体重わずか20グラムという小さなハムスターが骨折し、その後ろ脚の手術を獣医は決意した。少しでも力の掛け方を間違えてしまえば失敗してしまう繊細な手術に獣医は小さな器具を揃えて奮闘し、手術は無事に成功したという。この獣医の凄技にSNSでは称賛の声があがっている。『Mirror』などが伝えた。

イングランドランカシャー州にある動物病院「The Veterinary Health Centre」は先月8日、脚を骨折したハムスターの手術を行ったことをFacebookで公表した。

同動物病院に運び込まれたのは、ロボロフスキーハムスターの“スキ(Suki)”だ。同州プレストン在住のギルヘルメ・グーベアさん(Guilherme Gouveia、23)が、飼っているスキが脚を引きずって歩いていることに気付き診察に連れてきた。

担当した獣医のアン・リードさん(Ann Reid、54)は、ギルヘルメさんに「スキは脚を骨折しています。元気よく歩けるようになるためには手術が必要です」と伝えた。レントゲン写真でも、脚の骨が完全に折れてしまっていた。

ハムスターの体はとても小さく、その脚となると針に糸を通すような繊細な手術が必要になる。アンさんにとって難しい手術となるのは明らかだった。

「骨折を治療するためには骨を固定する必要があります。様々な方法がありますが、今回私は骨内部の空洞部分に金属プレートを入れて固定する、髄内釘固定という方法を選びました。」

ハムスターの骨はもろく、少しでも力の掛け方を間違えてしまうと簡単に折れてしまいます。よって手術には細心の注意を払い、正確に行うことが求められます。さらに手術の際に用いる小さなピンなども用意しなければなりませんでした。」

手術に至るまでの苦労を明かしたアンさんだったが、さらに困難が待ち受けていた。

「問題になったのは、スキの体重が4分の3オンス(約21グラム)しかないことでした。このような場合には静脈内カテーテルを使用するのですが、スキにとっては大きすぎて使えませんでした。そこで獣医界で最も細い針であるインスリン用の注射針を代わりに用いました。」

アンさんが試行錯誤した結果、スキの手術は無事に成功した。飼い主のギルヘルメさんは「小さなスキの手術が成功し、素晴らしいの一言に尽きます」と喜んでおり、麻酔から覚めたスキにご褒美のエサをあげると元気に食べ始めたそうだ。

「手術の後には回復のため、スキを一時的に別の箱に入れていました。治るまでに1か月ほどかかりましたね。その間は回し車など普段遊んでいるものは使えなかったので、退屈しないように別のおもちゃをあげていました。」

「術後、スキは自分の脚を気にするような素振りは全く見せませんでしたが、いつもより元気が無いようでしたね。すっかり治った今では、エサを見せると喜んで駆け寄ってきますよ。」

そう明かすギルヘルメさんは、元気になったスキとの生活を楽しんでいるという。

小さなハムスターの手術が成功し、Facebookユーザーからは「すごい技術だ。優秀で熱心な獣医なんだろうね」「これは素晴らしい。獣医の完璧なスキルが証明されたね」「だから私はここでしか私のペットのネズミを診察に連れてこないのよ!」と称賛の声が寄せられている。

画像は『Mirror 2021年3月9日付「‘Amazing’ vets perform surgery on tiny hamster’s leg before he gets cotton wool cast」(Image: CATERS NEWS AGENCY)』『The Veterinary Health Centre Ltd 2021年2月8日付Facebook「Everyone meet Suki!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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