀作品賞の栄誉に輝いたのは、草なぎ剛主演の映画『ミッドナイトスワン』だった。草なぎは、最優秀主演男優賞を獲得した際と同じく、開口一番「マジかって感じですね」と驚きを隠せなかった様子。そして「あきらめずに⼀歩ずつ進んでいけば、奇跡は起こるんだ」と万感の想いを口にした。

【写真を見る】草なぎ剛や長澤まさみら最優秀賞受賞者たち

ミッドナイトスワン』は、草なぎ剛トランスジェンダーという難役に挑んだ愛の物語。身体と心の葛藤を抱えて生きる主人公が、バレエダンサー志望の少女と出会い、疑似親子的な関係を深めていく。

本作で女優デビューを果たし、新人俳優賞を受賞した服部樹咲は、初めて演技に挑戦した今作品について、「映画館に⾜を運んでくださった⽅々やSNSなどで盛り上げてくださった⽅などに感謝の気持ちでいっぱいです」と感謝を伝えた。

内⽥英⼆監督は、「スタッフと役者そしてやっぱり観客、観客があってこそのやっぱり映画なんだと思いました」と語り、スタッフとキャスト全員が同じ⽅向を向いて作り上げた作品ということに加え、コロナ禍で劇場に⾜を運んでくれた観客にも心から感謝した。

また、12部⾨12賞で優秀賞を受賞した『Fukushima 50(フクシマフィフティ)』が、渡辺謙の助演男優賞、若松節朗監督の監督賞のほか、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞などの技術賞を含め6冠を手にした。コロナ禍で昨年の授賞式は初の無観客開催となったが、今年は会場を2つに分け、密を避けるなど万全の感染症対策を講じた上で、観客を入れての開催となった。

■第44回日本アカデミー賞最優秀賞受賞一覧

最優秀作品賞:『ミッドナイトスワン

最優秀アニメーション作品賞:『劇場版「鬼滅の刃無限列車編

最優秀監督賞:若松節朗『Fukushima 50』

最優秀脚本賞:野木亜紀子『罪の声』

最優秀主演男優賞:草なぎ剛ミッドナイトスワン

最優秀主演女優賞:長澤まさみMOTHER マザー

最優秀助演男優賞:渡辺謙『Fukushima 50』

最優秀助演女優賞:黒木華『浅田家!』

最優秀音楽賞:梶浦由記椎名豪『劇場版「鬼滅の刃無限列車編

最優秀撮影賞:江原祥二『Fukushima 50』

最優秀照明賞:杉本崇『Fukushima 50』

最優秀美術賞:瀬下幸治『Fukushima 50』

最優秀録音賞:柴崎憲治/鶴巻仁『Fukushima 50』

最優秀編集賞:石井巌/石島一秀『男はつらいよ お帰り 寅さん』

最優秀外国作品賞:『パラサイト 半地下の家族』

文/山崎伸子

草なぎ剛は最優秀賞主演男優賞を受賞/[c]日本アカデミー賞協会